


いつもセドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院をありがとうございます。
先月、ブログにアップさせて頂きました「 交通事故に遭ったら最初に何をするのが正解 慌てないための6つの
ステップ」が好評を頂きましたので、今回は開院10年で患者様から寄せられた疑問・質問についてまとめま
した。
いずれも交通事故対応の中で重要なことになりますので、是非、ご一読くださいませ。
Q:事故後、痛みがないから病院へ行かなくていい?
A:必ず病院へは受診されて下さい!!
交通事故に遭った直後、「痛みはないから大丈夫そう」「車も少しぶつかっただけだから病院へ行くほどでは
ない」と思われる方は少なくありません。
しかし、交通事故では事故直後には症状が目立たなくても、その後になって首や腰の痛み、頭痛、めまい、手足のしびれなどが現れることがあります。
また、事故後の対応は身体の回復だけでなく、保険手続きや今後の治療にも関わる重要なポイントです。
今回は、交通事故後に自覚症状がなくても病院を受診した方がよい理由について、医学的な観点と制度的な観点からご説明いたします。
1:「交通事故では症状が後から現れることがあります」
交通事故では、受傷直後には症状が軽く感じられても、時間の経過とともに首や腰の痛み、頭痛などが現れることが多々あります。
特に交通事故で多い「むち打ち(外傷性頚部症候群・頚椎捻挫)」は、症状の現れ方や程度に個人差があり、
事故直後の自覚症状だけで重症度を判断することは難しいです。
そのため、「今は痛くないから大丈夫」と自己判断せず、まずは医師の診察を受けることが大切です。
※むち打ちの症状が後から現れる理由については、別の記事で詳しく解説しています。
2:「見た目では分からない怪我が隠れていることがあります」
交通事故では、外見上は大きなケガがなくても、身体の内部で損傷が起きている場合があります。
整形外科では診察に加え、必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどの検査を行い、「骨折」「脱臼」「神経障害」「腱や靭帯などの軟部組織損傷」またそれらが疑われるが疑われる所見などを総合的に評価します。
上記した怪我は時間の経過とともに回復していくものですが、まれに「急性硬膜下血腫」「脳挫傷」といった頭部外傷を引き起こしている事があります。
特に強い痛みや全身性のしびれ、手足の脱力感などがある場合には、早めの受診が重要です。
3:「診断書が今後の治療や保険手続きで重要になります」
交通事故で病院を受診すると、医師が診断書を作成します
この診断書は「人身事故への切り替え」「自賠責保険・任意保険の手続き」「治療経過の確認」「後遺障害等級認定の申請(必要な場合)」など、さまざまな場面で重要な書類となります。
また、事故から長期間経過してから初めて受診すると、事故と症状との関係を医学的に判断することが難しくなる場合がありますので、症状の有無にかかわらず、できるだけ早い段階で医療機関を受診することが大切です。
Q:病院と整骨院は併用できる?
A:病院(整形外科)と整骨院を併用することは可能です!!
交通事故に遭った後、
「病院と整骨院は両方通ってもいいの?」
「保険会社から整骨院だけにしてくださいと言われた」
「整形外科へ通うと整骨院には行けないのでは?」
このようなご相談をいただくことがあります。
結論から申し上げると、交通事故後に病院(整形外科)と整骨院を併用することは可能です。
ただし、それぞれ役割が異なるため、安心して治療を続けるためには、その違いを理解しておくことが大切です。
病院と整骨院は役割が異なります
病院と整骨院は、どちらも交通事故後の身体を支える大切な存在ですが、担う役割は異なります。
【整形外科】の役割:整形外科では医師が診察を行います
「診断」「レントゲン・CT・MRIなどの画像検査」「薬の処方」「診断書の作成」「必要に応じたリハビリテーションや専門医への紹介」などを行います。
日本整形外科学会でも、【整形外科医は診察所見や画像検査などをもとに診断を行い、病態に応じて投薬・注射・手術・リハビリテーションなどを実施する】と説明しています。
交通事故後は、まず整形外科を受診し、医師による診断を受けることが大切です。
【整骨院】の役割:整骨院では柔道整復師が施術を行います。
交通事故による捻挫や打撲などに対して「手技療法」「物理療法」「日常生活のアドバイス」「身体機能の維持・改善を目的とした施術」などを行います。

病院と整骨院は併用できます。
交通事故後は『整形外科で定期的に診察を受けながら、整骨院で継続的な施術を受ける』という通院方法を選択される方も少なくありません。
例えば【定期的に整形外科で症状の経過を確認してもらい、日常的な身体のケアを整骨院で受ける】というように、それぞれの役割を活かしながら通院することができます。
交通事故の治療では、整骨院へ通院している場合でも、整形外科で定期的に診察を受けることが重要です。
その理由は、
「症状の変化を医学的に確認できる」
「必要に応じて追加検査や治療方針の見直しができる」
「診断書や診療録などの医学的記録が継続される」 ためです。
【損害保険会社へ、相談しながら進めましょう】
交通事故の治療では、治療費の支払い方法や通院先について、加害者側の任意保険会社が窓口となることがあります(自損事故や加害者側などはこの限りではない場合があります)
整骨院で施術を受ける場合は、あらかじめ保険会社へその旨を伝え、治療状況を共有しながら進めると、その後の手続きがスムーズです。
※お問い合わせの際は「セドナ整骨院 千葉駅前院」と「043-287-4486」の番号を損害保険会社の担当者様にお伝えください。
なお、事故の状況や保険契約の内容によって対応が異なる場合もありますので、不明な点は保険会社や医療機関へ確認することをおすすめします。
【当院では整形外科との併用をおすすめしています】
繰り返しにはなりますが、当院では、交通事故後に来院される患者様へ、まず整形外科を受診していただくようご案内しています。
そのうえで「医師による診断」「定期的な経過観察」を受けながら、身体の状態に応じて施術をご提供しています。
交通事故では、「検査」と「診断」を担う病院と、「継続的な身体のケア」を担う整骨院が、それぞれの役割を果たすことが大切だと考えています。
私達はこれまで多くの交通事故によるお身体の不調を診させて頂いてきました。
その中で、「もっと早く受診していれば…」というお声を伺う事も少なくありません。
事故直後は症状が軽くても、まずは病院(整形外科)での診察を受け、その後の治療方針についてお気軽にご相談下さい。
一日もはや回復を心から願っております。
セドナ整骨院・鍼灸院 出口
参考文献・参考資料
① 日本整形外科学会「整形外科と接骨院(いわゆる整骨院)」
https://www.joa.or.jp/public/about/bonesetter.html
② 日本整形外科学会「むち打ち症(外傷性頚部症候群)」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/traumatic_cervical_syndrome.html
③ 国土交通省「怪我をしたときは?」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/accident/injury/index.html
