鍼灸治療の適応
「鍼灸」と聞くと一般的は肩こり・腰痛などの症状に対して適応というイメージがあると思いますが、当院では肩こり・腰痛以外の「自律神経失調症」「頭痛」「めまい」「耳鳴り」などの内科的な疾患にも対応が可能です。
鍼灸治療には多くの適応疾患があり、特にWHO(世界保健機関)でも認められている「41」の適応症以外にも様々な適応疾患があります。
肩こり、腰痛、膝痛、五十肩、関節炎、腱鞘炎、頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症、外傷の後遺症(骨折、脱臼、捻挫、打撲、むちうちなど)などの運動器の疾患
頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、自律神経失調症、高血圧、動悸、息切れ、眼精疲労、疲れ目、かすみ目、胃炎、消化不良、下痢、便秘、更年期障害、冷え症、小児神経症(夜泣き、かんむし、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・夜尿症・虚弱体質の改善などの自律神経の乱れからくる疾患
鍼治療を受けた事のない方の大半が「鍼」と聞くと注射針や裁縫の針を思い浮かべると思います。
でも実際に鍼治療で使う鍼は細くて繊細です。
実際の太さとして当院で使用しているのは0.12mm~0.20mmです。
一番太い0.20mmでも髪の毛を少し太くした程度の細いものですので、打ってもほとんど痛みを感じる事はありません。
「鍼」という名前を聞くとほとんどの方が「刺す」というイメージを持つと思いますが、鍼治療で使う鍼の先は尖っておらず「少し丸みを帯びた」形状になっています。
これにより「刺す」というよりも「掻き分けていく」というイメージをもって貰う方が適切です。
そして、ある程度の狙った深さや硬結部にまで鍼が届くと「ズ――ン」という鍼特有の「響き」と呼ばれる刺激で、身体を回復させる為に必要な刺激になります。(刺激量は患者さんのその日の体調や、病態により適切な刺激で施術を致しますのでご安心ください)
「鍼」の効果
では「鍼」を打つことによって、体の中ではどのような変化が起きるのでしょうか?
ここでは簡単にそのメカニズムをご紹介致します。
よく「免疫力(機能)」や「自然治癒力」という言葉を耳にする事があると思います。
人間の身体は外的に何かが入ってくるとそれを異物として認識します。
すると、体内では侵入者に対して防御反応が発生し、異物を排除しようとする働きが高まります。
これが「免疫力(機能)」です。
鍼治療ではこの防御反応を意図的に利用し、免疫力(機能)を上げて行く事が可能です。
鍼をした所は局所的に血流が改善し、血液中の赤血球や白血球の活動が亢進し、酸素や栄養を送り、二酸化炭素を除去します。
そしてこれが全身的に波及し、新陳代謝が活性化する事でより多くの白血球やリンパ球が増え「自然治癒力」が高まって行きます。
局所的な鍼刺激は毛細血管を拡張させて、滞っていた血流や老廃物を流します。
同時に、体内の状態が短時間で活性化し、交感神経と副交感神経がシーソーのように急激に入れ替わることで、身体の重さやダルさ、筋肉痛のような感覚を覚える事があります。
当院では「施術後の注意事項」のプリントをお配りしております。施術後の反応はそちらも参考にしてください。
「灸」の効果
お灸は体を温め血行を盛んにし、老廃物の循環をスムーズにさせます。
そして体が温まると人のもつ自然治癒力が高まり腰痛の原因を改善していきます。
また、 お灸の熱は体にしっかり浸透していくので関節の痛みにも効果的です。
近年では、お灸をすることによって白血球の数が増えるということが科学的にも証明され ています。
白血球が増えることで自己免疫力が高まり自律神経も整うので腰痛以外の疾患にも副次的に有効です。
「自律神経と鍼灸治療」
☑ めまい・耳鳴り
☑ 睡眠障害(不眠・中途覚醒・朝起きずらいなど)
☑ 頭痛
☑ 手足の冷え・しびれ
☑ 息苦しさ・息切れ
☑ 食欲不振・胃痛
☑ 不安感・気分の落ち込み
☑ 下痢・便秘
自律神経は大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の二つに分かれます。
多くの場合、この自律神経のバランスが崩れる事(交感神経の過緊張、副交感神経の弛緩)で人間が本来持つ自然治癒力がそこなわれ、多くの不快症状を出してしまいます。
