ホーム > Blog記事一覧 > 自律神経の記事一覧

鍼灸と期外収縮②

2025.03.14

こんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です。
今回は「期外収縮と鍼灸の関わり」についてお話させていただきます。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。

前回、期外収縮の概要についてお話しさせていただき、その中で注意すべき期外収縮とそうでないもの、また原因についてもご紹介しましたが、原因の1つとして「精神的なストレスや疲れ」があげられていたことを覚えていますでしょうか?
鍼灸治療において最も注目すべき効果として、この「精神的なストレスや疲れ」にアプローチすることが出来るのです。
鍼灸治療は、自律神経の調整や血流の改善、炎症の抑制などを通じてさまざまな疾患の管理に役立つと考えられています。近年、心血管疾患に対する補完代替医療としての可能性が注目されており、期外収縮に対する効果についても研究が進められています。
一体鍼灸が体にどのような影響を与えて、期外収縮に効果をもたらすのか見ていきましょう。

◎東洋医学的観点から見た期外収縮
前回お話しさせていただいたように西洋医学では、期外収縮は心臓の異常な電気信号によって引き起こされる不整脈の一種とされ、自律神経のバランスや電解質異常、心血管疾患、ストレスなどが発生要因とされています。
一方、東洋医学では、期外収縮のような不整脈を「結脈」「代脈」という呼び方をします。この2つの呼び方の違いは以下の通りです。
結脈 ゆるやかな脈で、時々止まる。主に陰寒や積滞内阻による。不正脈。
代脈 ゆるやかで時々止まるのは結脈と同じだが、止まるのに定まった規則性がある。臓気の衰退。
東洋医学では気や血の不足や滞り、陰陽のバランスの乱れが主な原因であると考えられます。心臓の働きは「心(しん)」という概念に基づき、全身の血流を管理する役割を持つとされています。「心」の機能が正常であれば血液はスムーズに流れますが、気血の不足や停滞、陰陽のバランスの崩れによって心拍が乱れ、期外収縮のような不整脈が生じると考えられます。
具体的な例を見てみましょう。

・気虚・血虚(心気虚、心血虚)
心気(しんき)は心臓を動かすエネルギー、心血(しんけつ)は心臓の働きを維持する栄養源とされ、これらが不足すると心臓の活動が不安定になり、不整脈が起こりやすくなります。
主な症状:疲労感、息切れ、めまい、不眠、顔色の蒼白、冷え性

・瘀血(おけつ)
血流の停滞があると、心臓への血流供給が悪化し、不整脈が発生しやすくなります。特に、動悸や胸の圧迫感を伴う場合、瘀血の影響が考えられます。
主な症状:胸の圧迫感、刺すような痛み、舌の色が暗紫色、顔色のくすみ

・気滞(きたい)
ストレスや精神的な負担が続くと、気の巡りが滞り、自律神経の乱れを引き起こして期外収縮が生じることがあります。
主な症状:ため息が多い、胸の張り感、不安感、イライラ、便秘や腹部の張り

・陰虚(いんきょ)
体内の陰液(血や津液)が不足すると、心火(しんか)が過剰になり、不整脈が発生しやすくなります。特に、夜間に期外収縮が悪化する場合は、陰虚の影響が考えられます。
主な症状:寝汗、口の渇き、ほてり、不眠、動悸、舌の色が紅い


◎鍼灸治療による効果
東洋医学的観点から見た期外収縮についてお話しさせて頂いたところで、次に鍼灸治療が体に与える効果についてご紹介していきます。

・自律神経の調整
期外収縮の発生には、自律神経のバランスが深く関与しています。自律神経は交感神経と副交感神経の2系統に分かれており、簡潔に役割を説明すると交感神経は戦闘モード、副交感神経は休憩モードといったようにそれぞれ担当しています。また交感神経はストレスを感じた際にも作動し、交感神経が優位になると心筋の興奮性が高まり、不整脈が生じやすくなります。
そのため鍼灸は副交感神経を優位にすることで自律神経のバランスを整え、心拍の安定化、またストレスに対する反応に作用するとされています。とある研究では心拍変動(HRV)を改善し、心拍の乱れを抑制する効果があるとの報告もされています。

・炎症の抑制
一説では慢性的な炎症や酸化ストレスが心筋の異常な興奮に関与していると考えられています。研究によると、鍼灸は炎症マーカーであるC反応性タンパク(CRP)やインターロイキン-6(IL-6)の低下に作用し、不整脈の発生を抑える可能性が示唆されています。

・血流の改善
鍼灸は血流を改善し、心筋への酸素供給を安定させることで不整脈を防ぐ効果が期待されます。
鍼灸治療のメカニズムについては当HPの右側の欄の「一般施術」→「鍼灸治療」から詳しい説明を見ることができますのでご興味がございましたら是非ご覧ください!