④ 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/accident/nopolicyholder/index.html
⑤ 国土交通省 自賠責保険ポータルサイト「交通事故に遭ったら」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/accident/index.html
⑥ 厚生労働省「医療機関の適正受診に関する情報」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/jushin/index.html
⑦ 日本損害保険協会「交通事故にあったら」
https://sonpo.or.jp/
いつもありがとうございます。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院の出口です。
私たち、セドナ治療院グループは開院から22年延べ34万人の患者様の施術を担当させて頂いております。
その莫大の臨床経験の中から弊社では「自律神経の働きと東洋医学に基づいた独自の治療メソッド」を確立し、それを元に、日々、患者様の「真の健康」の価値を提供しております。
移り変わりの激しい世の中で、多くの情報と刺激が私達を取り巻いています
慢性的なストレスや日常的な緊張は、自律神経のバランスに影響を及ぼし、疲労感が抜けにくい、睡眠の質が低下する、頭が重いといった不調につながることが知られています。
自律神経は呼吸・血流・体温調節・睡眠・内臓機能など、生命維持に不可欠な働きを無意識のうちに調整している神経です。
慢性的なストレスや長時間のデスクワーク、スマートフォンやパソコンの使用が続くと、交感神経が優位な状態が長引き、身体が十分に休息モード(副交感神経優位)へ切り替わりにくくなります。
身体と心は繋がっており、身体の状態は心・メンタルに反映します。結果として慢性的な身体へのストレスはメンタル面の不調を引き起こします。
セドナ治療院グループでは新たに「頭だけでなく心まで緩める【ヘッドセラピー】」を導入いたしました。
以前より多くの患者様からご要望をいただいており、頭部ケアを治療の一環として体系化したメニューです。
手当という言葉があるように、ヒトは自然と痛みがある部位に対して手を当てて施術を行って参りました。
小さい頃、何か辛い事や悲しい事があると、両親に頭を撫でて貰った経験が皆様もご経験があると思います。
これは、頭皮刺激により神経が刺激され、副交感神経が優位になる事で、愛されている感覚や守られている感覚(保護欲)と結びつき、心身の緊張がほぐれるためで、自律神経を整え、信頼関係を深める効果も期待できます。
頭顔面には「三叉神経(第Ⅴ脳神経)」という太い感覚神経が分布しており、この神経は顔面の知覚だけでなく、脳幹の自律神経中枢とも密接に関係しています。
近年の研究では、三叉神経領域への適切な刺激が、痛みの調整や自律神経活動に影響を与える可能性が示唆されています。
実際、鍼灸治療や頭部刺激に関する研究では、頭痛や顔面痛、睡眠障害などに対して一定の改善効果が報告されており、特に緊張型頭痛や三叉神経関連の症状では、臨床研究やシステマティックレビューでも有効性が示唆されています。
当院のヘッドセラピーは、一般的なリラクゼーション目的のヘッドマッサージとは異なり、メンタル・頭蓋骨・筋肉・神経の構造を理解した施術家が行う自律神経の働きと東洋医学に着目した施術です。
施術では「頭皮」「こめかみ(側頭部)」「後頭部」「首~肩、デコルテ」
といった部位を中心に、三叉神経や自律神経と関連の深い解剖学的ポイントを調整していきます。
これにより、「頭部や頸部の血流改善」「筋緊張の緩和」「神経の興奮状態の鎮静」が期待でき、「呼吸が深くなる」「身体の力が抜ける」「頭が軽く感じる」「良く寝れるようになる」といった身体の変化のみならず、「気分が楽になった」「心が軽くなった」「気持ちが前向きになった・落ち着いた」と感じられる方が多くいらっしゃいます。
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◇ホットストーンによる温熱刺激の併用
施術には専用のホットストーンを使用します。
ホットストーンの温熱刺激は、お湯やエアコンのように表面を温めるのではなく、遠赤外線効果で体の深部までじんわりと熱が届き血管拡張を促し、局所循環を改善することが知られています。(ホットストーンは古くから神経の過敏状態を和らげる補助的手段として用いられています)
大切な神経が密集する頭部や首周囲を穏やかに温める事で、むくみや重だるさの原因となる循環不良を改善し、より深いリラックス状態を作り出します。臨床的にも、温熱刺激は副交感神経優位への移行を助ける要因の一つと考えられています。
当院で使用しますホットストーンは天然石の産地として広く知られているジャワ島(西ジャワ州)の スカブミで採れる石「ブミ(インドネシア語で「地球・大地」の意味)」を使用しております。
◇ヘッドセラピー専用:こだわりのオイル
頭部の施術を行う際には一部、アルガンオイル、コメヌカ油、セサミオイルをベースに、頭皮ケアとリラックスを両立した洗い流しのいらない専用オイルを使用します。バリ島の「花」「果実」「スパイス」をイメージした爽やかなオリエンタルな香りの作用で緊張を和らげ、心まで落ち着くのを実感して頂けます。
頭髪ケアとリラックスを意識したエッセンシャルオイル(精油)
・イランイラン花油:皮脂分泌調整や髪の成長促進、抜け毛予防など、頭皮ケアだけでなく、甘くフローラルな香りはリラックス作用にも優れています。
・ベチベル根油:お肌や頭皮の痒みにも働きかけ、乾燥肌や頭皮の乾燥、フケの予防の作用が期待されています。頭皮環境が改善されると髪のつやや育毛などの効果も期待されます。
・ベルガモット果皮油:不安・緊張の緩和、リラックス作用が高く、気持ちが沈んだり落ち込んだ時に心をゆっくりと落ち着けてくれます。
・スペアミント油:すっきりとした香りが頭をクリアにして集中力を高めてくれます。
・ビターオレンジ葉/枝油:緊張や不安感を解きほぐし、リラックス感を与えます。
・ニクズク核油:甘くウッディな香りは鎮静作用があることが知られており、ストレスを和らげます。
参照:https://www.aromatalk-store.com/shopdetail/000000000843/ct226/page1/recommend/
◇ヘッドセラピーの適応症状
ヘッドセラピーの適応症状としては以下のものが上げられます。
「頭痛」「頭重感」「顔面痛」「睡眠障害」「頭部のコリ・緊張感」「眼精疲労」「首こり・肩こり」「食いしばり・顎の疲労感」「ストレス過多」「精神的緊張・不安感・イライラ感」「のぼせ・倦怠感・気分変動などの更年期症状」など
◇頭顔面部から頚部の経穴(ツボ)、神経構造
WHO/WPRO(世界保健機関/西太平洋地域事務局)で標準化されている経穴定義を基準にすると頭顔面部だけで「約60〜65穴」、経絡(ツボの流れ)では「8/12本」が流れている重要な部位になります。
(頚部まで含めると 約80〜90穴の経穴が集中する領域)
では何故、これ程まで頭顔面部から頚部に経穴が集中しているのかというと、解剖学的に「三叉神経(頭顔面の感覚の大半)」、「顔面神経(表情筋・自律神経成分を含む)」、「後頭神経群(頭部後面から頚部後面)」、「迷走神経・交感神経幹(頚部)」など密な神経構造が挙げられ、このどれもが脳幹・自律神経中枢への反射入力として機能している為です。この点からも東洋医学的にこの領域に多くの経穴が配置されたと考えられています。
