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鍼灸と糖尿病②

2024.12.13 | Category: 未分類,鍼灸

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「糖尿病の病態」についてお話させて頂きます。
前回の内容も踏まえ、糖尿病のメカニズムや進行過程、症状について掘り下げていきたいと思います。重複する内容もある為、おさらいも兼ねて是非お読みくださいませ。

・糖尿病とは
糖尿病は、血液中のグルコース(血糖)の濃度が慢性的に高くなる代謝性疾患です。その発症には主に、インスリンの分泌不足またはその作用の低下が関与します。この状態が続くことで、全身の臓器や組織に深刻なダメージを与え、特に血管、腎臓、神経、網膜などが影響を受けます。糖尿病の病態を理解するために、慢性的な高血糖の影響とその進行過程を詳しくご説明していきたいと思います。

1. 血糖値調節の破綻
通常、血糖値は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって調節されています。インスリンは、食後に上昇した血糖を血液から取り出し筋肉や肝臓、脂肪組織に取り込ませることで、血中のグルコース濃度を一定に保ちます。しかし糖尿病では、この調節システムが破綻してしまいます。主に次の2つの病態が絡み合って高血糖が持続します。

インスリン分泌の減少:膵臓のβ細胞が損傷または機能低下を起こし、インスリンの供給が不足する。これは1型糖尿病で特に顕著です。

インスリン抵抗性:インスリンが十分に分泌されていても、標的組織での作用が低下し、細胞がグルコースを取り込めなくなる。この状態は2型糖尿病の主な特徴です。


2. 慢性高血糖の進行と影響
慢性的な高血糖状態は、全身の代謝バランスを崩し、多くの合併症を引き起こします。

(1) 微小血管障害(細小血管への影響)
血管内皮細胞が高血糖にさらされることで、毛細血管が損傷し、以下の合併症を招きます。

糖尿病性網膜症:網膜の毛細血管が障害され、視力低下や失明の原因となります。

糖尿病性腎症:腎臓の糸球体が損傷し、蛋白尿や最終的には腎不全を引き起こします。

糖尿病性神経障害:末梢神経や自律神経が損傷を受け、手足のしびれや感覚鈍麻、消化器症状が現れます。

(2) 大血管障害
大血管における動脈硬化が促進され、以下のような疾患のリスクが高まります。

冠動脈疾患:心筋梗塞や狭心症の原因となります。
脳血管障害:脳梗塞や脳出血が発症するリスクが上昇します。
末梢動脈疾患:足の血流が不足し、潰瘍や壊疽の原因となります。

3. 糖尿病の進行過程
糖尿病の進行は、初期段階から後期段階まで、以下のように展開します:

初期段階(無症状期)
血糖値が基準値を超えても、自覚症状がない場合があります。この段階で早期診断と管理が行われない場合、次第に症状が現れます。

中期段階(症状の顕在化)
高血糖に伴い以下の症状が発生します:

◎多飲・多尿・多食
血中の糖を薄めるために喉の渇きが出てしまい、その結果頻尿が起こります。また異常な食欲の増加も見られます。

◎体重減少
自分の膵臓からでるインスリンが少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうため、体重低下(食べてもやせる)が起きます。

◎倦怠感:血糖値が高いままではエネルギーが細胞に行き渡らないため、慢性的な疲労感が生じてしまいます。

後期段階(合併症の進展)
適切な管理が行われない場合、微小血管障害や大血管障害が進行し、前述のような重篤な合併症が現れます。


4. インスリン抵抗性のメカニズム
特に2型糖尿病では、インスリン抵抗性が発症と進行に深く関わっています。この病態では、インスリンの作用が標的細胞で効率的に発揮されず、以下の要因が原因とされています:

肥満と炎症:肥満に伴い、脂肪組織から炎症性サイトカインが分泌され、これがインスリンシグナルを妨害します。
筋肉の糖利用低下:運動不足により筋肉がグルコースを効果的に取り込めなくなる。
遺伝的要因:インスリン作用の低下に影響を与える遺伝的な変異が存在する。

 

今週も読んで下さりありがとうございました。

今回は糖尿病の病態についてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?糖尿病は早期の発見と適切な治療で進行を遅らせ、合併症を予防できる疾患です。

来週は今月の大きなテーマである糖尿病と鍼灸の関わりについて、「糖尿病に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー

」に関してお話させて頂きます。糖尿病に対する鍼灸の効果について文献をもとにお話させて頂きますので、お付き合い頂けますと幸いです。

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木


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