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「東洋医学⑮」『蔵象説』

2019.09.19

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

今回からは東洋医学の内臓観『蔵象説』についてご紹介していきます。

東洋医学では内臓は単なる身体の構成物質ではなく

生理的・病理的な現象、精神活動の中心と考えられています。

 

『蔵象説』の『蔵』は内臓を指し、

『象』は外に現れる生理的・病理的現象を意味します。

すなわち、人体の生理・病理現象の観察を通じて

各内臓の病理や相互関係を解き明かすのが蔵象説であり

臨床治療における根本となっているのです。

 

 

臓腑は生理機能によって

臓・腑・奇恒の腑の3つに分類されます。

臓は五臓のことで肝・心・脾・肺・腎があります。

五臓は主に精気(神気)を蔵している器官であり、生命活動の中枢となっています。

 

腑は六腑のことで

胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦があります。

六腑は水穀(飲食物)を受け入れたときに満ちる中空器官です。

水穀を消化して次の器官に送るとともに、水分の吸収・分配・排泄に関与しています。

 

奇恒の腑は

脳・髄・骨・脈・胆・胞宮(子宮)があります。

腑と違って消化吸収に関与せず、精を有する点で臓と似ているため

「奇恒(普通ではない)の腑」と呼ばれています。

 

 

以前、五行の際にもご紹介したのですが

臓腑は表裏関係にあり臓腑が一つずつ対になって

五行の一行に属しています。

肝と胆は「

心と小腸は「

脾と胃は「

肺と大腸は「

腎と膀胱は「

以上に属します。

 

これらの表裏関係にある臓腑は経脈で

繋がっていて変調を伝えやすくなっています。

 

次回からはそれぞれの臓の不調についてご紹介していきます。

陰陽五行論①

2019.09.13

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院の鍼灸師の春日です。

これから数回に分けて、「陰陽五行論」をご紹介していきます。

皆さんは「陰陽五行論」についてご存知でしょうか?

陰陽五行論は東洋医学、鍼灸医学の中では切っても切り離せないものです。

どういうことかと言いますと、

鍼灸医学の理論を体系化するために用いた方法論が陰陽五行論なのです。

そして鍼灸の臨床で運用し、実際に治療効果をあげるうえで、

これ以上に優れた方法論はまだ生みだされていません。

それは、鍼灸の理論が形成されるための思想的な背景が、この陰陽五行論だったからです。

簡単に言いますと、

鍼灸の理論は陰陽五行論によって育てあげられてきたということです。

そして陰陽五行論は昔、「陰陽論」「五行論」に分かれていました。

陰陽論とは日が当たるか当たらないかということから発生してきた考え方です。

漢字でわかると思いますが、日が当たるのが「陽」であり、日が当たらないのが「陰」です。

陰と陽は相互に対立し、また相互に関連する事物の属性を代表しています。

一般的には、積極的に動くもの、外向的、上昇的、温熱的、明瞭なものなどはすべて陽に属します。

他方、相対的に静止したもの、内向的、下降的、寒冷的、あるいは暗いものなどはみんな陰に属します。

 

事物の陰陽属性は絶対的なものではなく、「相対的」なものです。

このような相対性は一定の条件下で相互に転化します。

陰は転化して陽になることがあるし、陽もまた、転化して陰になることがあります。

次回は「陰陽五行論②」をご紹介していきます。

どうぞ宜しくお願いします。

「東洋医学⑭」

2019.09.03

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

今回は『鍼灸治療』のうち、『灸治療』の効果や特性についてご紹介していきます。

『灸治療』は『鍼治療』と同様、身体に刺激を与えることで

恒常性維持機能(ホメオスターシス)

の反応を導き出し、病気の治療や予防を行います。

「鍼治療」が鍼によって機械的刺激を与えるのに対し

「灸治療」はもぐさによる温熱的刺激によって局所を温め

循環を改善することで効果を得ます。

 

 

「灸治療」に使用するもぐさはヨモギの葉から作られます。

ヨモギは殺菌・消炎・保湿効果に優れ

古くから止血用の薬草としても用いられてきました。
そのヨモギの葉の裏にある毛茸と腺毛がもぐさの主成分で

燃焼した際の独特の香りは腺毛に含まれる精油成分「チネオール」によるものです。

 