また頭顔面部〜頚部が「特別な治療領域」である理由としては「脳神経の約半分は「顔と首」に集まっている」という解剖学的な特徴も挙げられます。
人間の脳神経は全部で12対ありますが、そのうち5対以上が、頭顔面〜頚部を直接支配しています。
「三叉神経(第Ⅴ脳神経)」、「顔面神経(第Ⅶ脳神経)」、「舌咽神経( 第Ⅸ脳神経)」、「迷走神経( 第Ⅹ脳神経)」、「副神経( 第Ⅺ脳神経)」
つまり、頭顔面部や頚部に触れる・刺激を入れる=「脳に一番近い神経に触れる」というのは、比喩ではなく解剖学的事実です。
頭顔面部〜頚部は「感覚入力の量」は身体の中でも異常に多くなっています。代表的な例として大脳皮質のペンフィールドのホムンクルスを見ると(※絶対にイラストが必要)
顔・唇・舌・首は身体の体表面の大きさに比べ、異常に広い脳領域を占めています。
つまり、同じ刺激量・時間でも東洋医学の経穴が示すように当顔面部への刺激は脳に強く影響する事が挙げられます。
◇三叉神経
特に重要なのが、近年、研究が盛んに行われている三叉神経(第Ⅴ脳神経)です。
三叉神経は、顔の神経であると同時に「脳の延長」で「 顔面の痛み・温度・触覚」、「角膜反射」、「咀嚼運動」を担う神経ですが、それだけではありません。
三叉神経の感覚情報は、脳幹の「三叉神経脊髄路核」に入力されます、そこは自律神経(交感神経・副交感神経)と、痛み調整の中枢と重なっています。
つまり、頭顔面部への刺激は、自律神経中枢へ直接入力される解剖学的構造になっています。
この為、「頭顔面部を触られると落ち着く」「こめかみを押すと頭痛が少なくなる」「眼の周りを緩めると眠くなる」といった自律神経を介した身体反応が起こります。
◇頚部は「自律神経の交差点」
頚部は、解剖学的に見ると脳からでた自律神経が最も密集するエリアのひとつです。
頚部に存在する自律神経の重要構造として「頚部交感神経幹」、「迷走神経(副交感神経の主幹)」、「頸動脈洞・頸動脈小体(血圧・呼吸センサー)」が挙げられます。
頸動脈洞とは、血圧が上がると「下げろ」と脳に信号を送るセンサーの役割を持っています。
頚部周りの慢性的な緊張や圧迫は血圧・心拍・呼吸のリズムに影響しますので、施術により緊張や圧迫を改善する事は自律神経の調整にも大きな役割を果たします。
また、頭顔面部は頚部と「筋膜(ファシア)」で連続した一枚構造とされています。
特に重要なのが「咀嚼筋群(側頭筋・咬筋など)」、「後頭下筋群」、「僧帽筋(上部線維)」と言われています。
咀嚼筋群は感情・メンタル面との結びつきが強く、怒りや不安、抑うつなどで無意識的な食いしばり(噛み締め)を引き起こします。
後頭下筋群は姿勢制御・眼球運動・自律神経反射に関与すると言われ、後頭部が固まっている人ほど「目の疲れ・頭重感・眠りの浅さ」を引き起こします。
僧帽筋(上部線維)は頭部、姿勢保持になくてはならない筋肉で、肩こりの代表的な施術のポイントになります。
◇「心が緩む」は迷信ではない
東洋医学では「身体と心は繋がっている」という事を何千年前から伝えています、近年のfMRIを使用した脳分野での研究では、頭顔面への刺激で「島皮質」、「前帯状皮質」、「視床」といった 感情・ストレス処理に関与する部位の活動変化(賦活)が現代西洋医学の分野でも報告されています。
頭顔面部は「感覚と感情が最短距離で結びつく部位」です。
頭顔面から頚部にかけて、三叉神経をはじめとする脳神経や自律神経が高度に集中する領域であり、医学的にも全身状態や心身のバランスに影響を与えやすい特別な部位とされています。
ヘッドセラピーはずっとセドナ治療院グループとしてもメニュー化したいと考えているものでした。
練りに練った施術ですので、是非、ご体験下さいませ。
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みなさんこんにちは!セドナ整骨院 千葉駅前院の佐々木です。
前回に続き、今年6月に当院で行われた健康セミナーでご紹介させていただいたご自宅での心のセルフケアについてお話しいたします。
日々の生活の中で、私たちは気づかないうちに多くのストレス刺激にさらされています。
しかし、その「ストレス反応」は必ずしも悪者というわけではありません。私たちの身体が本来持っている“自分を守るための仕組み”なのです。
実践の前に、まずストレスによって起こる反応の種類をみていきましょう。セミナーでは3つの主要な反応を解説しました。
1.闘争・逃走反応
危険に直面したとき、心拍数が急激に上がり、血管が収縮して筋肉へ血流が集中する反応です。
瞬時に体を動かすためのエネルギーを引き出すもので、会議や試験、初めての場所での緊張などもこの反応にあたります。
特に適度な緊張は集中力を高め、私たちの能力を最大限に引き出してくれます。
2.チャレンジ反応
困難に立ち向かうときに生じる前向きなストレス反応です。心拍数は上がりますが、血管は収縮せず拡張するため、脳にしっかりと酸素が届きます。その結果、行動に完全に没頭し、時間を忘れて集中できる状態、いわゆる「ゾーン」に入る感覚が生まれます。スポーツ選手やアーティストにも多く見られる反応です。
3.思いやり・絆反応
強いストレスを感じると分泌される“オキシトシン(幸せホルモン)”によって、人とのつながりを求める気持ちが高まります。
そして誰かに相談したり、支え合ったりすることで、心身の回復が促進されます。
(つまり「一人で抱え込まない」ことが、ストレス対策として非常に効果的です。)
これらは本来、私たちを守り、能力を発揮させるためのシステムです。問題はこれらの「自分の体の反応をどう解釈するか」。例えば、心臓がドキドキしているときに「このまま倒れるかも」と恐れるか、「力を出す準備が整ってきた」と受け止めるか。この“認知の違い”が、体の働きやパフォーマンスを大きく左右します。
セミナーでは、この認知を変えるための実践トレーニングを体験していただきました。
ご自宅でも簡単にできる方法を、改めてご紹介します。
1.言語化トレーニング
今自分が感じている感情を声に出したり、紙に書いたりして「私は今緊張している」「私は今怖がっている」などと言葉で表現します。このように言語化することで自分が今どんな状況下に置かれているのか、今どんな感情を持っているのか客観視しやすくなり、脳が冷静さを取り戻すことが研究でわかっています。
2.ダブルインヘール
呼吸をする際に息を可能な限り深く吸い、吸い終わったあとでもう一段階深く吸い込みます。これは「ダブルインヘール」と呼ばれる呼吸法で、数回繰り返すだけで副交感神経が優位になり、心拍が整います。緊張時はとくに呼吸が浅くなりやすいため、夜寝付きが悪い時などぜひ試してみてください。
3.マインドフルネス瞑想
「今この瞬間」に意識を集中させ、過去や未来の不安から一時的に心を切り離す練習です。
静かな場所で目を閉じ、約5分間、自然な呼吸を繰り返します。
目は開いていても閉じていてもどちらでもよいです。呼吸や体の感覚に意識を向けるだけでも構いません。雑念が浮かんでも「今、考え事をしているな」と気づくだけでOK。無理に止めようとしないのがコツです。
ご紹介させていただいたセルフケアはどれも特別な道具や長い時間などは必要なく、自宅や職場でも簡単に取り入れられます。実際にセミナーに参加された方々からは
「最近寝付きの悪さが気になっていたけれど、マインドフルネス瞑想をやり始めてから寝付きが良くなった」
「仕事中ドキドキした時に試したら落ち着けた」
といった実感の声が多数寄せられました。このブログをお読みになっているみなさんもぜひお試しください!