今回は「期外収縮と鍼灸の関わり」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は「期外収縮に対する鍼灸治療における臨床研究」についてお話させていただきます!
最後までお付き合いいただけますと幸いです。


セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

鍼灸とIBS(過敏性腸症候群)④

2025.01.27

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「IBS(過敏性腸症候群)に対する鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」「セルフケア」についてお話させて頂きます。また、最後に今月更新分のブログに用いた参考文献を記載しますのでご参考までに。
 
◎使用される経穴
前回はIBSに対する鍼灸治療の臨床研究についてお話させていただきましたので、その中で出てきた経穴、またそのほか消化器系に作用する経穴の場所と作用についてご紹介していきます。

・足三里(あしさんり)
位置: 膝の下にある外側の窪みから指4本下、脛骨の外側
効果: かの有名な伊能忠敬さんもお灸を据えていたと言われている胃腸機能を整える代表的な経穴で、胃腸の働きを整え腹部膨満感を軽減します。

・合谷(ごうこく)
位置: 手の甲、親指と人差し指の骨が交わるところ
効果: 自律神経の働きを整える際に用いられる代表的な経穴です。それに伴い消化器の症状やストレスを緩和する効果が期待できます。

・太衝(たいしょう)
位置: 足の甲、第1趾(親指)と第2趾(人差し指)の間のくぼみ
効果: 血流の改善、筋肉の緊張やストレスの緩和、肝(ストレスからの影響を最も受けやすい五臓六腑)の気を調整し、全身のエネルギーの巡りをよくする。

・内関(ないかん)
位置: 手首の中央から指3本分上(肘側)
効果: ストレスや不安を和らげ、消化器の症状の緩和や自律神経を調整する作用があります。それに伴い睡眠の質の向上も期待できます。

・百会(ひゃくえ)
位置: 頭のてっぺん、両耳を結んだ線と正中線の交点
効果: 副交感神経を活性化し、自律神経のバランスを整える効果があります。精神を落ち着かせる作用に加え、血流促進による全身の代謝機能向上が期待されます。

・天枢(てんすう)
位置: 臍から指3本外側(左右)
効果: 消化機能の調整に使われる代表的な経穴です。

・公孫(こうそん)
位置: 足の親指の付け根のふくらみから指で骨をなぞっていき、指が止まる部分(凹んだ部分)
効果: 胃腸機能の改善や腹痛の緩和が期待できます。

・上巨虚(じょうこきょ)
位置: 足三里から指4本分下
効果: 消化機能の調整、自律神経のバランス改善、腸の運動機能の正常化が期待できます。

・神門(しんもん)
位置: 手首にあるしわを指で小指側に軽くなでていき骨(豆状骨)の出っ張りの手前で指が止まる部分
効果: 不眠やイライラなど心の安定やストレス緩和に使われる代表的な経穴です。

・関元(かんげん)
位置: 臍から指4本下
効果: 下腹部の気血を整え、内臓機能を改善する効果や、自律神経のバランスを整え、ストレス緩和が期待できます。
 
・中脘(ちゅうかん)
位置: 臍から指4本上
効果: 「胃の中央」という意味からこの名前が付けられた経穴で、腸の運動や消化吸収を調整する効果が期待できます。
 
 ・腎兪(じんゆ)
位置: 第2腰椎から指2本外側
効果: 全身のエネルギーの流れを整える際に使われる経穴です。腰痛にも効果◎

・脾兪(ひゆ)
位置: 第11胸椎と第12胸椎の間の高さから指2本外側
効果: 内臓機能の改善に使われる代表的な経穴です。腰痛にも効果◎

・壇中(だんちゅう)
位置: 胸の中心、乳頭を結んだ線の中央
効果: 心臓のちょうど前面にあたる経穴です。呼吸を整え心を落ち着ける作用があり、ストレス緩和にも効果的です。

・三陰交(さんいんこう)
位置: 足首の内側、内くるぶしから指4本上
効果: 下肢の血流改善効果が期待でき、冷えなどの刺激から起こる消化器症状の予防に役立ちます。

 
◎セルフケア
次に食養生の観点からセルフケアについてお話させていただきます。

・スパイス
冷え性を伴う便秘や停滞腸に効果的な作用を持つ、体を温めてくれるスパイスや、胃腸の働きを高めてくれる作用を持つものをご紹介していきます。

ジンジャー、ペパーミント、シナモン、ターメリック、クローブ、コリアンダー、ローリエ、サフラン など

※症状悪化の原因となる場合がありますので適量の摂取を心掛け、決して過剰摂取にならないようご注意ください

 

・消化の良い食物
脂っぽいものや過度に食物繊維の多いもの、人工甘味料が多量に使われたもの、蕎麦やコーヒーなど、身体に悪影響を及ぼす食物は想像に容易いですが、その逆はなかなか想像しにくい方が多いのではないでしょうか?一例として以下に消化の良い食物をあげていきます。体質などにより個人差があるため、あくまで参考としてご活用ください。自分に合った食生活を見つける一助となれましたら幸いです。

