


皆さんこんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院 鍼灸師兼あん摩マッサージ指圧師の佐々木です。
今回は前回に引き続き「痛み」をテーマに、鍼灸で痛みが和らぐ理由について少しお話させていただければと思います。
肩こりや腰痛は、多くの方が一度は経験したことのある身近な不調です。しかし、その一方で「年齢のせいだから仕方ない」「慢性的だから治らないもの」と諦めてしまっている方も少なくありません。
毎年行われている厚生労働省による健康調査の中に、体の不調についての設問があり、男女ともに毎回上位を占めるのが肩こりや腰痛です。
実際、今このブログを読んでくださっている方の中にも肩こりや腰痛に悩まされている方は多いことかと思います。
不定愁訴についての調査期間は3年おきに行われるため、現時点(2026年6月)での最新版である厚生労働省の『令和4年 国民生活基礎調査』健康の状況(自覚症状)=自覚的に困っている症状によりますと
男性:
1.腰痛
2.肩こり
3.咳や痰が出る
4.鼻がつまる・鼻水が出る
5.疲れやすい
女性:
1.肩こり
2.腰痛
3.手足の関節が痛む
4.疲れやすい
5.頭痛
上記のような順位で自覚症状数があります。いずれも肩こり・腰痛は例年上位2位以上に座しており、国の統計からも非常に多くの方々のお悩みであることがうかがえます。
当院でも、「耳鳴りが主訴です」「自律神経の乱れが気になります」「眠れなくて困っています」といったご相談で来院される患者様が多くいらっしゃいます。しかし詳しくお話を伺うと、肩こりや首こり、腰の張りを同時に抱えているケースが非常に多く見られます。
つまり肩こりや腰痛は、それ自体が症状であるだけでなく、さまざまな不調の土台となっていることが少なくないのです。
痛みが出てしまう一つの大きな要因として、筋肉の緊張があります。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、運動不足、精神的ストレスなどによって筋肉が緊張すると、筋肉の中を流れる血液の循環が悪くなります。
すると筋肉に十分な酸素や栄養が届きにくくなり、老廃物も滞りやすくなります。その結果、ブラジキニンやプロスタグランジンといった発痛物質が蓄積し、感覚神経を刺激することで痛みや重だるさを感じるようになります。
また、痛みを感じることでさらに身体が緊張し、筋肉が硬くなり、血流が悪くなるという悪循環に陥ることもあります。
慢性的な肩こりや腰痛がなかなか改善しないのは、この悪循環が繰り返されているためです。
そこで鍼灸治療が役立つ可能性があります。鍼灸の代表的な作用の一つが、筋肉の緊張を和らげることです。
これらの症状の改善のため、肩こりや腰痛によく使われるツボとして、肩井や腎兪などがあります。
実は、こうしたツボの中には筋肉本体ではなく、筋肉と骨をつなぐ腱の近くに位置しているものが少なくありません。なぜ筋肉ではなくて腱なのでしょうか。
そのカギを握るのが、腱にあるゴルジ腱器官と呼ばれる器官です。
筋肉の収縮・弛緩に伴って生じる張力のセンサーで、筋肉と骨をつなぐ腱の中に存在し、筋肉にどれくらいの張力がかかっているかを常に監視しています。
鍼灸やツボ押しで肩井や腎兪を刺激すると筋肉の一時的な収縮が起きてこの腱のはたらきが活性化し、刺激はインパルスに変換されます。
このインパルスは、腱紡錘と脊髄を結ぶ1b神経線維を通じて、痛覚などの感覚情報を脳へ伝える中継点である脊髄の後角というところに入ります。
さらにここから、インパルスを伝達する脊髄の神経(介在ニューロン)を通って、脊髄から末梢に向けて伸び、運動指令の情報を筋肉に伝えるα運動神経に伝わります。
α運動ニューロンは筋肉へ「力を入れなさい」という命令を伝える神経です。その活動が抑えられることで筋肉は弛緩し、過剰な緊張が和らぎます。
こうした筋肉の緊張緩和によって血管が広がり、血流が流れやすくなった結果、痛み物質が除去される、という鎮痛効果がもたらされると考えられています。
解剖学的な視点から今回はお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?少し難しいキーワードが多くありましたね。
専門的なお話になりましたが、今回のポイントは「ゴルジ腱器官」という筋肉の緊張を調節する仕組みにあります。鍼灸はこの働きを利用して筋肉の緊張を和らげ、血流を改善することで痛みの軽減につなげていると考えられています。
また、近年は身体的な負担だけでなく精神的なストレスがこういった痛みの症状に関与している方も増えています。ストレスを感じると自律神経のうち交感神経が優位になりやすく、身体は無意識のうちに力が入りやすい状態になります。その結果、肩や首、背中などの筋肉が緊張しやすくなり、慢性的なこりや痛みにつながることがあります。
実際に施術を受けられた患者様からは、「肩だけでなく身体全体が軽くなった」「腰の痛みだけでなく睡眠の質も良くなった」「気付いたら頭痛の頻度が減っていた」といったお声をいただくこともあります。
もちろん症状の原因や経過には個人差がありますが、単に痛みのある部分だけを見るのではなく、身体全体のバランスや生活習慣、ストレスの状態なども含めて考えていくことが大切です。
肩こりや腰痛は、「みんなが持っているから仕方ない症状」ではありません。適切なケアによって改善が期待できる症状です。もし長年の肩こりや腰痛にお悩みの方は、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。
鍼灸が皆様の身体を整える選択肢の一つになれば幸いです。
【参考文献】
・厚生労働省
・「東洋医学はなぜ効くのか」著:山本高穂、大野智
皆さんこんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の佐々木です。
日頃よりブログをご愛読くださりありがとうございます。
今回は「痛み」を題材として少しお話させて頂ければと思います。
首、肩、腰、神経痛や四十肩・五十肩。体の痛みについてのお悩みは尽きないことかと思います。しかし私たちが普段敵対視している厄介な痛みですがその実、身体保護のために役立ってもいます。「痛み」についての理解を深めていきましょう。
皆さんは「痛み」にも種類があることをご存じでしょうか?