「灸治療」には直接灸間接灸の2種類があります。

直接灸は有痕灸とも呼ばれ、整体に強い温熱的刺激を与え

それに伴って生じる生体反応を治療に利用します。

間接灸はもぐさと肌の間に台座などを置き

心地よい温熱刺激で効果的な生体反応を与えます。

輻射熱による温熱刺激なので灸痕が残らないため扱いやすく、一般向けにも販売されています。

 

『灸治療』の効果は大きく分けて以下の3つに分けられます。

「増血作用」
赤血球・血色素料を増やし、血流を改善する

「止血作用」
血小板の働きを良くして血液凝固時間を短縮し、治療を促進する

「免疫作用」
心機能を亢進させたり、血管の収縮力を増強する

 

また、冷えを伴う症状にも効果があるなど、上記の効果以外にも様々な効果があります。

『灸治療』については、セドナ整骨院のHPの「一般施術」の「鍼灸治療」のページでも詳しくご紹介しておりますので、そちらも是非ご覧ください。

「東洋医学⑫」

2019.08.01

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回まで『経穴(ツボ)』について

そして日常に取り入れやすいツボ押しついてご紹介してきました。

今回からは『経穴(ツボ)』のプロフェッショナルな活用

『鍼灸治療』についてご紹介していきます。

 

『鍼灸治療』の治療効果は日本、中国、韓国などのアジアだけでなく欧米などでも採用されています。

WHO(世界保健機関)

神経系疾患(神経痛、脳卒中後遺症、自律神経失調症、ノイローゼなど)

運動器系疾患(関節炎、リウマチ、頚肩腕症候群、五十肩、腱鞘炎など)

循環器系疾患、消化器系疾患、代謝内分泌系疾患

など多くの疾患への有用性を認めています。

また近年では、NHI(米国国立衛生研究所)が病気に対する

鍼灸療法の効果と、その科学的根拠、西洋医学の代替療法としての有効性を正式に認めています。

 

 

『鍼灸治療』のうち、『鍼治療』は非常に細い金属の鍼を使って

治療を行うことで『鍼術』とも言います。

人間の身体は刺激を与えるとその部位を守ろうとしたり

逆に興奮状態にあるものを鎮静化する性質があります。

これを「恒常性維持機能(ホメオスターシス)」と言います。

鍼治療は、そうした身体の反応を利用し

体の表面に刺激を与え、病気の治療や予防を行います。

特に前回までにご紹介してきた『経穴(ツボ)』から『経絡』を刺激し

その経絡に関係する臓腑や気・血・津液の変調を調整して

正常な状態に戻す治療法は、まさに東洋医学独特のものです。

元々は経験療法から始まったとされていますが

その後陰陽論や五行論、気・血・津液などの思想が加味され、体系化されてきました。

次回は『鍼治療』の効果や特性についてご紹介いたします。

東洋医学 ⑪

2019.07.19

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

 

前々回から『今の時期、これからの時期にオススメのツボ』

をご紹介しています。

今回は今の時期の「頭痛」について、そしてオススメのツボをご紹介いたします。

 

梅雨の時期になると頭痛がある

頭が重いなどの症状に悩まされることがあります。

 

この時期の頭痛は湿気や気圧の変化が原因となって引き起こされますが

さらに2種類に分けることができます。

まずはそれぞれの頭痛について解説します。

 

「緊張性頭痛」

1つめは肩や首などの筋肉に緊張が広がった場合です。

筋肉の血流が悪化し筋肉の動きが悪くなっていることが原因です。

 

また、アルコールの飲み過ぎ等で肝臓が疲弊している時に

悪化しやすいとも言われています。

肩周りの筋肉が腫れたように硬くなっていたり

その症状が首から背中にかけて連なることもあります。

 

「筋筋膜性頭痛」

2つ目は、血が筋膜に入った場合です。

筋膜とは筋肉を包む膜のことで、腕や足など体全体に張り巡らされていますが

この筋膜付近で血流が悪くなると、ネバネバした水分が筋膜に溜り

筋肉の動きに引っかかりが生じ、筋肉同士がギシギシ擦れてしまう状態になってしまいます。

 

それによって頭痛が引き起こされるとされています。

女性で生理の際に頭痛が出るという方はこの筋筋膜性頭痛に該当します。

 