植物油、脂肪分の少ない魚(かれい、たら、たい、ひらめ、すずきなど)、脂肪分の少ない肉(ソーセージなどの加工肉を除くヒレ肉類、鶏肉など)、白身魚、煮野菜(かぶ、にんじん、大根、カリフラワー、キャベツ、ほうれん草など)、白湯、麦茶、みそ汁やスープ(海藻類は避け、消化に良い具を使いましょう)、たまご、やまいも、きな粉 など

 


 
◎参考文献
Liu, X., et al. (2018). Effects of acupuncture on blood glucose in type 2 diabetes mellitus patients: A randomized controlled trial. Journal of Diabetes Research.
Sun, Y., et al. (2019). Acupuncture for diabetic peripheral neuropathy: A clinical study. Pain Medicine.
Zhao, L., et al. (2021). Systematic review and meta-analysis of acupuncture for diabetes. Complementary Therapies in Medicine.
Kim, T. H., et al. (2020). “Acupuncture for the treatment of diabetes mellitus: A systematic review and meta-analysis.”
Diabetes Research and Clinical Practice, 159, 107982. Cho, W. C., & Chen, H. Y. (2009). “Clinical efficacy of acupuncture on diabetes mellitus: A meta-analysis.”
Journal of Acupuncture and Meridian Studies, 2(4), 263–265.
Lee, M. S., et al. (2009). “Acupuncture for treating peripheral diabetic neuropathy: A systematic review.”
The Clinical Journal of Pain, 25(5), 431–437. International Diabetes Federation (2021). IDF Diabetes Atlas (10th Edition).
中国中医科学院. (2015). 鍼灸学概論. 北京科学技術出版社.
日本糖尿病学会
厚生労働省
国際糖尿病連合(IDF)
アメリカ糖尿病学会(ADA)
日本医師会「生活習慣病予防と糖尿病」 日本糖尿病学会編『糖尿病治療ガイドライン 2023』(文光堂)
WHO(世界保健機関)
Standards of Medical Care in Diabetes – 2024.Diabetes Care. 国立研究開発法人国立国際医療研究センター『糖尿病の基礎知識』
松生恒夫『「腸ストレス」を取り去る習慣』
 

 
◎最後に
鍼灸治療は補完療法として非常に有望な選択肢ですが、個々の患者に合わせた適切な診断と施術が求められます。また、鍼灸治療は現段階ではあくまで補助療法的な位置づけにあり、薬物療法や食事療法と組み合わせて活用することが重要です(重症度があがれば上がる程、これに該当します)
専門家との連携を取りながら、西洋医学と東洋医学を融合させより効果的な治療を目指していきましょう。
 
 

今週も読んで下さりありがとうございました。 今回は「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」「参考文献」「セルフケア」についてお話させて頂きました。
IBS(過敏性腸症候群)についてのシリーズは一度ここで区切りとなりますが、今月のブログはいかがでしたでしょうか?
もしここについて掘り下げて欲しい等ご要望があれば是非お聞かせください!
来月からはまた新しい題材でブログを更新していきますので、お読みいただけますと幸いです。

今週も読んで下さりありがとうございました。

 

セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院 佐々木

鍼灸とIBS(過敏性腸症候群)③

2025.01.24

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「IBS(過敏性腸症候群)に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー」についてお話させていただきます。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。

 

◎ IBS(過敏性腸症候群)に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー

IBSの治療は薬物療法や生活指導を中心として行われますが、近年、補完医療として鍼灸治療が注目されています。
以前のブログで過敏性腸症候群(IBS)は、便通異常(下痢、便秘、あるいはその両方)を主な症状とした腹痛や腹部不快感を伴う慢性的な消化管疾患であること、脳と腸の密接な関係、またそれに伴って身体的な側面のみならず、精神的な側面にも影響を及ぼすことについてお話させて頂きました。
今回は自律神経系、また内分泌系への鍼灸の作用に焦点を当て、IBSに対するそれぞれの臨床研究をみていきましょう。
まず前置きとして用語について解説しておきます。

・試験方法について

鍼灸の効果を評価する為にランダム化比較試験(RCT)や準ランダム化比較試験(CCT)などの試験方法を用いた研究が広く世界で実施されています。
ランダム化比較試験(RCT)・準ランダム化比較試験(CCT)とは、個人の背景因子の偏り(交絡因子)をできるだけ小さくし、ある試験的操作を行うこと以外は公平になるように対象の集団を無作為に複数の群に分け、その試験的操作の影響と効果を測定し、明らかにするための比較研究です。薬物や治療法を適正に評価するための方法として、よく採用される試験方法です。

・メタアナリシスとは

メタアナリシス研究とは、前述したランダム化比較試験(RCT)など複数の原著論文のデータを定量的に結合させる統計学的研究手法です。ひとつひとつの研究の結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価をすることができます。

 

◎IBSに対する鍼灸治療の臨床研究

研究例1:Wang et al.(2020年)の研究では、IBS患者120名を対象に、鍼治療が症状改善に及ぼす影響を調査しました。この研究では以下のようなグループ分けと施術が行われました。