そもそも痛みには『生存を脅かすような危険から身を守るために必要な感覚』≒『アラーム』のような役割があります。痛みが出た際の人間の行動の変化として代表的なものが以下の三つです。
①痛みを感じることで無理な行動を抑制するようになる
②痛みが持続することで、治療や回復の行動を取るようになる
③痛みを感じたときの記憶によって、リスクのある行動を避けるようになる
反対に、痛みを感じなかったとしたらどうでしょうか?1つ例を挙げると「先天性無痛無汗症」という難病があります。
この疾患は全身の温度覚(熱い・冷たいを感じる)と痛覚(痛みの感覚)が消失するという症状を持ち、痛みに気付かないまま骨折・脱臼などの外傷、熱傷や凍傷を繰り返し、骨折がうまく治らなかったり脱臼を繰り返すことを通じて、シャルコー関節と呼ばれる関節変形に至ってしまったり、熱傷や凍傷を繰り返すことでケロイドや瘢痕が形成されてしまうこともあります。
また、日常生活の中でも痛みを感じないことによるトラブルが起こりやすく、たとえば熱い食事やカイロによる火傷、気付かないまま運動を続けることにより骨折の悪化、靴擦れや小さな切り傷が化膿するなど悪化してしまうといったケースも見られます。さらに、口の中を噛んでも痛みがないため傷が深くなる咬傷など、日常の些細な行動が大きな損傷につながることもあります。
痛みがない生活とは、このように多くのリスクが伴います。
痛みのおかげで危険を回避し、安静にして回復を待ったり、治療に取り組んだりできます。
つまり、痛みは人間が生存するために必要不可な防御反応なのです。
ちなみにちょっとした雑学ですが、生物が痛みの感覚を手に入れたのは4億~5億年前頃と考えられており、人間だけでなく、さまざまな生物が痛みに伴う行動をとることが知られています。魚やカエルなど人間と同じ脊椎動物はもちろんのこと、軟体動物のタコやイカも痛みを感知して回避行動をとると考えられています。さらに、最近の研究では節足動物も痛みを感じている可能性があるとの報告もあり、今後、さらなる発見の可能性もあります。いずれにしても、痛みの感覚は生存可能性を高めるため進化的に獲得された重要な機能であることは間違いありません。
そんな痛みの感覚の発端は、皮膚や筋肉、内臓などの組織で生じた衝撃や炎症、病原体などからの刺激です。これらの刺徴が末梢の神経から脊髄を経由して脳まで伝えられ、脳の特定の場所だけで処理されるわけではなく、一次体性感覚野(S1)、第二次体性感覚野(S2)、島皮質、前帯状回、扁桃体、視床など複数の領域がネットワークとして働くことで痛みとして身体が認識します。これらは「痛み関連脳領域(ペインマトリクス)」と呼ばれ、痛みの場所や強さだけでなく、不快感や情動的なつらさも含めて総合的に処理しています。また、ペインマトリクスには含まれませんが、記憶を担当している「海馬」も痛みの学習に使われます。
上記の通り「情動的」つまり」痛みの感覚は心理的なストレスとも大きく関わっています。痛みの感覚がストレスによって生じたり、増加したりすることがあるのです。例えば、腰痛には心因性腰痛と呼ばれるものがあります。腰に痛みの原因がなくても、不安やうつなどの心理的な要因によるストレスが、脳や脊髄に備わっている「痛みを調する機能」の異常をもたらし、体の浦みを感じてしまうことが少なくないのです。現在、こうしたタイプの腰痛などの痛みは「痛覚変調性疼痛」と名付けられ、鍼灸も治療法のひとつとなっています。
ここまで説明した通り、痛みは私たちの生存に必要不可な感覚です。しかし、強く感じたり慢性化したりしてしまうと日常生活に支障が出てしまい、体を守るためのものであるはずが逆にその為に生存が脅かされてしまいます。
そこで、古代の人々が編み出した治療手段のひとつが鍼灸です。特に長期にわたって痛みが続く慢性疼痛(慢性痛)への鎮痛効果が期待されています。
慢性疼痛は、一般に3ヵ月以上継続する痛みや、通常の治療期間を超えて続く痛みを指します。ケガや病気などによって起こる急性痛は原因となるケガや病気が治まれば痛みも和らぎますが、痛みがひどかったり、長引いたりすると慢性的な痛みへと移行してしまうことが少なくありません。
例えば、腰を例にすると、最初はぎっくり腰だったり、一時的な疲労による腰痛だったりしますが、それが悪化したり長引いたりして生じるのが慢性疼痛です。その原因は、元々の「体の痛み」だけではなく、先ほど述べた心理的ストレスなどによる「痛みの調節機能の異常」や、病気による神経系への影響などが組み合わさって起こると考えられています。そのため、何かひとつの原因を解消すればよいというわけでなく、薬物療法などの西洋医学的なアプローチでは解決が難しいことが少なくありません。そこで、治療の選択肢として期待されるのが鍼灸なのです。