またもし「ここがわからない」「どうやったらいいんだろう」など今回のブログ内容についての疑問、「このストレスにどうやって向き合ったらいいんだろう」などの日常生活でのご相談がございましたらスタッフへ気軽にお話くださいませ!
次回の健康セミナーは12月14日開催予定です。
テーマは『アンガーマネジメント・怒りとの付き合い方』
日頃、私たちは仕事や家庭、人間関係の中でさまざまな感情を抱えながら生活しています。うれしい、悲しい、不安、そして怒り、これらは誰もが持つ自然な心の反応です。しかし忙しい日常の中では、自分の感情にきちんと目を向ける時間が取れず、気付かないうちに体や心に大きな負担をかけてしまうことがあります。
当院では、こうした「感情と身体のつながり」を患者様ご自身に理解していただき、日々の健康管理にに役立つ知識とセルフケアを、実践形式でお届けします。
体のサインを学び、自分自身を守る力を一緒に身につけませんか?ぜひお誘い合わせのうえ、ご参加ください。
参考文献:
『Neuropsychologia』References:‘Flow state’ uncovered: We finally know what happens in the brain when you’re ‘in the zone’ | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
スタンフォードのストレスを力に変える教科書:McGonigalKelly
こんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です。
今月は「鍼灸と期外収縮」についてをテーマとしてお話させて頂きたいと思います。
日常生活の中で「脈が飛ぶような感じがする」「動悸がする」「胸がつまったような感じがする」といったお悩みを持つ方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
その原因の一つとして考えられるのが 「期外収縮」 という不整脈です。
不整脈と聞くと、「心臓の病気なのではないか」と不安に思われるかもしれませんが、実は半数以上の人が無自覚に経験しているものであり、健康な人にも起こることがある現象で、多くの場合は生死に関わるものではなく心配のないものです。
「不整脈」は一般に「心臓の拍動が不規則なもの,速くなるもの,遅くなるもの」を指し、不整脈の一種である「期外収縮」は中でも正常な拍動の間に時々不規則な拍動が現れるタイプにあたります。
しかし例外として頻繁に起こる場合や、息苦しさ・めまいを伴う場合は、体からのサインかもしれません。
鍼灸治療と期外収縮の関係をお話していくにあたって今回はまず期外収縮とは何か学んでいきましょう!
◎期外収縮とは
心臓は常に一定のリズムで動いており、通常であれば
「トッ・トッ・トッ・トッ」
と等間隔に拍動しています。しかし、この一定のリズムが崩れて
「トッ・トトッ・トッ・トッ」
というように心臓の通常のリズムとは異なるタイミングで余計な収縮が起こる現象のことを期外収縮と呼びます。
実際に期外収縮が起こった方からの声では「脈が一瞬止まったように感じる」「突然ドクンと強い動悸がする」「胸がザワザワする感じがする」といった症状を感じられるそうです。
心臓は普通、洞結節という場所から発生する電気信号でリズムよく動いています。この洞結節は心臓の右心房の上部にあり、特別な細胞が集まっていて、他の神経を介さず自発的に電気信号を作り出します(自動能)。その信号が心房に伝わり、房室結節を通って心室に届き、心臓の筋肉が収縮して血液が体中に送り出されます。
通常、洞結節からの信号は一定の間隔で発生し、心臓のリズムは安定していますが、期外収縮では正常なリズムから外れて、早すぎたり遅すぎたりする収縮が発生します。
・期外収縮の原因
期外収縮が起こる理由は様々で、一例として以下の要因があげられます。
①心臓疾患
心筋梗塞や心不全、弁膜症など、心臓に病気がある場合、期外収縮が発生しやすくなります。
②電解質異常
血液中のカリウムやカルシウム、マグネシウムが不安定だと、心臓のリズムが乱れることがあります。
③薬物やカフェイン
一部の薬やカフェインが心臓に影響を与え、期外収縮を引き起こすことがあります。
④ストレスや疲れ
精神的なストレスや体調不良も、心臓に負担をかけて期外収縮を引き起こすことがあります。
心臓のご病気がない方は④のストレスや疲れが要因となるケースは多いです。
・診断と治療
期外収縮の診断は、心電図(ECG)を使って行います。心電図では、心臓の異常な収縮のタイミングや頻度が記録されるため、どの程度の問題があるかが分かります。
もし期外収縮が頻繁に起こる場合や症状が強い場合、投薬での治療を行うことがあります。また、薬物療法が効果が薄い場合には、カテーテルアブレーションという治療法も考慮されます。
・注意すべき期外収縮
1日に何百回も発生する場合:頻発することで、心臓への負担が増し、他の不整脈が引き起こされることがあります。
めまい・息切れ・意識が遠のく感じがある場合:血流が低下し、脳や体に十分な酸素が届いていない可能性があります。
運動中や労作時に頻発する場合 :心筋虚血(心臓への血流不足)が関係している可能性があります。
このような場合は、一度病院で心電図やホルター心電図(24時間心電図)などを受けて、詳しい検査をしてもらいましょう。
今回は「期外収縮の概要」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は本題である「期外収縮と鍼灸の関わり」についてお話させていただきます!
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー」についてお話させて頂きます。
◎鍼灸治療における糖尿病への効果に関する臨床研究とレビュー
近年、糖尿病の管理において、補完代替医療の一環として鍼灸治療が注目されています。
特に、鍼灸が血糖値の調節、糖尿病性末梢神経障害(DPN)などの合併症の緩和、さらにはストレスや炎症の抑制を通じて、患者の生活の質(QOL)を向上させる可能性があるとする研究が増えています。こうした動きの中で、科学的根拠を積み上げるため、鍼灸治療を用いた臨床研究やレビューが国内外で活発に行われています。今回は、これらの研究の中から鍼灸治療の効果についてお話していきます。
◎糖尿病に対する鍼灸治療の臨床研究
研究例1:血糖値の管理における鍼灸の効果 Liu et al.(2018年)のランダム化比較試験(RCT)では、2型糖尿病患者を対象に鍼灸が血糖値管理に与える影響を検討しました。
この研究では、対象者を以下の2群に分けて8週間治療を行いました。
治療群:標準的な薬物療法(メトホルミン)に加えて、週3回、主要な経穴(例:足三里、合谷、三陰交など)に鍼治療を実施。
対照群:薬物療法のみ。
治療後、治療群では空腹時血糖値(FPG)が平均15mg/dL以上低下し、HbA1c(糖化ヘモグロビン)も0.7%減少しました。一方、対照群ではこれらの数値に有意な変化が見られませんでした。また、患者からは治療後の疲労感や睡眠の質の向上が報告されており、鍼灸が血糖値の調節のみならず、全体的な体調改善にも寄与した可能性が示されました。
この研究は、鍼灸が血糖値を改善する補完療法として有望である一方で、治療の具体的なメカニズムを解明するさらなる研究の必要性を強調しています。
研究例2:糖尿病性末梢神経障害(DPN)への鍼灸の応用
Sun et al.(2019年)の研究では、糖尿病性末梢神経障害(DPN)患者120名を対象に、鍼灸が神経痛や感覚異常の改善にどの程度効果を持つかを評価しました。
治療群:週3回、12週間にわたって電気鍼を含む鍼灸治療を実施。使用経穴は主に太衝、三陰交、足三里など。
対照群:一般的な神経再生療法(ビタミンB12の投与)を実施。
結果として、治療群では疼痛スコア(Visual Analog Scale, VAS)が平均40%以上改善し、感覚機能の回復(触覚および温度感覚の改善)が認められました。さらに、神経伝導速度も有意に向上し、末梢神経の再生や修復に鍼灸が寄与している可能性が示されました。一方、対照群ではこれらの改善が限定的でした。
この研究は、鍼灸がDPNのような難治性の合併症に対する補助療法として注目されるべきであることを示唆しています。
◎システマティックレビューとメタアナリシス