この時期の頭痛にオススメのツボは『手三里』と『風池』です。

 

「手三里(てさんり)」

頭痛やだるさ、やる気が起きない、悩みやすいなど精神的な症状にもおすすめです。

消化不良などの胃腸の働きをととのえる効果もあります。

ヒジを曲げた時にできるシワに人さし指をおき、指幅3本。

くすり指があたっているところが手三里です。

 

 

「風池(ふうち)」

頭痛や目、耳、鼻、の不調に効果があるツボです。

その他にも熱の上がり始めや咳が出る等の風邪の症状にもオススメです。

首の後ろの左右のスジに指をおき、指をすり上げていき、髪の生え際辺りの左右外側の窪みのあるところです。

手の力だけで押すのではなく少し頭を後ろに傾けて自重でゆっくり圧をかけます。

また指圧だけでなく天柱等と一緒に温めるのも効果的です。

 

正しいツボの取り方&実践編として、是非ご自身の生活に取り入れてみてください。

東洋医学 ⑩

2019.07.01

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前々回は『経穴』の取り方のコツについて詳しくご紹介し
前回は『今の時期、これからの時期にオススメのツボ』として
梅雨時期のむくみにオススメのツボをご紹介しました。

今回も同様に今の時期にオススメのツボをご紹介いたします。

正しいツボの取り方&実践編として
是非ご自身の生活に取り入れてみてください。


前回も申し上げたように、梅雨の時期は不幸を感じる方が非常に多い季節です。
その中でも不調を感じる方が多い部位が『胃腸』です。

 

古くから「過剰な湿気は胃腸を弱らせる」と言われています。

 

ただでさえ四方を海に囲まれている日本では余剰な湿気にさらされやすく
雨が多い梅雨には過剰な湿度が続く為多くの方に症状が出てしまうのです。

さらに胃腸の不調が長く続いてしまうと、以下のような症状を引き起こすこともあります。

・胃痛・腹痛  ・下痢   ・むくみ
・冷え     ・肌荒れ  ・食後の眠気
・腸鳴     ・口臭   ・疲労倦怠

 

 

この時期の胃腸の不調にオススメのツボは『足三里』と『中脘』です。

 

「足三里(あしさんり)」
胃腸の症状、足の疲れ・浮腫み、膝の痛みだけでなく
病気予防や体力増強にもおススメの万能養生のツボです。

足の外側、ひざの下のくぼみから指4本分下に位置します。
親指か中指をツボにあて、多少痛みを感じる程度の強さで押してもみます。
両足のツボ1回6秒、繰り返して10回ずつを目安に刺激をすると効果的です。

 

 

「中脘(ちゅうかん)」
呼吸を深くして胃腸の働きを高めてくれるツボです。
消化器の不調・浮腫み、咳・痰、動悸・息切れ
不眠、健康維持におすすめのツボです。

おへそに小指をあてて、親指までの指幅5本分上に位置します。
親指があたっているところにへこみがありますので
優しい強さでゆっくり刺激します。

 

 

次回も『今の時期、これからの時期にオススメのツボ』をご紹介いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

東洋医学 ⑨  〜むくみのツボ〜

2019.06.25

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前回は『経穴』の取り方のコツについて詳しくご紹介しました。
そこで、今回からは『今の時期、これからの時期にオススメのツボ』をいくつかご紹介いたします。
正しいツボの取り方&実践編として、是非ご自身の生活に取り入れてみてください。

 

 

今年も梅雨の時期になりました。
毎年のこととはいえ、この時期
「何となく体の調子が悪い」
と感じる方は非常に多いです。

今年関東圏が梅雨入りしたのは6月8日でしたが
梅雨明け予想は、、、なんと7月21日!!