実は、人間の痛覚メカニズムはまだ完全には解明されていません。しかしながら鍼灸治療によって痛みを抑えるメカニズムは数十年の時を経て徐々に明らかとなりつつあります。次回からは鍼灸治療の素晴らしさを最新の研究と共にお伝えできればと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
セドナ治療院グループ 千葉駅前院 佐々木
【参考文献】
・厚生労働省「難病情報センター」
・「東洋医学はなぜ効くのか」著:山本高穂、大野智
・加藤総夫(2024)「無脊椎動物の痛覚変調性疼痛 ― 5億年の進化を超えて」
新学期や異動など新生活が始まった方も多くいらっしゃるかと思います。4月も半月が経過しました。草木が芽吹き、少し汗ばむような日も増えてきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
この時期は、「なんとなく不調」を感じやすいですよね。
日夜の気温差や不安定な天候による気圧差、環境の変化による緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れてしまいます。そして少し落ち着いてくる今のタイミングで、心身の疲れが表面化しやすくなります。
東洋医学的には春は気(エネルギー)の巡りを調整し、ストレスへの適応や感情のコントロール、「血(けつ)」を貯蔵し目の働きを支える役割を担ってる「肝」がこの影響を受けやすく、症状としては頭痛、目の疲れ・かすみ、イライラ、気分の不安定さ、首肩のこり、月経異常、消化器系の異常や口の苦みとして身体に現れやすくなります。また、爪が割れやすくなったり、筋肉がつりやすい、酸っぱいものを欲するのも肝の不調のサインとされています。
当院ではこういった春特有のお悩みに対してオイルトリートメントによるケアをお勧めしております。
特に春は無意識のうちに力が入りやすく、首肩や背中の緊張が強くなりがちです。筋肉や皮膚へのアプローチを通じて外側から身体をゆるめていき、オイルを用いてゆっくりとしたリズムで流すことで、副交感神経が優位になり、深いリラックス状態へと導かれます。血流やリンパの流れが促進されることで、むくみやだるさの軽減にもつながります。
そして当院のオイルトリートメントは単なるリラクゼーションではなく、身体の緊張状態や巡り、東洋医学的観点から評価したうえで経絡経穴を用いて行う“コンディショニングケア”です。表面的ではなく、変化を実感できる施術を大切にしています。
今回はセドナ治療院グループ独自の東洋医学を用いた施術「陰陽五行オイルトリートメント」についてお話させていただきたいと思います。
東洋医学の根本ともいえる考え方で、「陰陽学説」と「五行学説」を合わせたものです。「陰陽学説」とは世界のすべてを「陰」と「陽」に分ける、というもので、「五行学説」とは世界のすべてを5つのもの(要素)に分ける、というものです。
セドナ治療院グループのオイルトリートメントでは上記の東洋医学的観点から作成されたチェックシートを使用して患者様の基本の体質を見極め、その日の体調やお悩みに合った成分、リラックスしやすい香りを選び、より深いリラクゼーションへと導きます。香りは自律神経にも働きかけるため、皮膚、筋肉だけでなく呼吸器から脳へもリラックス効果を与えることが出来ます。
当院では、使用するオイルにもこだわりを持っています。肌へのやさしさはもちろん、浸透性や保湿力、成分にまで厳選した「オーストリアのDr.エバーハルト社製100%オーガニック」の高品質オイルを使用しています。口から漢方薬を飲むのと同様、皮膚から植物の成分を摂る 「セドナオリジナル・メディカルハーブ療法」です。ベタつきが少なく、敏感肌の方でも安心して受けていただけます。
「ただ流すだけ」ではなく、オイルの質と手技の両方にこだわることで、身体だけでなく心までゆるむ時間をご提供しています。
春は新しいスタートの季節である一方で、無理を重ねやすい時期でもあります。「まだ頑張れる」と感じていても、身体は少しずつサインを出しています。不調が大きくなる前の段階でケアを行うことが、その後のコンディションを大きく左右します。
「なんとなく疲れが抜けない」「気分の波がある」「目の疲れが気になる」など、ささいな不調でも構いません。今の時期に身体を整えておくことで、これからの季節をより快適に過ごすことにつながります。
当院では、お一人おひとりの状態に合わせて施術を行っております。春のゆらぎを整えるケアとして、オイルトリートメントを取り入れてみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください!