治療群:
主要な経穴(天枢、大腸兪、足三里など)を対象に週3回、計8週間の鍼治療を実施。

対照群:
偽鍼(皮膚に針を刺さない治療)を使用。

治療終了後、治療群ではIBS症状重症度スコア(IBS-SSS)による腹痛スコアや主観的な生活の質(QOL)が大幅に改善し、症状の再発率も低下しました。一方、対照群では有意な変化が見られませんでした。この結果から、鍼治療はIBS症状の緩和に有効である可能性が示唆されました。


研究例2:Zhao et al.(2019年)は、鍼灸がIBS患者の自律神経機能に与える影響を研究しました。IBSは脳腸相関の乱れが発症の一因とされており、自律神経系へのアプローチが重要視されています。研究では、特定の経穴(内関、足三里、関元)への鍼刺激が迷走神経を活性化し、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、腹痛や不安感が軽減されることが確認されました。

 

◎システマティックレビューとメタアナリシス

複数の臨床研究を統合的に分析したレビューやメタアナリシスも進められています。
Sun et al.(2021年)は、IBS患者を対象とした15件のRCTを分析し、以下の結果を報告しました。
主要な成果:
鍼灸治療を受けた群では、腹痛や便通異常の改善が対照群と比較して有意に高いことが確認されました。また、患者のQOLスコアも向上しました。
限界点:
偽鍼を用いた研究の不足やサンプルサイズのばらつきが、エビデンスの強度を制限する要因とされました。

・鍼灸がIBSに与える長期的効果
Lin et al.(2022年)のレビューでは、鍼灸の治療効果が短期的な症状緩和に留まらず、継続的な施術により症状の再発率が低下する可能性が示唆されています。特に、副腎皮質ホルモンやセロトニンの調節作用がIBSの慢性症状改善に寄与するメカニズムとして挙げられています。

 

◎鍼灸の生理学的メカニズム

鍼灸がIBS症状を改善する可能性があるメカニズムは、以下のように考えられています。


・脳腸相関の調整
鍼灸を用いた施術によって迷走神経や中枢神経系を刺激することで、腸管運動を正常化し、腸内環境の安定化を図ります。


・抗炎症作用
IBSでは腸粘膜の軽度な炎症が観察されることがあり、鍼灸が炎症性サイトカイン(例:IL-6やTNF-αなど)の産生を抑制することで、炎症を軽減する効果が期待されています。


・心理的ストレスの軽減
IBSはストレスが引き金となることが多く、鍼灸によるリラクゼーション効果がストレスホルモン(コルチゾール)の低下をもたらすことで、症状の緩和が図られると考えられています。

 

IBSに対する鍼灸治療は、症状緩和やQOLの向上に有効であることが臨床研究やレビューから示されています。特に、自律神経系への作用や抗炎症効果、心理的ストレスの軽減といった多面的な効果が注目されています。しかし、研究デザインや標準化の課題が残されており、今後のさらなる研究が期待されます。IBS患者の治療選択肢を広げるために、鍼灸が補完医療の一つとして確立される日が近づくことを願っています。

また、鍼灸治療は現段階ではあくまで補助療法的な位置づけにあり、薬物療法や食事療法と組み合わせて活用することが重要です。(重症度があがれば上がる程、これに該当します)

専門家との連携を取りながら、西洋医学と東洋医学を融合させより効果的な治療を目指していきましょう。


 

今週もお読み下さりありがとうございました。 今回は「IBS(過敏性腸症候群)に対する鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
鍼灸は肩こりや腰痛など、筋肉に対してのアプローチが得意だというイメージをお持ちの方は今回の内容を少し意外に感じられたのではないでしょうか。鍼灸が得意とする自律神経へのアプローチは、刺激を介して内臓、ホルモン系へ作用することが出来ます。こちらを踏まえ、次回は「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」に関してお話させて頂きます。セルフケアについても触れていきますので、診断までとはいかずとも消化器系のお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。

 

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

鍼灸とIBS(過敏性腸症候群)②

2025.01.17

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「IBS(過敏性腸症候群)と心の繋がり脳腸相関」についてお話させていただきます。
前回の内容を踏まえ、中でも原因の一つであるストレスと脳腸相関の関係について掘り下げていきますので、もし前回の内容をお読みになっていない方は是非ご覧になってからこちらをお読みください。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。


◎ IBS(過敏性腸症候群)と心の繋がり、脳腸相関
IBSにおいて特に注目すべき点は、IBSが心と体の両方に影響を及ぼす疾患であるということです。これを理解するために、脳と腸がどのように関わり合っているのかを今回はお話していきます。
前置きとして前回の内容を引用させて頂きますが特に症状による精神面への影響は計り知れません。
IBSは、身体的な不快感だけでなく、「また症状が出るのではないか」という不安が常に心の中に蔓延り、生活の質(QOL)を招いてしまいます。これにより、以下のような影響が見られます。
・社会活動や外出への恐怖感
・仕事や学業への集中力の低下
・抑うつや不安障害の併発
これらの心理的要因がさらに症状を悪化させ、症状に対するストレスが更に症状の悪化を引き起こすという悪循環が生まれてしまいます。
症状改善の為には多面的なアプローチと包括的なケアが必要とされます。腸の過敏性の改善を目指した治療が主流ですが、心理的なサポートや腸内環境を整えることも欠かせません。