個別の臨床試験を超えて、鍼灸の効果を統合的に評価するため、近年システマティックレビューやメタアナリシスが数多く実施されています。
メタアナリシスの例:血糖値と鍼灸治療 Zhao et al.(2021年)のシステマティックレビューは、糖尿病患者を対象に行われた18件のRCTを分析し、鍼灸が血糖値管理や合併症の緩和に与える効果を評価しました。
主要成果: 空腹時血糖値(FPG)は鍼灸治療群で平均15mg/dL低下。HbA1cは平均で0.6%減少。血糖値だけでなく、炎症性マーカー(C反応性タンパク、TNF-αなど)の有意な減少も確認。
限界点: 一部の研究でサンプルサイズが小さいことや、治療方法の不統一が問題視されました。さらに、偽鍼(シャム鍼)を用いた試験の不足も課題として挙げられました。
◎鍼灸が糖尿病に与える効果のメカニズム
鍼灸が糖尿病患者の症状改善に寄与する可能性が示唆される一方で、その効果を裏付ける生理学的メカニズムはまだ完全には解明されていません。しかし、以下の仮説が広く支持されています。
1. 自律神経系の調節 鍼灸は交感神経の過剰な活動を抑制し、副交感神経を刺激することで、インスリン分泌やグルコース代謝を改善すると考えられています。特定の経穴刺激が迷走神経の活性化を誘発し、血糖値の低下をもたらす可能性が示されています。
2. 抗炎症効果 慢性炎症は糖尿病の病態形成に深く関与しています。鍼灸が炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の産生を抑制し、炎症反応を緩和することで、インスリン感受性を改善する可能性が示唆されています。
3. ストレス軽減 鍼灸によるリラクゼーション効果がコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑え、血糖値の安定化に寄与するという報告もあります。
◎鍼灸治療の課題と今後の展望
課題1:研究デザインの改善 多くの研究で盲検化の不備やサンプルサイズの不足が課題として挙げられています。特に、偽鍼(シャム鍼)を用いた対照試験が、効果を正確に評価する上で重要です。
課題2:経穴の標準化 経穴や治療手法が研究ごとに異なるため、結果の再現性に欠ける場合があります。統一された治療プロトコルを策定することが求められます。
課題3:長期的効果の検証 現在の研究は短期間の効果に焦点を当てたものが多く、鍼灸治療の長期的な安全性や有効性についてのデータが不足しています。
今後の展望 :鍼灸は糖尿病の標準的な治療法を補完する有力な手段として、さらに発展する可能性があります。特に、個別化医療(=体質や病気の特徴に合った治療を行うこと)の観点から、患者の病態や体質に応じた鍼灸プロトコルの最適化が期待されています。
糖尿病に対する鍼灸治療は、血糖値管理や合併症緩和において有望な補完療法として注目されています。近年の臨床研究やメタアナリシスは、鍼灸が糖尿病管理に一定の効果を持つことを示唆していますが、研究デザインや標準化の不足といった課題も残されています。今後、高品質な研究を通じて鍼灸の有効性と安全性が確立されることで、糖尿病治療における選択肢がさらに広がることが期待されます。 糖尿病治療の目標は、血糖値を良好に維持し、合併症のリスクを低下させることにあります。HbA1cの目標値は一般的に 7.0%未満 とされていますが、高齢者や合併症を有する患者では、個別の目標値が設定される場合があります。 治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法(経口薬やインスリン)であり、これらを組み合わせて血糖コントロールを行います。特に合併症の予防や患者の生活の質(QOL)を向上させることが重視されています。
ここまでは各研究テーマに沿ったお話になりました、以下は臨床に携わる私の所感です。 患者様と接させて頂く中で糖尿病の治療は血糖値管理だけでなく、合併症の予防や患者の生活の質(QOL)の向上も大切なのだと感じ、鍼灸師としてそこにアプローチをかけることを目指しています。一部の患者様は薬物療法だけでは血糖値のコントロールが不十分な場合があり、補完医療や代替医療が選択肢として取り上げられることがあります。鍼灸治療はその一つです。
私達が行う鍼灸は基本的に東洋医学に基づく治療法であり、体内の「気(エネルギー)」の流れを整えることで、自然治癒力を高め、病気を改善するとされています。 気の流れ?と聞くと少し胡散臭く聞こえるかもしれませんが、私達は日常の中から「なんとなく雰囲気が悪い」「嫌いな人がいて気が重い」「あの人は良く気が配れる人だ」「気のせいかもしれないが誰かに追われている気がする」といったように、無意識に「気」という言葉を使っています。 気は見える物ではないですが、確実に私達の生活に根付き、そしてそこに存在する物といっていいのではないかと考えます。 私達鍼灸師は細い針を体の特定のツボ(経穴)に刺し、気の流れを調整します。 灸治療では、もぐさを燃やして熱刺激を与えます。これらは、神経系や血流、免疫機能に影響を与えると考えられています。 現代医学的には、鍼灸が神経伝達物質やホルモンの分泌を調節し、鎮痛や抗炎症効果をもたらす可能性があるとされ、糖尿病の症状や合併症への効果が期待できます。 現在西洋医学のように症状に合わせて薬の種類が増えていくという物ではなく、人の身体の状態をみて鍼を刺す経穴や施術を決めて参ります。次回はこちらの内容のついて詳しくお話させて頂きたいと思います。
以下は今回のまとめです。
◎鍼灸治療と糖尿病の関係まとめ
① 血糖値の管理
いくつかの研究では、鍼灸が血糖値を改善する可能性が示唆されています。例えば、ある臨床研究では、鍼灸治療がインスリン感受性を向上させ、血糖値を低下させる効果が確認されています。この効果は、鍼灸が副交感神経を活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制することで実現していると考えられます。 動物実験では、特定のツボ(例えば胃経の足三里、脾経の三陰交)への鍼刺激が血糖値を低下させるメカニズムが報告されています。この現象は、β細胞の機能改善や炎症の軽減によるものとされています。
② 糖尿病の合併症の改善
糖尿病の有名な合併症として神経障害、腎障害、網膜症という三大合併症が挙げられます。 この中でも特に糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、患者に痛みやしびれを引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。鍼灸治療は末梢血管の拡張、神経の過剰興奮の抑制を引き起こし、神経障害の症状を軽減する可能性があります。近年では2020年に発表されたメタアナリシスによると、鍼灸治療は糖尿病性神経障害の疼痛緩和に有効であるとされました。この研究では、鍼が血流改善や神経伝達物質の調整を通じて、神経障害の症状を軽減することが示されており、伝統的な東洋医学に再現性のある西洋医学の良い所が合わさった一例ではないかと感じます。
③ その他の効果
鍼灸治療の刺激は末梢の神経から脊髄に入力され、刺激は脳・脳幹部へ電気刺激として伝えられて中枢神経に良い影響を及ぼす事が知られています。とくに鍼灸治療は痛みを伴うストレスの軽減や睡眠の改善にも役立つとされ、これが糖尿病の管理に間接的に貢献します。ストレスは血糖値を上昇させる要因となるため、鍼灸によるリラクゼーション効果は治療の補助として重要です。
④ 鍼灸治療の限界と注意点
一方で、現在西洋医学が万能でないように東洋医学、鍼灸治療にもいくつかの課題があります。まず、治療効果には個人差があり、すべての患者に有効とは限らないという事です。糖尿病に限ったことで言えば糖尿病の重症度や合併症の進行状況によってもその効果が異なるため、適切な診断と専門家による施術が合わせて必要となります。 さらに、現在でも研究が進んでいるとは言え、鍼灸治療は薬物療法の完全なる代替ではなく、あくまで補助的な役割を果たすものである点に留意する必要があります。軽度の方で医師からの同意を得て、施術を行っている方も多くご来院されております(運動療法・食事療法などで対応可能な患者様が多い印象です)、血糖値のコントロールが不安定な場合には、鍼灸治療のみでの管理は推奨されませんのでお気を付けくださいませ。
⑤ まとめと今後の展望