【参考文献】
・著:小金井信宏 「中医学ってなんだろう」
・La Porte 公式サイト
3月になると
「寝つきが悪くなった」
「夜中に目が覚める」
「眠っているはずなのに疲れが取れない」
といった相談が増えてきます。
寒さが和らぎ、日照時間も少しずつ長くなる時期ですが、体にとっては意外と負担の大きい季節です。
その背景に深く関わっているのが、HPA軸と呼ばれるストレス反応の仕組みです。
HPA軸とは、
視床下部(Hypothalamus)
下垂体(Pituitary)
副腎(Adrenal)
の頭文字を取ったものです。
この3つは、私たちがストレスを感じたときに連動して働き、コルチゾールというホルモンを分泌します。
コルチゾールは本来、
・朝の目覚めを助ける
・血圧や血糖を保つ
・炎症を抑える
など、生命維持に欠かせない役割を持っています。
しかし、ストレスが長く続くと、このHPA軸が過剰に働き続けてしまいます。
3月は気づかないうちに、ストレス要因が重なります。
・年度末による仕事の忙しさ
・異動、退職、引き継ぎ
・進学や就職など生活環境の変化
・寒暖差による身体的ストレス
これらはすべて、HPA軸を刺激する要因です。
特に問題なのは、「自分ではストレスと感じていない」ケースです。
頭では「大丈夫」と思っていても、体はしっかりと変化に対するストレス反応を起こしています。
その結果、夜になっても交感神経のスイッチが切れず、コルチゾールが高い状態のままになりやすくなります。
本来、コルチゾールは朝に血中数値が高くなり、日中の活動をサポートする役割を担っています。そして睡眠時は分泌の必要がなくなるため夜に向かって下がっていくというホルモン分泌の概日リズムがあります。
このリズムが崩れると、眠気が出にくくなり、不眠につながります。
眠れない状態が続くと、HPA軸はさらに過敏になります。
「眠れないこと自体」が新たなストレスとなり、
→ コルチゾールが高い
→ 眠れない
→ さらに疲れる
という悪循環に入りやすくなります。
この時期に多いのが、
・朝起きてもスッキリしない
・日中ぼーっとする
・肩こりや胃の不快感が強くなる
といった、いわゆる自律神経症状です。
鍼灸や整体治療は、HPA軸に直接働きかけるわけではありません。
しかし、臨床的には
・過緊張状態をゆるめる
・副交感神経が働きやすい状態をつくる
・「休める体」に戻す
という点で、睡眠との相性は良いとされています。
特に春先の不眠は、「眠らせる」よりも「力を抜ける状態を作る」ことが重要です。
首や背中の緊張、呼吸の浅さ、お腹の張りなどを整えていくことで、夜の過覚醒が落ち着いてくるケースは少なくありません。
春の不眠は、放っておくと夏まで引きずることがあります。
「季節の変わり目だから仕方ない」と我慢せず、体のサインとして受け取ることが大切です。
眠れない、疲れが抜けない、気持ちが落ち着かない。
そんなときは、体の緊張や自律神経の状態を一度見直してみるのも一つの方法です。環境が変わる季節だからこそ、がんばるための体ではなく、回復できる体を整えていきましょう。
本記事は、内分泌学・睡眠医学・心身医学分野の研究報告を参考に構成しています。
気温が低い今の時期は身体が冷えやすく、胃腸の働きはさらに弱まりやすくなります。胃の不調は、ただの“消化の問題”ではなく、気分や睡眠、日々のやる気にも影響を与えることがあります。
そこで今回は、漢方の力を用いた冬の胃疲れにやさしい日常のセルフケア習慣をご提案させていただきます。
冬は身体を温めることがとても大切です。冷えは体を緊張させるため交感神経が優位になりやすく、自律神経の乱れから胃腸の血流を滞らせてしまいます。
・胃の働きが鈍くなる
・消化が進まない
・気分が落ち込みやすくなる
こういった症状が見られた際は、胃腸が疲れているサインかもしれません。
そんなときは、「内側からゆるめる時間」を意識的につくることがケアの鍵です。特に温かい飲み物をゆっくり味わう時間は、胃だけでなく、自律神経にとっても“落ち着くスイッチ”になります。
冬の温活としてお勧めしたいのが、漢方をブレンドしたお茶です。
当院で販売しております「どくだしトーンヌール茶」は、体を温め、巡りを整える作用を持つ9種類の和漢ハーブがブレンドされており、ケイヒ(シナモン)の香りをはじめ、シソ葉やビワ葉などの香りがやさしく広がり、従来の漢方のような強い苦みなどを感じずに楽しむことが出来ます。
【9種類の生薬】
ケイヒ:体の表面を温め、冷え症改善、代謝促進
ショウガ:体を芯から温め、発汗、血液促進
シソ葉:リラックス作用、利尿、発汗
ビワ葉:皮膚の新陳代謝、むくみ改善
霊芝:滋養強壮、免疫UP、咳止め
ドクダミ:デトックス、利尿
ハトムギ:デトックス、利尿、肌荒れ
甘草:保湿、解毒、各生薬の作用を補う
紅花:血の巡りを改善、婦人病、冷え
実際に試飲や購入していただいた患者様からは
「甘みがあって飲みやすい」
「香り高くて美味しい」
などのお声をいただいております。
ただ“飲むだけ”で終わるのではなく、味や香りと共に温かさを楽しむ時間が心身を癒すことに繋がります。
“温かい飲み物”は、身体を内側からゆるめるだけでなく、気分や自律神経にも作用します。胃と自律神経・気分は深くつながっています。
胃が楽になると、
・気持ちが落ち着く
・不安感が和らぐ
・眠りが良くなる
といった変化を感じる方が多いのも、こうしたつながりが背景にあります。
だからこそ、日常の小さな“ゆるめ時間”を大切にすることが、胃疲れ対策としてとても有効なのです。
この季節、私たちの身体は知らず知らずのうちに頑張りがちです。胃が重たい、なんとなく気分が沈む…そんなときは、まず身体を内側から温める習慣を取り入れてみましょう。
温かいお茶をゆっくりと楽しむことは、ただの水分補給以上の意味を持ちます。胃と心を同時に休ませてくれる時間になります。
食後5分10分ほど時間をおいて「消化の準備」の一杯、仕事や家事の合間に「休息ルーティン」の一杯、寝る前の「休むモードのスイッチ」の一杯。
ぜひ前回ご紹介した「胃と気分のつながり」の知識と合わせて、
冬のやさしいセルフケア習慣として取り入れてみてください。
詳細については各院受付にて!

みなさんこんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!