・脳腸相関
前述の通りIBSは患者へ大きなストレスを与えます。そしてそのストレスは脳、そして体全体にも影響を及ぼしているのです。
脳と腸は深い関係にあり、腸は「第二の脳」と呼ばれることがあります。実際、腸には「腸管神経系(ENS: Enteric Nervous System)」という独自の神経ネットワークが存在し、脳と密接に連絡を取り合い、情報共有を行っています。このつながりは「脳腸相関」と呼ばれ、腸が単なる消化器官以上の役割を果たしていることを示しています。
たとえば、ストレスを感じたときにお腹が痛くなったり、緊張でトイレが近くなったりするのは、脳腸相関の一例です。これは脳が自律神経を介して腸にストレスを受けたという刺激を伝えるからです。逆に、腸に病原菌が感染すると、脳で不安感が増すとの報告もあるそうです。
IBSでは、この脳腸相関のバランスやその仲介役となっている自律神経のバランスが崩れることで、症状が引き起こされると考えられています。そしてこれらのバランスを崩してしまう大きな原因の一つとして ストレス があげられます。ストレスが及ぼす脳への悪影響の一例として、ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌や幸せホルモン(セロトニン等)の分泌低下があげられます。特に幸せホルモンの分泌低下は精神面への影響が大きく、気分の落ち込みや何かしようとする意欲の低下、自己肯定感の低下などがあげられます。
セロトニン不足への対応策としては
・栄養バランスの良い食事
・セロトニンの合成に必要な必須アミノ酸であるトリプトファンを含む食品の摂取
・日光浴
・良質な睡眠
・適度な運動
などがあげられますが運動は特に効果的とされており、有酸素運動やリズム運動はその中でも有効性が高いです。2024年10月に更新しましたブログ「鍼灸と月経前症候群(PMS)④」の中で詳しくご紹介させていただいておりますので、併せてお読みいただけますと幸いです。

・腸内環境
腸内環境について前回も少しお話させて頂きましたが、実は腸内環境は脳腸相関に深く関わっています。腸内細菌叢(腸内フローラ)が乱れてしまうと、脳腸相関によって腸から脳へ悪い影響を与える可能性があります。短鎖脂肪酸の減少や便秘や下痢などの消化器系の症状の他、肌荒れやアレルギー、慢性的な身体の不調、うつ症状など全身へ影響を及ぼします。
そのため、IBSの治療には、腸内環境を整えることも重要とされています。


◎IBSと生活の質(QOL)
IBSが患者の生活に与える影響は非常に大きいです。腹痛や便通異常といった身体的症状だけでなく、日常生活や社会活動においても多くの制約が生じます。 前回少しお話させて頂きましたが、具体的にどういったケースがあるのか見ていきましょう。

1. 仕事や学業への影響
突発的な腹痛や下痢のために、外出が不安になったり、会議や授業など日常生活で必要なことに集中できなくなることがあります。また、頻繁なトイレの使用自体がストレスとなることも少なくありません。

2. 対人関係への影響
外食や旅行など、社会的な活動を楽しむことが難しくなる場合があります。外見からわからない分周囲の理解を得にくい疾患であることから、孤独感を感じる方も多いとされています。

3. 心理的負担
IBSの症状が慢性的に続くと、「また症状が出るかもしれない」という不安や抑うつ状態に陥ることがあります。このような心理的要因がさらに症状を悪化させるという悪循環も、IBSの特徴の一つです。

 

月末のブログではこれらに対するセルフケアについて取り扱う予定ですので、そうぞお付き合いください。

 

今週もお読み下さりありがとうございました。
今回は「IBS(過敏性腸症候群)と心の繋がり、脳腸相関」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は「IBS(過敏性腸症候群)に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー」についてお話させていただきます!

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

鍼灸と月経前症候群(PMS)②

2024.10.11

こんにちは。セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。

今月のブログの題材である「PMS」と、当セドナ治療院グループの理念にもあります「自律神経」は非常に相関関係が強いため、こちらもとりあげてお話させて頂きたいと思います。


しかし、まずそもそも自律神経とは何なのでしょうか?最近テレビや日常会話等でも話題に上ることが増え、日常的にもストレスや疲れを感じたとき、「自律神経が乱れている」と言われることも増えましたよね。

ですが自律神経について曖昧なイメージを持っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?そこでまず最初に自律神経について簡単にお話させて頂きたいと思います。


自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」という二系統で構成されており、代謝や循環、呼吸、消化など、私達が生命維持を行う上で必要不可欠な身体の様々な機能を無意識的に調整しています。


そして交感神経と副交感神経は互いに反対の作用を持ち、そのバランスを保つことで体内の恒常性、つまり生物が外部環境の変化に関わらず、血圧や血糖値、pHなどの体内の状態を一定に保とうとする仕組みを維持しています。


