こんにちは。セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今月のブログの題材である「PMS」と、当セドナ治療院グループの理念にもあります「自律神経」は非常に相関関係が強いため、こちらもとりあげてお話させて頂きたいと思います。
しかし、まずそもそも自律神経とは何なのでしょうか?最近テレビや日常会話等でも話題に上ることが増え、日常的にもストレスや疲れを感じたとき、「自律神経が乱れている」と言われることも増えましたよね。
ですが自律神経について曖昧なイメージを持っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?そこでまず最初に自律神経について簡単にお話させて頂きたいと思います。
自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」という二系統で構成されており、代謝や循環、呼吸、消化など、私達が生命維持を行う上で必要不可欠な身体の様々な機能を無意識的に調整しています。
そして交感神経と副交感神経は互いに反対の作用を持ち、そのバランスを保つことで体内の恒常性、つまり生物が外部環境の変化に関わらず、血圧や血糖値、pHなどの体内の状態を一定に保とうとする仕組みを維持しています。
交感神経の働き
交感神経は「闘争か逃走(fight or flight)」反応を司る神経系です。体がストレスに直面したときや急を要する様な緊急時に活性化し、それらに対して迅速に対応ができるようエネルギーを最大限に引き出す方向に働きます。
交感神経が優位になると筋肉や臓器に酸素や栄養を素早く供給するために心拍数と血圧が上昇し、反対に消化管の活動は一時的に抑えられ、胃の動きや唾液の分泌が減少し、消化が遅くなります。また酸素を多く取り込むために気管支を拡張させ、周囲の危険をより早く察知するために瞳孔を拡大させます。副腎からはアドレナリンが分泌され、興奮状態の促進や交感神経の作用の強化、持続を行います。
学校や会社、もしくはプライベートでも、話を聞かずぼーっとしている時にいきなり名前を呼ばれ「君はどう思う?」等と意見を聞かれた時、ドキッとした経験はありませんか?もしくは怖い夢をみてはっと目を覚ました時、緊張する発表会の時、ゲームでクリア目前の時など、交感神経はそういった体がストレスを感じたときや運動、興奮などによって必要なときに迅速に反応し、体を活動モードに導きます。
副交感神経の働き
副交感神経は、交感神経とは対照的に「休息と消化(rest and digest)」を担当する神経系です。体がリラックスしているときや安静状態にあるときに主に活性化し、副交感神経が優位になることで体は回復やエネルギーの蓄積など、いつ交感神経が優位になって闘い始めても良いように備える働きをします。
副交感神経が優位になると、胃や腸の運動が活発化し、消化液の分泌が増加します。これにより、食べ物の消化と栄養の吸収が促進されます。反対に心拍数は緩やかになり、血圧も低下します。これにより、体はリラックスした状態になり、筋肉など使わない臓器へのエネルギーを節約し、蓄えることができます。体が休息状態にあるときに必要な酸素量が少なくなるため、気道はやや収縮し、呼吸は深くゆっくりとしたものになります。明るい環境下での目の負担を軽減させるために瞳孔は縮小され、近くの物を見る際にはピントが合わせやすくなります。
そして副交感神経の働きにおいて何よりも重要なのは心身の回復です。副交感神経はエネルギーの節約と心身の回復を促進します。食事の後や眠る前など、体が修復や成長、回復に集中できるよう、全身の機能を調整する役割を担っています。
鍼灸院や整骨院などでの施術の最中、眠気を感じたり、お腹が鳴ったり、トイレに行きたくなったりしたことはありませんか?そう、これらの反応はすべて副交感神経が働いている証拠なのです。こういった反応が出ているときはきちんと担当の先生やその院を信頼し、リラックスできているため緊張状態のときよりも治療効果が高いです。
このように交感神経と副交感神経は、互いに相反する働きをしながらも、常にバランスを保っています。このバランスが乱れると、身体的・精神的な健康に影響を及ぼす可能性があります。
そして、PMSの発症には、ホルモンバランスとともに自律神経のバランスの乱れが影響していると広く考えられています。何かしらのストレスを受けて自律神経が乱れ、交感神経が過剰に働くと、神経が収縮し血流が悪化します。これが頭痛や肩こり、腰痛などの身体的な症状の原因です。
副交感神経が抑制されると消化器系の機能が低下し、腹部膨満感や便秘などの消化器症状が現れることもあります。また前述したストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加し、緊張や不安が増加し、これがPMSにおける精神的な症状、例えばやイライラ感やうつ状態を引き起こす原因の一つとされています。施術により狙うべきは副交感神経の活動促進でリラクゼーション効果を促す事です。これにより、筋肉の緊張や痛みが軽減されるだけでなく、身体と精神両方の症状に対して総合的な効果を発揮することが期待されます。
実際の臨床の現場でも鍼灸治療がPMSに対してどのような効果をもたらしたかについても、かなりの数の症例報告・ケースレポートが発表されています。例えば、ある症例では、鍼灸治療を数ヶ月間継続した女性が、PMSの頭痛の大幅な改善を報告しています。イライラや不安感などの精神的な症状も軽減し、生活の質が向上したとされています。
今週も読んで下さりありがとうございました。
来週は、、、「PMSによく使われる経穴(ツボ)」についてお話させて頂きます。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木