鍼灸治療は、糖尿病の補完医療として一定の可能性を十分に示しています。特に血糖値の調整や神経障害の症状緩和、ストレス軽減といった側面で有益な効果が期待できます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、エビデンスに基づく適切な治療法の選択と、医師や鍼灸師との連携が重要です。
今週も読んで下さりありがとうございました。 今回は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか? 鍼灸は古くからの伝統療法でありながら、現代の科学の力によってその効果が再評価されています。臨床研究の進展により、鍼灸がさまざまな症状に対して有効であることが示されてきました。今後も鍼灸の研究が進むことで、より多くの人々がその恩恵を受けられることを私は期待しています。皆さんも鍼灸に興味を持ち、実際に体験してみることで、その効果を実感していただければと思います。
来週は・・・今回の内容を踏まえ、「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」に関してお話させて頂きます。どうぞ付き合い頂けますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「糖尿病の病態」についてお話させて頂きます。
前回の内容も踏まえ、糖尿病のメカニズムや進行過程、症状について掘り下げていきたいと思います。重複する内容もある為、おさらいも兼ねて是非お読みくださいませ。
・糖尿病とは
糖尿病は、血液中のグルコース(血糖)の濃度が慢性的に高くなる代謝性疾患です。その発症には主に、インスリンの分泌不足またはその作用の低下が関与します。この状態が続くことで、全身の臓器や組織に深刻なダメージを与え、特に血管、腎臓、神経、網膜などが影響を受けます。糖尿病の病態を理解するために、慢性的な高血糖の影響とその進行過程を詳しくご説明していきたいと思います。
1. 血糖値調節の破綻
通常、血糖値は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって調節されています。インスリンは、食後に上昇した血糖を血液から取り出し筋肉や肝臓、脂肪組織に取り込ませることで、血中のグルコース濃度を一定に保ちます。しかし糖尿病では、この調節システムが破綻してしまいます。主に次の2つの病態が絡み合って高血糖が持続します。
インスリン分泌の減少:膵臓のβ細胞が損傷または機能低下を起こし、インスリンの供給が不足する。これは1型糖尿病で特に顕著です。
インスリン抵抗性:インスリンが十分に分泌されていても、標的組織での作用が低下し、細胞がグルコースを取り込めなくなる。この状態は2型糖尿病の主な特徴です。
2. 慢性高血糖の進行と影響
慢性的な高血糖状態は、全身の代謝バランスを崩し、多くの合併症を引き起こします。
(1) 微小血管障害(細小血管への影響)
血管内皮細胞が高血糖にさらされることで、毛細血管が損傷し、以下の合併症を招きます。
糖尿病性網膜症:網膜の毛細血管が障害され、視力低下や失明の原因となります。
糖尿病性腎症:腎臓の糸球体が損傷し、蛋白尿や最終的には腎不全を引き起こします。
糖尿病性神経障害:末梢神経や自律神経が損傷を受け、手足のしびれや感覚鈍麻、消化器症状が現れます。
(2) 大血管障害
大血管における動脈硬化が促進され、以下のような疾患のリスクが高まります。
冠動脈疾患:心筋梗塞や狭心症の原因となります。
脳血管障害:脳梗塞や脳出血が発症するリスクが上昇します。
末梢動脈疾患:足の血流が不足し、潰瘍や壊疽の原因となります。
3. 糖尿病の進行過程
糖尿病の進行は、初期段階から後期段階まで、以下のように展開します:
初期段階(無症状期)
血糖値が基準値を超えても、自覚症状がない場合があります。この段階で早期診断と管理が行われない場合、次第に症状が現れます。
中期段階(症状の顕在化)
高血糖に伴い以下の症状が発生します:
◎多飲・多尿・多食
血中の糖を薄めるために喉の渇きが出てしまい、その結果頻尿が起こります。また異常な食欲の増加も見られます。
◎体重減少
自分の膵臓からでるインスリンが少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうため、体重低下(食べてもやせる)が起きます。
◎倦怠感:血糖値が高いままではエネルギーが細胞に行き渡らないため、慢性的な疲労感が生じてしまいます。
後期段階(合併症の進展)
適切な管理が行われない場合、微小血管障害や大血管障害が進行し、前述のような重篤な合併症が現れます。
4. インスリン抵抗性のメカニズム
特に2型糖尿病では、インスリン抵抗性が発症と進行に深く関わっています。この病態では、インスリンの作用が標的細胞で効率的に発揮されず、以下の要因が原因とされています:
肥満と炎症:肥満に伴い、脂肪組織から炎症性サイトカインが分泌され、これがインスリンシグナルを妨害します。
筋肉の糖利用低下:運動不足により筋肉がグルコースを効果的に取り込めなくなる。
遺伝的要因:インスリン作用の低下に影響を与える遺伝的な変異が存在する。
今週も読んで下さりありがとうございました。
今回は糖尿病の病態についてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?糖尿病は早期の発見と適切な治療で進行を遅らせ、合併症を予防できる疾患です。
来週は今月の大きなテーマである糖尿病と鍼灸の関わりについて、「糖尿病に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー 」に関してお話させて頂きます。糖尿病に対する鍼灸の効果について文献をもとにお話させて頂きますので、お付き合い頂けますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今月は「鍼灸と糖尿病」を題材としてお話させて頂きます。
現代の私たちの食生活を少し立ち止まって考えると、忙しい日常の中で糖質や脂肪に偏った食事を摂ることが多いかもしれません。便利さを追求した結果、自然そのものから離れた食品が当たり前になりつつあります。
原人時代、人間は食料が常に得られる環境ではなく、狩猟や採集で得た食べ物を効率よくエネルギーに変え、脂肪として蓄える性質を進化させました。この適応は飢餓に備えるためには有効でしたが、現代の高糖質・高脂肪食品が手軽に得られる状況に適応しきれていません。進化の名残が、現代の食生活の影響で健康問題を引き起こしているのです。
そんな中、私たちが本来持っている「自然治癒力」を引き出す方法として、鍼灸が注目されつつあり、糖尿病による慢性的な疲れやストレス、さらには合併症の緩和に役立つと考えられております。
本記事では、鍼灸がどのように糖尿病の治療や日常生活にプラスの影響を与えるのか、わかりやすくお伝えします。
身体と心のバランスを整えながら、自分らしい健康を取り戻すヒントを一緒に見つけていきましょう。
今回はまず糖尿病の分類や発症原因症状について詳しくご紹介させていただきたいと思います。最後までお付き合い頂けますと幸いです。
◎目次・導入
・糖尿病の定義と症状
・糖尿病の病態
・鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー
・参考文献
・鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴
◎糖尿病の定義と症状
・糖尿病の分類
糖尿病は、大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。
1型糖尿病は自己免疫疾患によるもので、インスリン治療が必須です。一方、2型糖尿病は生活習慣や遺伝的要因が複雑に絡み合い発症し、運動療法や食事療法を基本としながら、経口血糖降下薬やインスリン治療が用いられることがあります。
1型糖尿病
患者全体の約5%を占める疾患で、自己免疫反応により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなるのが特徴です。発症は小児期や青年期に多く、診断時の平均年齢は13~15歳とされています。発症率は人口10万人あたり年間1~5人で、地域差があります。
2型糖尿病
糖尿病患者の90%以上を占め、特に中高年に多く見られます。ただし、近年では若年層の肥満増加により、小児や思春期の発症も増加傾向にあります。診断時の平均年齢は40~60歳であり、BMI(体格指数)が25を超える人に多く発症するのが特徴です。