年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?長期休みで疲れが取れるかと思いきや、帰省で長時間の移動や宴会での暴飲暴食、久しぶりに会う親族との会話で気を遣ったり……何かとお疲れの方も多いように思います。
なんだか胃が疲れてくると、気分まで落ち込んでくるような感じがしませんか?
「胃が重たい日が続いてから、なんとなく気分も晴れない」
「食欲が落ちると、やる気や集中力まで下がる」
これは決して珍しい訴えではなく、鍼灸臨床の現場でも非常に多く見られます。以前のブログでも脳腸相関(brain–gut interaction)というワードを目にした方は多いかと思います。今回はもう少し掘り下げてお話させていただければと思います。
胃は単なる消化器官ではなく、感情・自律神経・ホルモン分泌と密接につながる臓器です。
胃疲れが続くと、気分や精神状態に影響が及ぶのは、自然な生理反応なのです。
胃と脳を結ぶ最大の神経は迷走神経です。
この神経の特徴は、約8割が「胃腸から脳へ情報を送る」役割を担っている点にあります。
つまり、
といった状態は、常に脳へ「不調の信号」として伝えられています。
脳はその信号を受け取ることで、
といった反応を引き起こしやすくなります。
セロトニンは、気分の安定や安心感に関与する神経伝達物質です。
実はその約90%が消化管で産生されています。
胃疲れが続くと、
が起こりやすくなり、結果としてセロトニン産生も低下します。
その結果、
こういった精神的な症状が出てきてしまいます。
これは「気持ちの問題」ではなく、身体の状態が崩れているサインです。
医学研究では、胃腸機能の低下が続くと、
炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)が増加することが示されています。
これらは血流を介して脳へ影響し、
を引き起こす要因となります。
つまり、
胃疲れ → 軽度の炎症 → 脳機能への影響
と波及して不調が引き起こされるのです。
胃の不調と気分の落ち込みが重なると、
「自分が弱いからでは?」と感じてしまう方も少なくありません。
しかし実際には、
身体の疲労が先にあり、心は後から影響を受けている
ということがほとんどです。
胃を整えることは、
ための重要な一歩です。
胃は、心身のバランスを映し出す非常に繊細な臓器です。
胃の不調が続くときは、身体と心の両方が疲れているサインかもしれません。
気分の落ち込みを感じたとき、
「心」だけでなく「胃」にも目を向けてみる。
それが回復への近道になることも少なくありません。
ぜひ参考にしてみてください。
みなさんこんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です!
10月の中旬から下旬にかけて急激に気温が下がり、体調を崩す方が増えてきましたね。空気の乾燥も進み、のどや皮膚の不調、冷えによる肩こりや腰痛など、冬に特有の体調変化が見られる季節です。みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
インフルエンザ流行のピークは例年12月下旬〜翌年2月頃とされていますが、2025年は10月の時点でインフルエンザ疑いの方が9000人に上り、例年より早く流行が始まっています。また百日咳も増加傾向にあり、日本健康安全保障研究所(JIHS)の最新データによると、8月10日の時点で今年の症例数は64,467件と、2024年全体の15倍以上に達しました。
感染症や寒さによる不調を予防するためには、「冬の過ごし方=養生」がとても重要です。今回は、東洋医学の視点からみた「ためる季節」冬の過ごし方について詳しくご紹介します。
東洋医学では、季節と臓腑には深い関わりがあるとされます。春は肝、夏は心、秋は肺、そして冬は腎にあたります。腎とは単なる腎臓だけでなく、「生命エネルギーの根本(腎精)」を蓄える重要なシステムです。腎精は成長・発育・生殖・老化・免疫など、人間が生命を維持する為の根幹に関わります。
そして一年のサイクルをその季節ごとに一文字で表すと春は「生」、夏は「長」、秋は「収」、そして冬は「蔵(ぞう)」となります。春に植物が芽吹き生まれ、夏は青々と枝葉を伸ばし、秋には実った食物を収穫し、冬を越すために収穫した食物を貯蔵する。
つまり、冬はエネルギーを外に出すのではなく、「内に溜め、守る」ことが重要な時期と表現することが出来ます。
現代人の多くは、冷え・疲労・睡眠不足・ストレスなどによって、この「蔵」の働きが乱れがちです。慢性的な疲労感や冷え、むくみ、腰痛なども「腎虚(じんきょ)」という腎が弱っているサインです。
特に腰や下腹部を冷やすことは腎を傷める原因になります。腹巻き、レッグウォーマー、温かい飲み物などで体の中心を温めましょう。体を「冷やさないこと」は、冬の最大の予防です。
また、足湯や温灸などで「下半身を温め、上半身を緩める」ケアも効果的です。腎の経絡は足裏から腰まで走るため、足元を温めるだけでも全身の血流が改善し、自律神経のバランスも整いやすくなります。
『黄帝内経』には「冬は早く寝て、日が昇ってから起きる」と記されています。これは、自然のリズムに合わせてエネルギーを「蓄える」ことの重要性を説いた教えです。
特に冬は日照時間が短くなるため、メラトニンという睡眠へと導く作用を持つホルモンの分泌が早まります。これによって脈拍・体温・血圧などが低下し体が睡眠の準備を早く行ってしまうのです。冬場に眠気が強くなる方はこのケースが多いです。
そのため夜更かしやブルーライトの刺激によってメラトニンの分泌リズムを乱してしまうと、睡眠の質が低下し、免疫力や代謝が下がります。湯船に肩までつかることや照明の明るさを落とす、スマホをの使用を控えるなど、夜の「静」の時間を大切にしましょう。
就寝前のおすすめ習慣は、40度前後のお湯に10〜15分ゆっくり浸かって全身の血流を促し、副交感神経を優位することです。布団に入る1時間~2時間前の入浴は睡眠時に最適な体温に近付けるため、より上質な睡眠につながります。入浴後は白湯で体内を潤し、心身を温めてから布団へ入りましょう。
また、休日に寝だめをするのではなく、起床時間を一定に保つことも腎を守るポイントです。お休みの日でも普段の生活リズムを乱さず、整えることが「ためる力」につながります。