 

約1ヶ月半も梅雨が続くと予想されており
まだ半分ほども雨の多い時期が残っています。
そんな梅雨の時期を少しでも快適に過ごせるようなツボをご紹介いたします。

 

そもそも、梅雨シーズンに起きる「むくみ」の原因は、なんなのでしょうか?
この時期の空気は、他の季節よりも湿気を多く含みます。

私たちの身体はほとんどが水分でできており、
通常、体温と共に水分のバランスを保ちながら生きています。

ところが、天候や気圧が不安定になるこの時期は
自律神経のバランスが乱れ、体温調節にも影響が出ることがあります。

 

それに加えて、洗濯ものがカラっと乾かず湿っぽい状態が続くように
熱を下げるためにかいた汗がなかなか蒸発せず、スムーズな発汗の妨げになることもあるのです。

結果、体内の水分排出がうまくいかなくなり
身体の中に水分を溜め込んで「むくみ」を引き起すのです。

 

そんなむくみにオススメのツボは『湧泉』『天窓』です。

「湧泉(ゆうせん)」
腎臓と膀胱の機能を高め排尿がスムーズになり
むくみを解消してくれる特効ツボです。
足の裏の中央よりやや上、足の指を曲げた時、へこむところに位置します。
両手の親指を重ねて「湧泉」にあてて押しもみます。
床に座って脚を伸ばし、片方の足の「湧泉」を両手の中指で押さえながら
ひざの曲げ伸ばしを行うと、さらに効果がアップします。

「天窓(てんそう)」
首筋の胸鎖乳突筋の後ろに位置するツボ。
顔や頭部の血行をよくして顔のむくみを改善します。
耳の後ろの骨からまっすぐ下におろした線と、喉仏の線が交わるところにあります。
中指の腹を「天窓」にあて、気持ちいいと感じる強さで押しもみます。
筋肉を持ち上げるようなつもりで行うと効果的です。

 

ツボ押しで体内の余分な水分の排出を促して
すっきりした身体で梅雨を乗り切りましょう!

 

次回も『今の時期、これからの時期にオススメのツボ』をご紹介いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

東洋医学⑧

2019.06.15

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前々回と前回で鍼灸治療をするうえで欠かせない、
『経絡と経穴』についてご紹介いたしました。
ご自宅のセルフケアでも『経穴=ツボ』を活用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に、特別な道具も要らず、いつでもどこでもできるツボ押しは

雑誌等を始め様々なメディアでも紹介されている健康法の一つです。

ですが、実際には「ツボの上手な取り方がよくわからない」という方は多いように見受けられます。
そこで、今回は『経穴』の取り方のコツについて詳しくご紹介していきます。

例えば「足三里は足の疲れ、むくみ、胃腸の症状、膝の痛みにも万能養生のツボです。

ツボのとり方はひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき

指幅4本そろえて小指があたっているところです。」

と、いうようにツボの名称と効果と一緒にツボの取り方も書いてあるモノを多く見かけます。

実際、言われた通りにやってみても正しいかどうか

指〇本分って自分の指で計って本当に良いのか、疑問に感じたことはありませんか?

ツボというのは、場所がしっかり決まっていて

「目印の場所から目印の場所に向かって○寸」というように定義されています。

つまり、1つのツボを誰がとっても同じ場所になるようになっているのです。

ツボの取り方には大きくわけて「骨度法」と「同身寸法」という2通りの取り方があります。

「骨度法」
身体の長さや大きさには個人差があるため

同じように1寸を計っても身体の部位を中心に見ると人によってはどうしても誤差が出てしまいます。

その為に身体の決めた場所からある場所までの長さの単位を決めて

それを分割して尺と寸を定めるようにした方法を骨度法といいます。

身体の長さを骨度法であらわすと…

①胸骨の下からおへそまでを8寸
②おへそから恥骨までを5寸
③肩峰の外側から肘までを1尺
④肘から手首までを1尺
⑤手の長さ8寸半
⑥大転子からひざまで1尺9寸
⑦膝から足のくるぶしまで1尺6寸

というような形になっています。

 

「同身寸法」
骨度法では一人一人の長さを計って当てはめる方法なので1番正確なのですが

なかなか大変であるため、簡単に計るための方法として

身体の部分の長さを尺度として使う方法を同身寸法といいます。

①男性は左手、女性は右手を使い、手の親指の1番目の関節のところの横幅=1寸
②手の人差し指、中指、薬指の1番目の関節のところをあわせた横幅=2寸
③手の人差し指から小指までの2番目の関節のところをあわせた横幅=3寸

というような形になります。

また、ツボを紹介する場合は「ヒジと同じ高さで背骨の両脇やや外側を親指で押して気持ちよく感じるところ」

のように記載されているものもあります。

ご自身のお身体のリラックスの為にもあまり難しく考えすぎず

「気持ちよく感じるところを気持ちいいと感じる強さで」刺激するのがベストかもしれません

お気軽且つお手軽にできるツボ押し健康法を是非ご自身の体調や

ライフスタイルに合わせて取り入れてみてください。

お薦めのツボは各院の先生に訊いてみてくださいね!