交感神経の働き
交感神経は「闘争か逃走(fight or flight)」反応を司る神経系です。体がストレスに直面したときや急を要する様な緊急時に活性化し、それらに対して迅速に対応ができるようエネルギーを最大限に引き出す方向に働きます。


交感神経が優位になると筋肉や臓器に酸素や栄養を素早く供給するために心拍数と血圧が上昇し、反対に消化管の活動は一時的に抑えられ、胃の動きや唾液の分泌が減少し、消化が遅くなります。また酸素を多く取り込むために気管支を拡張させ、周囲の危険をより早く察知するために瞳孔を拡大させます。副腎からはアドレナリンが分泌され、興奮状態の促進や交感神経の作用の強化、持続を行います。
学校や会社、もしくはプライベートでも、話を聞かずぼーっとしている時にいきなり名前を呼ばれ「君はどう思う?」等と意見を聞かれた時、ドキッとした経験はありませんか?もしくは怖い夢をみてはっと目を覚ました時、緊張する発表会の時、ゲームでクリア目前の時など、交感神経はそういった体がストレスを感じたときや運動、興奮などによって必要なときに迅速に反応し、体を活動モードに導きます。

 

副交感神経の働き
副交感神経は、交感神経とは対照的に「休息と消化(rest and digest)」を担当する神経系です。体がリラックスしているときや安静状態にあるときに主に活性化し、副交感神経が優位になることで体は回復やエネルギーの蓄積など、いつ交感神経が優位になって闘い始めても良いように備える働きをします。


副交感神経が優位になると、胃や腸の運動が活発化し、消化液の分泌が増加します。これにより、食べ物の消化と栄養の吸収が促進されます。反対に心拍数は緩やかになり、血圧も低下します。これにより、体はリラックスした状態になり、筋肉など使わない臓器へのエネルギーを節約し、蓄えることができます。体が休息状態にあるときに必要な酸素量が少なくなるため、気道はやや収縮し、呼吸は深くゆっくりとしたものになります。明るい環境下での目の負担を軽減させるために瞳孔は縮小され、近くの物を見る際にはピントが合わせやすくなります。


そして副交感神経の働きにおいて何よりも重要なのは心身の回復です。副交感神経はエネルギーの節約と心身の回復を促進します。食事の後や眠る前など、体が修復や成長、回復に集中できるよう、全身の機能を調整する役割を担っています。

鍼灸院や整骨院などでの施術の最中、眠気を感じたり、お腹が鳴ったり、トイレに行きたくなったりしたことはありませんか?そう、これらの反応はすべて副交感神経が働いている証拠なのです。こういった反応が出ているときはきちんと担当の先生やその院を信頼し、リラックスできているため緊張状態のときよりも治療効果が高いです。

このように交感神経と副交感神経は、互いに相反する働きをしながらも、常にバランスを保っています。このバランスが乱れると、身体的・精神的な健康に影響を及ぼす可能性があります。

そして、PMSの発症には、ホルモンバランスとともに自律神経のバランスの乱れが影響していると広く考えられています。何かしらのストレスを受けて自律神経が乱れ、交感神経が過剰に働くと、神経が収縮し血流が悪化します。これが頭痛や肩こり、腰痛などの身体的な症状の原因です。

副交感神経が抑制されると消化器系の機能が低下し、腹部膨満感や便秘などの消化器症状が現れることもあります。また前述したストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加し、緊張や不安が増加し、これがPMSにおける精神的な症状、例えばやイライラ感やうつ状態を引き起こす原因の一つとされています。施術により狙うべきは副交感神経の活動促進でリラクゼーション効果を促す事です。これにより、筋肉の緊張や痛みが軽減されるだけでなく、身体と精神両方の症状に対して総合的な効果を発揮することが期待されます。


実際の臨床の現場でも鍼灸治療がPMSに対してどのような効果をもたらしたかについても、かなりの数の症例報告・ケースレポートが発表されています。例えば、ある症例では、鍼灸治療を数ヶ月間継続した女性が、PMSの頭痛の大幅な改善を報告しています。イライラや不安感などの精神的な症状も軽減し、生活の質が向上したとされています。

今週も読んで下さりありがとうございました。
来週は、、、「PMSによく使われる経穴(ツボ)」についてお話させて頂きます。

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

呼吸と自律神経

2020.05.29

こんにちは!セドナ整骨院の出口です。

平素よりセドナ治療院グループをご利用いただきまして、厚く御礼申し上げます。


新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さまおよび関係者の皆さまに、 謹んでお見舞い申し上げます。


緊急事態宣言も解除され、全国的にもコロナの脅威が薄らいできているように感じます。


さて、この新型コロナウイルス感染症(COVID-19)その症状、全容は見えてきた物の私達にとって二次的な脅威を孕んでいるように感じます。

それは一言でいうと「良くわからない体の不調」です。みなさまの周りにもいらっしゃるじゃないでしょうか?