・糖尿病の診断基準
以下のいずれかを満たした場合、糖尿病と診断されます。
・空腹時血糖値が 126 mg/dL以上
・随時血糖値が 200 mg/dL以上
・HbA1c(ヘモグロビンA1c)が 6.5%以上
さらに、耐糖能検査(OGTT)において、2時間値が200 mg/dL以上の場合も糖尿病と診断される場合があります。
・糖尿病の症状
糖尿病の症状は、進行度や個人差によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
初期段階では、頻尿や喉の渇き(多飲)、食事をしてもすぐに空腹を感じる(多食)といった症状が現れることがあります。また、体内でエネルギー源が適切に利用されないため、体重減少が起こる場合があります。
進行すると、倦怠感や疲労感、視力のぼやけ(網膜への影響)、傷が治りにくい、手足のしびれや感覚鈍麻、感染症にかかりやすくなるなどの症状がみられることがあります。さらに、糖尿病が悪化し糖尿病性ケトアシドーシスに至ると、吐き気や呼吸困難などの重篤な症状が生じる場合があります。
今週も読んで下さりありがとうございました。
今回は導入として糖尿病の定義と症状についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
判断基準のひとつであるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は健康診断の採血や献血の際の数値項目の1つに入っているので、自分が糖尿病ではないかと不安な方はぜひそちらをご覧になってみてください。血液検査は最も確実な検査方法です。
来週は・・・「糖尿病の病態」に関してお話させて頂きます。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きます。 前回お話させて頂いた鍼の作用について触れながらの内容になりますので、もしまだご覧になっていない方はぜひそちらも合わせてご活用くださいませ。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する臨床研究
現代社会において、電子機器の長時間利用が避けられない状況下、眼精疲労が深刻な健康問題として注目されています。視覚のかすみや目の乾燥感、頭痛、肩こりといった症状は、生活の質を著しく低下させます。こうした問題に対し、鍼灸治療が自然治癒力を引き出す非侵襲的な手段として関心を集めています。本節では、眼精疲労に対する鍼灸治療の効果を検証した主要な臨床研究について解説していきます。
・研究方法について
鍼灸の効果を評価する為にランダム化比較試験(RCT)や準ランダム化比較試験(CCT)などの試験方法を用いた研究が広く世界で実施されています。
ランダム化比較試験(RCT)・準ランダム化比較試験(CCT)とは、個人の背景因子の偏り(交絡因子)をできるだけ小さくし、ある試験的操作を行うこと以外は公平になるように対象の集団を無作為に複数の群に分け、その試験的操作の影響と効果を測定し、明らかにするための比較研究です。薬物や治療法を適正に評価するための方法として、よく採用される試験方法です。
・鍼灸治療による効果毎の文献
血流改善による筋肉の緊張緩和
鍼灸治療は血流を改善し、毛様体筋(ピント調節に関与する筋肉)の緊張を緩和します。2018年に実施されたランダム化比較試験(RCT)では、鍼治療を受けた被験者が目の疲労感、乾燥感、かすみといった症状の顕著な改善を報告しました。この研究は、鍼灸が毛様体筋の血流を増加させ、調節機能を正常化することを示唆しています。
自律神経系の調整
長時間の画面作業により交感神経が優位になると、毛様体筋の過度な緊張が誘発されます。鍼灸治療は自律神経のバランスを整える作用を有し、「瞳子髎」や「攅竹」といった経穴への刺激が眼精疲労の軽減に寄与します。これらの刺激により、視神経への負荷が減少し、ピント調節能力が回復することが確認されています。
炎症の抑制
鍼灸治療には抗炎症作用があるとされ、目の表面に生じる炎症を抑える効果が期待されています。ドライアイの患者を対象とした臨床試験では、涙腺の神経を刺激することで涙液の分泌が促進され、乾燥感が軽減することが明らかになりました。
視覚調節機能の改善
ランダム化比較試験(RCT)では、デジタル眼精疲労患者において鍼灸治療が調節速度を向上させ、目の疲れや視覚のかすみを軽減する効果が示されています。これにより、鍼灸治療が電子機器利用後の目の回復能力を高めることが示唆されました。
ドライアイの軽減
ドライアイに対する鍼灸治療の研究では、涙腺の機能が向上し、涙液量が増加する結果が得られました。この改善は、治療群において統計的に有意な差を示しており、鍼灸の神経調整作用が主因とされています。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する臨床研究に対するレビュー
臨床研究に対するレビューとは:眼精疲労に対する鍼灸治療の有効性について、先行研究を基にその科学的妥当性や課題を評価し、鍼灸治療の持つ利点を検討するとともに、今後の研究が注力すべき方向性についても論じること
◎臨床研究の成果に基づく評価
鍼灸治療の眼精疲労に対する有効性は、複数のRCTやメタ分析により支持されています。特に、血流改善、自律神経系の調整、抗炎症作用といった多面的なメカニズムが症状改善の根拠として示されています。
◎現代医学との補完的役割
鍼眼精疲労に対する鍼治療は、伝統的な東洋医学の知見を活かした効果的なアプローチとして、近年注目されています。多くのメタアナリシス(前述したランダム化比較試験(RCT)など複数の原著論文のデータを定量的に結合させる統計学的研究手法です。ひとつひとつの研究の結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価をすることができます)が実施され、その中で鍼治療が眼精疲労の症状緩和に寄与する可能性が示されています。特に、目の疲れ、乾燥感、重だるさといった症状が改善されたとする報告が多く見られます。
鍼治療が効果を発揮する理由として、上記の通り経穴(ツボ)への刺激が血流を促進し、目の周りの筋肉の緊張をほぐすとともに、自律神経のバランスを整えることが挙げられます。これにより、眼精疲労の根本的な原因にアプローチし、単なる対症療法にとどまらない包括的な効果が期待できます。また、リラクゼーション効果も得られるため、精神的ストレスが緩和される点も大きな利点です。
メタアナリシスでは、鍼治療が通常の治療法やプラセボ(偽の治療)に比べて、統計的に有意な改善をもたらすとする結果が報告されています。一部の研究では、眼の疲労回復だけでなく、作業効率や生活の質(QOL)の向上も確認されています。
全体として、鍼治療は眼精疲労に対する有望な選択肢として、多くの研究者や医療専門家から評価されています。安全性が高く、副作用が少ない点も大きな魅力であり、今後ますます利用が広がると期待されています。
◎参考文献
1. Liu, X. et al. (2018). Effects of Acupuncture on Ciliary Muscle Function in Visual Fatigue Patients. Acupuncture Research Journal. 2. Cheng, K. et al. (2020). Regulation of Autonomic Nervous System through Acupuncture. Journal of Integrative Medicine. 3. Zhang, H. et al. (2019). Anti-inflammatory Effects of Acupuncture in Dry Eye Syndrome. Clinical and Experimental Ophthalmology. 4. Smith, C. et al. (2018). Acupuncture and Digital Eye Strain: A Randomized Controlled Trial. Journal of Alternative Medicine. 5. Wang, Y. et al. (2021). Efficacy of Acupuncture on Digital Eye Fatigue. Digital Health and Therapy Journal.