人の体表面には自律神経の反応点となる「ツボ」が数多く存在し科学的にも証明されています。
当院で自律神経に対する鍼灸治療を際は、筋肉を緩めて血管を拡げる施術と合わせながら、内臓に効く反応点やツボに鍼灸治療を行う事で、自律神経の安定化を図り、交感神経の緊張を解いていきます。
すると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが安定して身体が回復、体質改善されやすい状態へと変化させることで治療効果を出すのです。(詳しくは「自律神経」「自律神経失調症」をご覧ください)
自律神経は内臓のみならず「全身の骨や筋肉」を栄養する血管にも枝をのばしていますので、治癒力・免疫力が向上すると「肩こり」「腰痛」「膝痛」「五十肩」などの運動器の疾患にも効果的に作用します。
「スポーツ鍼灸」
☑ 「捻挫」「打撲」「骨折」「脱臼」などの外傷からの復帰を望んでいる方
☑ 「慢性痛」を主訴とするスポーツ傷害でお悩みの方
☑ 手術後のリハビリを含めた施術と専門知識をお求めの方
☑ 再発防止のためのリコンディショニングを希望する方
☑ 日々の練習での「慢性疲労」を緩和したい方
現在、日本のプロスポーツ選手の中では23~35%ほどが鍼灸治療を受けています。
世界レベルでもチームの中にメディカルスタッフとして「鍼灸」の役割、位置づけが大切な物となり、浸透しています。
鍼灸治療を行うメリットは様々ありますが、ます効果として実感が早いのが「筋肉の痛みに対するアプローチ」です。
スポーツやトレーニングを行うと筋繊維は微細な損傷と断裂を繰り返し「炎症」がおこります。
正常であれば体は負担がかかった部位を損傷した以前よりを強く回復させていきます。
この「回復」の際に必要なのが血液によって運ばれる「酸素」と「栄養素」です。
そして早く取り除きたいのが「痛みの発痛物質」や「疲労物質・老廃物」などです。
この両者とも「血液」によって運ばれ代謝されます。
このタイミングが上手くいかないと筋肉は損傷したままで、また次のトレーニング、練習に向かうことで筋繊維が固まるポイント(硬結部位)ができてきます。
鍼灸治療はこの回復過程を正常化すると同時に、怪我の原因となる組織の損傷を短期間で回復させ、疲労回復が可能になります。
そして活動の強度(練習量)が多くなると、「損傷・疲労」が「回復」を上回り全身状態を悪化させ自律神経のバランスが崩れます(内臓の疲れ、食欲の減退など)。
自律神経のバランスが崩れると、組織の修復過程で正しく「酸素」や「栄養素」が吸収・供給がされなくなる為、慢性的な疲労感や治癒過程の阻害に繋がっていきます。
損傷した部位のみならず、全身状態を見極め施術を行う事で
「怪我の早期回復」「慢性疲労の回復」そして「全身状態の改善」のお役にたてます。
鍼治療では皮膚の上から行うマッサージよりも、皮膚の下の深い所にある硬結部位(固まってしまった筋繊維)に直接アプローチすることで、痛みの原因となっている筋肉を緩めたり、発痛物質の除去や神経の圧迫の改善を行います。
灸治療では皮膚の上から習慣的な熱刺激を加えることで毛細血管を拡張させて発痛物質の除去、痛みを出している神経の興奮を沈静化させて疼痛の緩和を行います。
私自身の個人的な話ですが、私自身が怪我に泣かされた競技人生を送ってきました。
その悔しい経験をしたからこそ「医学的な知識」「治癒までの技術」そして「患者さんの立場のメンタリティー」を養ってきました(現在も定期的に講習会・勉強会に参加し、自分自身もトレーニングを行っています)
だからこそ、怪我で悩んでいる選手の状態・気持ちを誰よりも理解しているつもりです。
日々の部活、仕事、トレーニングで休む事が、ケアの時間を作ることが難しい方であればあるほど、長期の離脱を防ぐためにプロによる「体のケア」が大切です。
当院では部活動生からスポーツ愛好家、プロアスリートまで幅広いレベルでのケアを実践しています。
詳しくは「アスリートケア」をご覧下さい。
現在、日本で鍼灸治療が行えるのは国家資格である「はり師」「きゅう師」、もしくは「医者」に限られています。
当院は鍼灸施術にあたるスタッフ全員が「はり師」「きゅう師」の国家資格取得者です。
皆さまの大切なお身体を診させて頂く為に日々の研鑽は惜しみません。安心してご来院ください。
Q&A
Q.鍼治療は痛くないの?