「なんとなく調子がわるい」というやつです


連日の報道、そして正解かどうかわからない情報があふれる中で、正しい情報を見極める事は不可能に近いです。医療従事者である私でも怖いです。


その根底にあるのは人は漠然とした恐怖や目に見えないもの、予測できない未来に恐れを覚えます。


恐怖=「ストレス」です


実は今のこの状況、ある大型災害の後の感じと酷似しているんです。

それは「3.11 東日本大震災」ですどういう事かというと3.11の震災では、私たちは目に見ない余震、放射能の恐怖に怯えました。


もしまた大きな地震があったら

もしこのあたりがホットスポットだったら

もし自分の地域でも災害がおきたら


そんな漠然とした不安、見えない恐怖が日本中に萬栄していました。


このような漠然とした不安や恐怖がストレスとなり多くの方が自律神経を乱し「なんとなく調子がわるい」という症状を、それだけでなく不眠やめまい・耳鳴りなどの不定愁訴を訴えてきました。


今回の状況、その時と似た状況であると私たちは感じております

5月半ばから当院への問い合わせとして増えてきたのが

「なんとなく調子が悪い」

「動悸がするけど、病院では問題ないと言われた」

「何もしていないのに息苦しい」

「ちょっとしたことで息が切れる」

「めまい・耳鳴りがする」

といった症状の患者さんです
こういった症状の多くに強く関係しているのが先ほども上げた「自律神経」と呼ばれる存在です。

 
※自律神経に関する詳しい事は当院HP内「自律神経」のぺージをご覧ください


特に今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19) では呼吸器・循環器の場合、多くの患者さんが病院で「異状なし」と診断を受ける場合でもという場合は自律神経の乱れが原因の場合があります。


中には胸部レントゲン、血液検査、心電図などの検査をすべて行い「異常なし」という診断を受けて、内服薬だけを処方されている方も多く見られます。


呼吸に大きく関与する「肺」は自分の意思で動かす事のできる内臓器ですが、自律神経が大きく関与しています。 


基本的に人間の内臓器には自律神経の交感神経と副交感神経の二重拮抗支配を受けています。しかし 慢性的なストレスが交感神経を優位に働かせ続けることで、自律神経が乱れ、多くの場合、血液検査やレントゲンなどで異常なしと言われる「自律神経失調症」と呼ばれる病態が出来上がります


皆様も経験があるんではないでしょうか?緊張して呼吸が浅くなった、その緊張を抑えるため深く深呼吸を行ったこれは無意識に肺の収縮弛緩が損なわれている証拠です。


肺の伸展反射(へーリング・ブロイエル反射)が損なわれ、意識して深呼吸することもままならなくなります。


結果、多くの酸素を取り込めず浅い呼吸を頻回で繰り返すことで胸式呼吸となります。  


また多くの方が今はマスクの着用を行っていると思います。このマスク、感染予防や飛沫拡大の為ではありますが呼吸を浅くする要因の一つでもあります。

まさに息を潜めている。そんな状態です。


その他にも自宅でのテレワーク・リモートワークの影響で「姿勢不良」や「背骨・肋骨の可動性の悪さ」が診られます。いつものオフィスではなく、高さが合わない自宅のイスと机で仕事をする為、普段、姿勢が良い人でも猫背になる傾向が見られます。


また人間の肺は「胸郭」と呼ばれる背骨と胸骨、肋骨で囲まれている部屋にありますから、肋骨の可動性の低下は肺の十分な伸展機能を阻害する要因となります。


現在、多くの要因で体調を崩されている方が当院にいらっしゃいます。お一人でも多くの患者さんのお力になり、今の現状を乗り越えていきたいと切に願います。


次回は呼吸と自律神経について(施術編)をお送り致します。

セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院 院長 出口

自律神経について⑤

2019.06.13

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院の鍼灸師の春日です。

今回は「自律神経失調症と鍼治療」ご紹介していきます。

 

自律神経失調症とは前回お伝えしたように

「自律神経が乱れていることで身体に不調が出てしまうこと」を言います。

副交感神経が働かなくては行けない時間に

ストレスなどによって交感神経が働いてしまうので乱れてしまいます。

例えば睡眠時間に交感神経が働いていると眠れなくなり不眠になってしまいます。

自律神経失調症の治療法として

「自律神経の働きを整えること」が有効です。

交感神経と副交感神経の働きを整えてあげることによって

身体の調子を整えることができます。

 

日常生活で入浴や深呼吸、ストレッチなどのリラックスすること、

旅行、スポーツ、映画鑑賞などの趣味、ぼーっとすること、髪型を変えることなど

ストレスを感じない、楽しいことができると自律神経を整えることができます。

私はサッカーを見たり、音楽を聴いたりしてリラックスをしています。

 

「鍼治療」によっても自律神経の働きを整えることができます。

鍼治療にはリラックス、身体を休ませてくれる効果があります。

例えば「副交感神経を優位にする」という効果があります。

前回お話したように副交感神経の機能は「体を整え、働くための体を準備をしてくれること」です。

つまり、寝るなどの休んでる間に体力を温存してくれているということです

そのため自律神経を整えてくれる鍼治療は自律神経失調症に有効です。

 