冬の食養生では、「温める」ことと「腎を補う」ことを意識しましょう。東洋医学で腎は「黒」と対応し、黒い食材は腎を助けるとされています。黒ごま・黒豆・ひじき・海苔・昆布・きくらげなどは、カリウムや鉄などのミネラル・食物繊維・抗酸化物質などが豊富にふくまれており、髪や骨、ホルモンバランスの維持にも役立ちます。
また、羊肉・鶏肉・生姜・にら・にんにく・ねぎなどの「陽性食材」は体を内側から温めてくれます。特に鍋料理は冬の理想的な食養生。根菜類や薬味を加えて、栄養と温かさを両立させましょう。
注意点として、唐辛子やにんにくを過剰に摂ると体内の「陰」を少なくしてしまい、のぼせや乾燥の原因になり、また胃腸の疲れにもつながる場合があります。体を温めてくれる印象の多い食物ですが、刺激物は冷え性の方でも控えめにし、体調に合わせた温め方を心がけましょう。
そして冬に不足しがちなのが「潤い」。大根・白菜・れんこん・白きくらげなど、水分を補う食材を取り入れることで、肌や粘膜の乾燥も防げます。温かいスープやお粥で「温と潤」を両立するのが理想です。
冬は自然界の動きが静まり、生命が内へ籠る季節です。人の心もまた、「静」を保つことが求められます。心が常に外に向かい、焦りや不安を感じる状態は、腎精を消耗させてしまいます。
心を整えるには、「ゆっくりする勇気」が必要です。読書・深呼吸・温かい飲み物を味わう・静かな音楽を聴くなど、五感を休ませる時間を持ちましょう。特に寝る前の10分間はデジタルデトックス(スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くこと)を行い、自分と向き合う穏やかな時間を作ることが、冬の養生になります。
また、東洋医学では「恐」は腎の感情とされます。過度な心配や恐れは腎を傷めます。意識的に安心感を持ち、「まあいいか」と受け流すことも、心の健康にとって大切なスキルです。
焦らず、ため込みすぎず、「今の自分を受け入れる」こと。それが春への準備になります。
冬は頑張る季節ではなく、「休む季節」です。外に向かうよりも、内側を整えること。これが春の健やかな芽吹きを生み出します。冷えを防ぎ、腎を養い、静けさを大切にすることが、東洋医学の「冬の智慧」です。
鍼灸や食養生を通して、自分の体の声を丁寧に聞く時間を持ってください。冬の静寂を味方につけることで、次の季節をより軽やかに迎える準備が整います。
今回のブログはいかがでしたでしょうか?もしもっと詳しく聞きたい、ここがわからない等ございましたら是非お気軽にスタッフまでお声がけください!
次回は経穴(ツボ)を用いたセルフケアについてお話させていただきますので、お読みいただけますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院 佐々木
みなさんこんにちは!セドナ整骨院 千葉駅前院の佐々木です。
前回に続き、今年6月に当院で行われた健康セミナーでご紹介させていただいたご自宅での心のセルフケアについてお話しいたします。
日々の生活の中で、私たちは気づかないうちに多くのストレス刺激にさらされています。
しかし、その「ストレス反応」は必ずしも悪者というわけではありません。私たちの身体が本来持っている“自分を守るための仕組み”なのです。
実践の前に、まずストレスによって起こる反応の種類をみていきましょう。セミナーでは3つの主要な反応を解説しました。
1.闘争・逃走反応
危険に直面したとき、心拍数が急激に上がり、血管が収縮して筋肉へ血流が集中する反応です。
瞬時に体を動かすためのエネルギーを引き出すもので、会議や試験、初めての場所での緊張などもこの反応にあたります。
特に適度な緊張は集中力を高め、私たちの能力を最大限に引き出してくれます。
2.チャレンジ反応
困難に立ち向かうときに生じる前向きなストレス反応です。心拍数は上がりますが、血管は収縮せず拡張するため、脳にしっかりと酸素が届きます。その結果、行動に完全に没頭し、時間を忘れて集中できる状態、いわゆる「ゾーン」に入る感覚が生まれます。スポーツ選手やアーティストにも多く見られる反応です。
3.思いやり・絆反応
強いストレスを感じると分泌される“オキシトシン(幸せホルモン)”によって、人とのつながりを求める気持ちが高まります。
そして誰かに相談したり、支え合ったりすることで、心身の回復が促進されます。
(つまり「一人で抱え込まない」ことが、ストレス対策として非常に効果的です。)
これらは本来、私たちを守り、能力を発揮させるためのシステムです。問題はこれらの「自分の体の反応をどう解釈するか」。例えば、心臓がドキドキしているときに「このまま倒れるかも」と恐れるか、「力を出す準備が整ってきた」と受け止めるか。この“認知の違い”が、体の働きやパフォーマンスを大きく左右します。
セミナーでは、この認知を変えるための実践トレーニングを体験していただきました。
ご自宅でも簡単にできる方法を、改めてご紹介します。
1.言語化トレーニング
今自分が感じている感情を声に出したり、紙に書いたりして「私は今緊張している」「私は今怖がっている」などと言葉で表現します。このように言語化することで自分が今どんな状況下に置かれているのか、今どんな感情を持っているのか客観視しやすくなり、脳が冷静さを取り戻すことが研究でわかっています。
2.ダブルインヘール
呼吸をする際に息を可能な限り深く吸い、吸い終わったあとでもう一段階深く吸い込みます。これは「ダブルインヘール」と呼ばれる呼吸法で、数回繰り返すだけで副交感神経が優位になり、心拍が整います。緊張時はとくに呼吸が浅くなりやすいため、夜寝付きが悪い時などぜひ試してみてください。
3.マインドフルネス瞑想
「今この瞬間」に意識を集中させ、過去や未来の不安から一時的に心を切り離す練習です。
静かな場所で目を閉じ、約5分間、自然な呼吸を繰り返します。
目は開いていても閉じていてもどちらでもよいです。呼吸や体の感覚に意識を向けるだけでも構いません。雑念が浮かんでも「今、考え事をしているな」と気づくだけでOK。無理に止めようとしないのがコツです。
ご紹介させていただいたセルフケアはどれも特別な道具や長い時間などは必要なく、自宅や職場でも簡単に取り入れられます。実際にセミナーに参加された方々からは
「最近寝付きの悪さが気になっていたけれど、マインドフルネス瞑想をやり始めてから寝付きが良くなった」
「仕事中ドキドキした時に試したら落ち着けた」
といった実感の声が多数寄せられました。このブログをお読みになっているみなさんもぜひお試しください!