今週は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は鍼灸の効果への評価に関する内容でしたが、聞きなれない用語も出てきて、少し難しく感じられた部分もあったかと思います。それでも、鍼灸の世界を少しでも身近に感じていただければ幸いです。鍼灸が気軽に皆さんの健康管理やセルフケアの選択肢のひとつとなることを願っています。
眼精疲労についてのシリーズは一度ここで区切りとなりますが、今月のブログはいかがでしたでしょうか?
もしここについて掘り下げて欲しい等ご要望があれば是非お聞かせください!
来月からはまた新しい題材でブログを更新していきますので、お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「眼精疲労に対する鍼灸治療の効果と効能」また「使われる経穴(ツボ)」についてお話させて頂きます。 最後までお付き合い頂けますと幸いです。
まずは鍼灸治療のメカニズムからお話致します。
◎鍼灸治療のメカニズム
鍼を刺すと、体の神経が反応して、その場所で「軸索反射」という反応が起こります。
軸索反射とは、外部刺激(例えば、痛みや熱刺激)が神経終末に伝わる際に、通常の中枢神経系を介した経路を取らずに同じ神経線維内で反射的な応答を引き起こし、神経終末から神経伝達物質が放出されるという反射です。
この神経終末から出る神経伝達物質(「サブスタンスP」や「カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)」など)が血管を広げ、血の巡りを良くし、酸素や栄養を多く運ぶことで、体が楽になります。また、痛みを和らげる物質も出るので、痛みや炎症が軽減されます。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する効果
1. 血流の改善
前述したように、鍼灸の主要な効果の一つは体全体や局所の血流を良くすることです。鍼で経穴を刺激すると、毛細血管が広がり、血流が増加します。これにより、目の周囲の血行が良くなり、酸素や栄養が十分に届くようになり、眼精疲労が和らぎます。また、体全体の経穴に鍼を施すことで、肩や首の緊張が緩和し、目の疲れに伴う全身の不調も改善されることが期待されます。
2. 自律神経の調整
眼精疲労は、交感神経が優位に働き過ぎている場合に引き起こされることが多いです。交感神経が優位な状態が長く続いてしまうと筋緊張が強くなりやすく、これは肩や首などの筋肉だけでなく、前回ご紹介した眼球周囲の筋肉も例外ではありません。鍼灸治療は副交感神経を刺激し、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、緊張や疲れを軽減します。
3. 筋肉の緊張の緩和
鍼灸治療は、目の周りや首・肩の筋肉のこわばりを緩和するのにも効果的です。緊張した筋肉に鍼を刺すことで、先ほどご説明した軸索反射によってその部位の血流を良くし、筋肉をほぐすことができます。また、鍼刺激によって体内で痛みを抑える物質が放出されるため、目や肩の疲れからくる不快感や痛みも和らぎます。
4. 炎症の抑制
鍼灸治療は免疫系に働きかけ、体内の炎症反応を抑える作用もあるとされています。鍼灸治療によって体内の抗炎症作用が活性化され、眼精疲労による目の不快感や違和感の緩和に繋がります。 5. 視力機能の向上 眼精疲労は、長時間の目の使用によって焦点を合わせる力が低下することが原因の一つとされていますが、鍼治療で眼球周囲の筋肉がリラックスし血行が改善されることで、水晶体の柔軟性が保たれ、焦点が合いやすくなり、視覚の質が向上する効果が期待されます。 次に眼精疲労に対してよく使われる経穴(ツボ)についてお話させていただきます。セルフケアに使いやすい経穴なので、ぜひお役立てください!
◎眼精疲労に効果的な経穴(ツボ)
睛明(せいめい)
位置: 目頭の内側、目と鼻の間のくぼみにあります。
効能: 眼精疲労に対して強い効果を持つとされ、眼球周辺の血流を改善することで視力の維持・向上を促進します。また、目の乾燥感やかすみ目を緩和し、目元の疲れが原因の頭痛にも効果的です。眼輪筋や涙腺に直接働きかけるため、ドライアイの症状にも有用とされています。
攅竹(さんちく)
位置: 眉頭の端で、鼻根部のやや上方に位置します。
効能: 眼精疲労だけでなく、眉間や額の緊張を緩和する作用があり、目の筋肉をリラックスさせます。特に上眼瞼挙筋の緊張を和らげる効果があり、長時間のデジタル機器使用で硬くなった目周りの筋肉をほぐす助けとなります。また、鼻の不快感や鼻詰まりにも有効で、目元と鼻の違和感を同時に緩和できます。
太陽(たいよう)
位置: こめかみの少し後ろにあり、目と耳の間に位置するくぼみです。
効能: 眼精疲労による頭痛やこめかみの重圧感を解消するのに役立ちます。側頭筋の緊張を緩和する作用があり、目からこめかみへ広がる痛みを和らげます。特に視覚の過剰な使用が引き起こす目の奥の痛みや、側頭部の圧迫感の軽減に効果的です。
風池(ふうち)
位置: 後頭部の髪の生え際、後頭と首の付け根にあるくぼみに位置します。
効能: 首や後頭部の血行を促進し、眼精疲労や頭痛に関連する緊張を緩和します。眼精疲労や視覚過労による首や肩のこりをほぐす効果があり、首や肩から目にかけての血行が改善されることで、全身の疲労感も緩和されやすくなります。
合谷(ごうこく)
位置: 手の甲にある親指と人差し指の間のくぼみ。
効能: 「万能のツボ」として知られ、眼精疲労だけでなく肩こりや首の張りなど、広範囲の不調に作用します。全身の気の巡りを整え、目の疲れが関係する肩や首の筋肉の張りも改善するため、眼精疲労とともに体全体の疲れを感じる場合に特に効果が高いとされています。
今週は「眼精疲労に対する鍼灸治療の効果と効能」また「使われる経穴」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
特に合谷は有名な経穴ですので名前自体はご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、実は古典にも「面目は合谷に収む」という言葉があるほど顔や目と非常に関係のある経穴ということはあまり知られていないかと思います。手からの刺激で顔や目に影響を与えることができる。人の体は全身のあらゆるところで繋がっているんですね。
来週は・・・「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きます。お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木