A.当院で使用している鍼の太さは、細い物で0.12mm、一番太い物で0.20mmです。太い物でもだいたい髪の毛ぐらいの細さしかなく、ほとんど無痛ですが、たまにチクっとするぐらいです。思っているほど痛みは無いと思います。
鍼の先は注射針や裁縫針とは違い「少し丸みを帯びた形状」になっているため、「刺す」というよりも「掻き分けて入っていく」というイメージに近いかもしれません。
使用する鍼の太さ0.16mmを他の針と比べてみました
採血用の注射針 ゲージ21 0.8mm と比べると 20/100
一般的な爪楊枝 1mm と比べると 16/100
Q.鍼ってどんなもの?
A.当院で使用する鍼は全てステンレス製の「ディスポーサブル(使い捨て)」の鍼を使っています、使い回しなどによる感染のリスクはありませんし、金属アレルギーで反応が出る事もありません。更にはチレンオキサイドガスで一本一本が完全滅菌されていますので、清潔・安全です。
Q.鍼を刺して血が出ることはないの?
A.まれに毛細血管にあたり出血することがありますが、めったには出血することはありません。すぐに血は止まりますし、危険な箇所に打つような事はしません。下手に打つと「神経に傷をつける」と言われていた時代もあったようですが、鍼灸治療に使用する太さの鍼で、私達、プロが打てば神経を傷つける事はまずありません。
Q.鍼治療の前後に運動をしたり、お酒を飲んでも大丈夫?
A.治療前の飲酒は絶対に避けて下さい。治療後の運動や食事はかまいませんが、30分から1時間は安静にして頂き、それからをお勧めします。
当日のアルコール摂取も少量であれば問題はないのですが、痛みが強い方に関してはアルコール、タバコ、お風呂、運動、刺激物などで、急激な血液循環量が上がると痛みを誘発したり、寒気や震えなどが出る事がありますので、避けてください。
Q.鍼だけで治りますか?
A.鍼だけですべての症状が治る。という事は難しいです。もちろん、鍼治療で症状、体質改善が成功する方は多くいらっしゃいます。ですが、当院では鍼治療の他に手技療法や補助療法を組み合わせる事によって、最大限の治療効果を得ています。また、鍼治療で症状が改善されない場合は整体治療にて施術を行えますのでご安心ください。
Q.どんな服装で行ったら良いですか?
A.リラックスしやすい服がよろしいかと思います。タイトな洋服やスカートを避けて頂いた方が好ましいです(ハーフパンツやジャージなどの貸し出しもご用意しております)
Q.妊娠中でも治療はできますか?
A.妊娠中の肩こりや腰痛、逆子の治療など問題なく対応させて頂きます。一人一人のお身体に合わせた施術を行っていますので、妊婦さんも安心してご来院ください。
Q.鍼ってどの位の深さまで刺すのですか?
A.鍼を打つ深さは刺鍼部位によって異なります(3mm~6cm程)、当院では100%国家資格取得者が施術を担当しておりますので、どんなに患者さんから要望があっても解剖学的に危険なところには絶対に深く刺したりはしないため、医療事故などの心配はありません。ご安心ください。
※当院では鍼灸治療前に低濃度のアルコール消毒を皮膚に行い清潔を保っています。それでも不安な方、アルコール過敏の方の為に、大学病院等でも採用されているノンアルコール消毒もご用意しています。皮膚に敏感症状がある方や、過去にパッチテストで陽性が出た経験のある方はお申し付け下さい。