またもし「ここがわからない」「どうやったらいいんだろう」など今回のブログ内容についての疑問、「このストレスにどうやって向き合ったらいいんだろう」などの日常生活でのご相談がございましたらスタッフへ気軽にお話くださいませ!
次回の健康セミナーは12月14日開催予定です。
テーマは『アンガーマネジメント・怒りとの付き合い方』
日頃、私たちは仕事や家庭、人間関係の中でさまざまな感情を抱えながら生活しています。うれしい、悲しい、不安、そして怒り、これらは誰もが持つ自然な心の反応です。しかし忙しい日常の中では、自分の感情にきちんと目を向ける時間が取れず、気付かないうちに体や心に大きな負担をかけてしまうことがあります。
当院では、こうした「感情と身体のつながり」を患者様ご自身に理解していただき、日々の健康管理にに役立つ知識とセルフケアを、実践形式でお届けします。
体のサインを学び、自分自身を守る力を一緒に身につけませんか?ぜひお誘い合わせのうえ、ご参加ください。
参考文献:
『Neuropsychologia』References:‘Flow state’ uncovered: We finally know what happens in the brain when you’re ‘in the zone’ | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
スタンフォードのストレスを力に変える教科書:McGonigalKelly
みなさんこんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です!
夏の暑さもようやくひと段落。朝晩冷える日が増えてきましたがいかがお過ごしでしょうか?
今回は6月に千葉駅前院で行われた”健康セミナー”の内容を一部抜粋してご紹介させていただきます!
※健康セミナーとは?
→1か月ごとにセドナ治療院グループの千葉駅前院、ユーカリが丘本院、八千代村上院、公津の杜院、浦安院の各5店舗で順番に行われている患者様向けの体についての勉強会です。
今回の題材は「ストレス」
「ストレスって、体に悪いと思いますか?」と問いかけられた時、多くの方が「もちろん悪いに決まっている」と感じるかと思います。肩こり、頭痛、胃の不調、血圧の上昇。日常の中でストレスを感じると、私たちはすぐに体の不調と結び付けてしまいます。しかし、今回のブログで皆さんにお伝えしたいことは、ストレスは必ずしも“悪者”ではないという意外な事実です。
米国で3万人を対象に行われた大規模調査では、ストレスを強く感じている人の中でも「ストレスは体に害がある」と信じている人ほど死亡リスクが高く、一方で「ストレスは自分を成長させるもの」と前向きに捉えている人では死亡リスクが低いという結果が報告されています。つまり、ストレスそのものよりもストレスに対する認知が健康を左右する、ということが科学的に示されているのです。
私たちが緊張したときに心拍数が上がったり呼吸が速くなったりするのは、体が危険に備えてエネルギーを供給しているサイン。これは「闘争・逃走反応」と呼ばれ、生命を守るために必要な生理現象です。本来は遥か昔、原始時代に敵から逃げるために発達した反応ですが、現代ではプレゼンや試験、人間関係など社会的ストレスにおいてこのような反応が起こります。
ここで重要なのが「認知の再構成」という考え方です。このような反応が起こった時、例えば心拍数が上がったとき、「もしかしたら心臓に病気があるのかも」など不安にとらえるとストレスホルモンが過剰に分泌され、血管が収縮して体に負担がかかります。逆に「これは体が力を発揮するための準備だ」と捉えることが出来ると、血管が拡張し、同じ緊張でも体へのダメージが少なくなることが分かっています。
このようにストレスを味方につけた実例として、トップアスリートの方々を想像してみましょう。オリンピック選手や舞台俳優は、大舞台の直前、もしくは最中に必ず緊張を感じます。しかし彼らはその緊張を「失敗するかもしれない不安な状態」ではなく「最高のパフォーマンスを出すための状態」と捉えています。そのため極度の緊張状態の中でもいつも通りのパフォーマンスを発揮し、集中力を途切れさせない状態を維持できるのです。
このように、ストレスを単なる“敵”ではなく“味方”に変える視点は、私たちの日常でも活用できます。仕事、子育て、人間関係など、緊張する場面こそ「体がストレスに対応するための準備をしてくれている」と意識するだけで、日常生活での体、そして精神面への負担が軽減されます。
健康セミナーではこうした最新の知見をわかりやすく解説しながら、日常生活に活かすための思考の変換のヒントや簡単なセルフケアを実際に体験していただきました。
次回のブログでは健康セミナーで行われたセルフケアについての内容をご紹介させていただきますのでお読みいただけますと幸いです!