東洋医学⑦

2019.06.04

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回から鍼灸治療をするうえで欠かせない、

『経絡と経穴』についてご紹介しています。

今回はその中の『経穴』について詳しくご紹介していきます。

 

『経穴』は前回ご紹介した『経絡』の要所に存在しています。

書物などによって多少の差はありますが

人体の全身に360個程あり、経穴・奇穴・新穴に分類されます。

 

経穴は、もとは中国の中医学に由来し経験的な知見により見出されたものです。

重要な神経・血管・筋走行上に位置したり、体性や内臓反射等で医学的関連があり

現在ではWHOにおいても治療効果が認められています。

 

 

更にその中で特定の病気の治療点としてよく使われる経穴を『要穴』と言います。

鍼灸では、この『経穴』特に『要穴』を刺激することにより病気を治療したり、予防する効果を促します。

 

もう少し細かく説明しますと、鍼やお灸により経絡内の気や血、津液の流れが滞っている部分に刺激を加えることでそれらの流れを改善することができる為、治療や予防に効果を発するのです。

 

人体は病気や未病になると気・血・津液の不調和や臓腑の陰陽の不調和が起こり

虚実の証が現れますが、これらも経穴を切診(触診)することで把握できます。

前回の経絡同様、全身の経穴は体内の様々な問題や不調が表出する部位であると同時に

その御蔭で効果が上がりやすい治療を行うこともできる部位でもあるのです。

 

経穴は一般に『ツボ』とも呼ばれ、専門家による鍼灸治療だけで出なく

セルフケアのお灸やツボ押しなどにも活用することができます。

特に、特別な道具も要らず、いつでもどこでもできるツボ押しは

雑誌等を始め様々なメディアでも紹介されている健康法の一つです。

ですが、実際には「ツボの上手な取り方がよくわからない」という方は多いのではないでしょうか?

 

次回は『経穴』の取り方のコツやセルフケアでのツボ押しのコツについてご紹介いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

東洋医学⑤ 経絡と経穴について

2019.05.25

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回まで『気・血・津液』についてご紹介いたしました。

今回からは鍼灸治療をするうえで欠かせない

『経絡と経穴』についてご紹介していきます。

 

『経絡』は「気・血・津液」の通り道の総称と位置付けられています。

経絡の『経』は『経脈』のことで、縦糸を意味していて

経絡も身体を縦に走っています。

 

経脈には「正経十二経脈」と「十二経別」「奇経八脈」があり

「正経十二経脈」と「奇経八脈」の督脈、任脈は固有の『経穴』を持っています。

経絡の『絡』は纏う、繋がるなどを意味していて、経脈と経脈と結んでいるものを『絡脈』と呼びます。

 

 

 

『経絡』は五臓六腑のような身体の内側と

体幹や四肢などの身体の外側を結んでいます。

 

「気・血・津液」は経絡を通って臓腑・組織・筋肉・皮膚などを

循環して身体の内側全体に栄養を与え、それぞれの機能を調節しています。

また、各臓腑の気も経絡を通って循環しているので

臓腑に不調がある時にはその反応が経絡上に現れやすくなっています。

 

経絡は、経絡上にある臓腑や皮膚・筋肉・骨などに

気・血・津液を巡らせ、健全な生理活動を維持します。

また、防衛作用のある衛気が絡脈に集まることで

外邪の侵入を防ぐ働きもあります。

 

しかし、外邪が体内に侵入してしまうと

外邪も経絡を通って身体の奥深くまで侵入します。

その為、一つの臓腑が病気にかかると、経絡で繋がっている

他の臓腑も病気になりやすくなってしまいます。

 

一方、経絡の御蔭で病状に応じた治療を施しやすいという側面もあります。

経絡は体の表面ともつながっているため

臓腑に異常があると経絡を通じて体表部に異常が現れます。

その体表面の異変から、経絡で繋がっている臓腑の変調を推測し

経絡や経絡上の経穴を用いて治療を行うことができるのです。

 

 

次回は『経穴』についてご紹介いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

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