次回は「自分でできる自律神経失調症の対策」をご紹介していきます。

どうぞ宜しくお願いします。

 

 

 

自律神経について④

2019.05.31

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院の鍼灸師の春日です。

今回は「自律神経失調症について」ご紹介していきます。

 

自律神経失調症とは

簡単に言いますと自律神経が乱れてしまうことで身体に不快な症状がでることです。

その中でも交感神経の異常な興奮によるものがほとんどです。

つまり交感神経が働きやすくなっていて

副交感神経が働きにくくなっているということです。

 

前回お伝えしたように

自律神経は交感神経と副交感神経が大体決まった時間に交互に働き、

身体のバランスをとっています。

 

しかし交感神経はストレスに敏感な神経なので、

仕事や学校など日常生活でストレスを多く感じると働いてしまい、

副交感神経が働かなくてはいけない時間にまで働いてしまいます。

グラフにするとこんな感じです。

副交感神経が働けなくなると、眠れなくなってしまったり、めまい、耳鳴り、頭痛など

といった不快な症状が出てしまいます。

これが自律神経失調症です。

 

自律神経失調症の主な症状は下の図をご覧ください。

他には肩こり、腰痛、風邪、病気や怪我などが治り難くなってしまいます。

副交感神経が眠っている間など休んでいる間に身体を修復してくれているので、

副交感神経が働けなくなると修復できなくなります。

なので治るものも治り難くなってしまうのです。

 

しかし逆に言えば、「自律神経のバランスを整えること」

「体を整えることができる」ということです。

適切な施術で誰でもしっかり良くなる物です。

 

 

次回は「自律神経失調症と鍼治療」についてお伝えします。

どうぞよろしくお願いします。

自律神経について③

2019.05.24

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院の鍼灸師の春日です。

今回は「交感神経と副交感神経の関係」についてご紹介していきます。

 

 

交感神経と副交感神経の関係は、シーソーのような関係をしています。

どちらかが上がると、どちらかが下がります。

つまりどちらかが動くと、どちらかは動けないのです。

 

太陽と月の関係と似ています。

太陽が出始めたら月は見えなくなっていきます。

逆に月が出始めたら太陽は沈んでいきます。

 

下の図のように、交感神経が働いてくると副交感神経は働かなくなり、

副交感神経が働いてくると交感神経が働かなくなっています。

 

このように交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで人の身体のバランスも保たれています。

 

今の社会では学校や仕事など多くの事でストレスを感じる事や生活が乱れてしまいます。

心身にかかるストレスや、不規則な生活により心身の休息が不十分となると、

交感神経の働きが良くなってしまい副交感神経が働くことができなくなってしまいます。

交感神経はストレスなどにすごく敏感な神経なのです。

ストレスは多すぎても少なすぎても身体に支障をきたします。

 

ストレスが多すぎる事によって交感神経ばかりが働くようになると、

夜に眠れなくなる、病気が治りづらいなどの症状が出てきてしまいます。

このように交感神経と副交感神経のバランスが崩れ続けてしまうと

自律神経失調症になってしまいます。

 

次回は「自律神経失調症について」ご紹介していきます。

どうぞ宜しくお願いします。

 

 

自律神経について② 交感神経と副交感神経

2019.05.17

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院の鍼灸師の春日です。

今回は自律神経のメカニズムについてご紹介していきます。

 

自律神経には交感神経と副交感神経が存在します。

まずは両者の違いについてお伝えします。

交感神経と副交感神経の違いとして代表的なのが「働く時間」です

交感神経と副交感神経を例えて言うなら、「太陽と月」です。

交感神経が「太陽」ならば副交感神経が「月」です。

 

交感神経は

朝(太陽が昇る時間)に徐々に働き始め、夕方(太陽が沈む時間)に働かなくなります。

逆に副交感神経は

夕方(月が出始める時間)に働き始め、朝(太陽が出る時間)に働かなくなります。

 

このように交感神経は太陽が出ている時間に、副交感神経は月が出ている時間に働いています。

働く時間が違うということは機能も違ってきます。

交感神経の機能は「心身を動かすのに適した体内環境にすること」です

つまり、心身ともに活動しやすくするということです。

 

なので交感神経は皆さんが仕事をしていたり、学校に行っていたりする太陽が出ている時間に働くのです。

交感神経の機能の例として、交感神経は血圧を上げてくれるます。

これによって、たくさんの血液を運ぶことで血液に含まれている酸素や糖を各器官に届けることができ、

各器官が働くことができます。

 

 

副交感神経の機能は「体を整え、働くための体を準備をしてくれること」です。

つまり、寝るなどの休んでる間に体力を温存してくれているということです

副交感神経の機能の例として、内臓を動かし消化を助けてくれます。

これによって、栄養を吸収することができるので栄養素を蓄えることが出来ます。

 

次回は「交感神経と副交感神経の関係について」ご紹介していきます。

どうぞ宜しくお願いします。

アクセス情報

所在地

〒260-0045
千葉市中央区弁天2-1-1 秋葉ビル1F

休診日

水曜・祝日