※6月の健康セミナー開催時の告知ポスターです!
セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院 佐々木
参考文献:スタンフォードのストレスを力に変える教科書:McGonigalKelly
こんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です。
今回は「期外収縮と鍼灸の関わり」についてお話させていただきます。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。
前回、期外収縮の概要についてお話しさせていただき、その中で注意すべき期外収縮とそうでないもの、また原因についてもご紹介しましたが、原因の1つとして「精神的なストレスや疲れ」があげられていたことを覚えていますでしょうか?
鍼灸治療において最も注目すべき効果として、この「精神的なストレスや疲れ」にアプローチすることが出来るのです。
鍼灸治療は、自律神経の調整や血流の改善、炎症の抑制などを通じてさまざまな疾患の管理に役立つと考えられています。近年、心血管疾患に対する補完代替医療としての可能性が注目されており、期外収縮に対する効果についても研究が進められています。
一体鍼灸が体にどのような影響を与えて、期外収縮に効果をもたらすのか見ていきましょう。
◎東洋医学的観点から見た期外収縮
前回お話しさせていただいたように西洋医学では、期外収縮は心臓の異常な電気信号によって引き起こされる不整脈の一種とされ、自律神経のバランスや電解質異常、心血管疾患、ストレスなどが発生要因とされています。
一方、東洋医学では、期外収縮のような不整脈を「結脈」「代脈」という呼び方をします。この2つの呼び方の違いは以下の通りです。
結脈 ゆるやかな脈で、時々止まる。主に陰寒や積滞内阻による。不正脈。
代脈 ゆるやかで時々止まるのは結脈と同じだが、止まるのに定まった規則性がある。臓気の衰退。
東洋医学では気や血の不足や滞り、陰陽のバランスの乱れが主な原因であると考えられます。心臓の働きは「心(しん)」という概念に基づき、全身の血流を管理する役割を持つとされています。「心」の機能が正常であれば血液はスムーズに流れますが、気血の不足や停滞、陰陽のバランスの崩れによって心拍が乱れ、期外収縮のような不整脈が生じると考えられます。
具体的な例を見てみましょう。
・気虚・血虚(心気虚、心血虚)
心気(しんき)は心臓を動かすエネルギー、心血(しんけつ)は心臓の働きを維持する栄養源とされ、これらが不足すると心臓の活動が不安定になり、不整脈が起こりやすくなります。
主な症状:疲労感、息切れ、めまい、不眠、顔色の蒼白、冷え性
・瘀血(おけつ)
血流の停滞があると、心臓への血流供給が悪化し、不整脈が発生しやすくなります。特に、動悸や胸の圧迫感を伴う場合、瘀血の影響が考えられます。
主な症状:胸の圧迫感、刺すような痛み、舌の色が暗紫色、顔色のくすみ
・気滞(きたい)
ストレスや精神的な負担が続くと、気の巡りが滞り、自律神経の乱れを引き起こして期外収縮が生じることがあります。
主な症状:ため息が多い、胸の張り感、不安感、イライラ、便秘や腹部の張り
・陰虚(いんきょ)
体内の陰液(血や津液)が不足すると、心火(しんか)が過剰になり、不整脈が発生しやすくなります。特に、夜間に期外収縮が悪化する場合は、陰虚の影響が考えられます。
主な症状:寝汗、口の渇き、ほてり、不眠、動悸、舌の色が紅い
◎鍼灸治療による効果
東洋医学的観点から見た期外収縮についてお話しさせて頂いたところで、次に鍼灸治療が体に与える効果についてご紹介していきます。
・自律神経の調整
期外収縮の発生には、自律神経のバランスが深く関与しています。自律神経は交感神経と副交感神経の2系統に分かれており、簡潔に役割を説明すると交感神経は戦闘モード、副交感神経は休憩モードといったようにそれぞれ担当しています。また交感神経はストレスを感じた際にも作動し、交感神経が優位になると心筋の興奮性が高まり、不整脈が生じやすくなります。
そのため鍼灸は副交感神経を優位にすることで自律神経のバランスを整え、心拍の安定化、またストレスに対する反応に作用するとされています。とある研究では心拍変動(HRV)を改善し、心拍の乱れを抑制する効果があるとの報告もされています。
・炎症の抑制
一説では慢性的な炎症や酸化ストレスが心筋の異常な興奮に関与していると考えられています。研究によると、鍼灸は炎症マーカーであるC反応性タンパク(CRP)やインターロイキン-6(IL-6)の低下に作用し、不整脈の発生を抑える可能性が示唆されています。
・血流の改善
鍼灸は血流を改善し、心筋への酸素供給を安定させることで不整脈を防ぐ効果が期待されます。
鍼灸治療のメカニズムについては当HPの右側の欄の「一般施術」→「鍼灸治療」から詳しい説明を見ることができますのでご興味がございましたら是非ご覧ください!
今回は「期外収縮と鍼灸の関わり」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は「期外収縮に対する鍼灸治療における臨床研究」についてお話させていただきます!
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木