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鍼灸と糖尿病④

2024.12.27

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。

今回は「糖尿病に対する鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」についてお話させて頂きます。

糖尿病は、現代の健康問題の中でも最も重要な課題の一つです。血糖値の管理や合併症の予防が治療の主軸となる中で、薬物療法や食事療法、運動療法だけでなく、補完医療の選択肢も広がりつつあります。その中で鍼灸治療が注目を集めています。伝統的な東洋医学の知恵と、現代科学のアプローチが融合することで、糖尿病治療の可能性が新たに見直されています。現在では科学的な研究により、その生理学的効果が次々と明らかになっています。本記事では、糖尿病に対する鍼灸治療の効果、そして具体的に使用される経穴について解説します。

また、最後に今月更新分のブログに用いた参考文献を記載しますのでご参考までに。

 

◎ 鍼灸治療の効果と効能

前回お話させて頂いた研究の中から引用して作用について詳しく説明していきたいと思います。

・自律神経系の調節
鍼灸治療は、交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があります。特に副交感神経を刺激することで、インスリン分泌の促進や血糖値の安定化が図られ、グルコース代謝の改善に有効であることが研究で示されています。また、自律神経を介して血流が促進されることで、全身の代謝機能を高める効果も期待されています。

・抗炎症効果
慢性炎症は糖尿病の進行による合併症の一つです。鍼灸治療は、痛みや腫れなど炎症反応の原因となる炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の産生を抑えることで、炎症を軽減させます。この結果、インスリン感受性の向上や血管の健康維持につながります。

・ストレス軽減
ストレスはコルチゾールを過剰に分泌させるため、血糖値を悪化させる大きな要因となります。鍼灸治療は、血圧や血糖値を上げる一因となるコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑える作用があります。その結果、血糖値が安定し、睡眠の質の向上が見込めます。さらに、ストレス軽減により患者の生活の質(QOL)が向上し、治療意欲や健康管理への意識が高まるというメリットもあります。

また上記に伴って血糖値の管理や糖尿病の合併症の改善、末梢神経を刺激することで脊髄を介して中枢神経に信号が伝わり、痛みの軽減やリラックス効果が期待できるなど多面的な効果が期待できます。

 

 

◎使用される経穴

参考文献の中で用いられていた経穴、またその他糖尿病の諸症状に役立つ経穴とそれらの効果を以下にご紹介いたします。

1. 足三里(あしさんり) – 胃経

位置: 膝の下、脛骨の外側にあります。

効果: 消化機能を高め、エネルギー代謝を促進する作用があります。特に、糖尿病において血糖値の安定を助ける可能性があり、全身の気力や体力を向上させることが期待されます。

2. 三陰交(さんいんこう) – 脾経

位置: 足首の内側、内くるぶしの上にあります。

効果: ホルモンバランスの調整や血液循環の促進に優れています。糖尿病に伴う冷えやむくみの改善、さらに内分泌系へのアプローチが可能とされています。

3. 合谷(ごうこく) – 大腸経

位置: 手の甲、親指と人差し指の骨が交わる部分にあります。

効果: 自律神経の働きを整えることで、ストレスの軽減に寄与します。血糖値変動の背景にある精神的負担を和らげる点で重要な経穴です。

4. 太衝(たいしょう) – 肝経

位置: 足の甲、第1趾(親指)と第2趾(人差し指)の間のくぼみにあります。

効果: 血流の改善や筋肉の緊張緩和に役立ちます。また、リラックス効果をもたらし、身体全体の調和を図る作用があります。

5. 内関(ないかん) – 心包経

位置: 前腕の内側、手首の中央から指3本分上にあります。

効果: ストレスや不安を和らげ、自律神経を調整する作用があります。また、精神的な安定や睡眠の質の向上にも寄与します。糖尿病患者においては、ストレス軽減を通じて血糖値の安定化に役立つとされています。

6. 百会(ひゃくえ) – 督脈

位置: 頭のてっぺん、両耳を結んだ線と正中線の交点にあります。

効果: 副交感神経を活性化し、自律神経のバランスを整える効果があります。精神を落ち着かせる作用に加え、血流促進による全身の代謝機能向上が期待されます。特に、糖尿病患者の全身的な健康管理に有用です。

7. 曲池(きょくち) – 大腸経

位置: 肘を曲げた際にできるしわの外端にあります。

効果: 炎症を鎮める効果が高く、特に糖尿病に伴う炎症や痛みの軽減に役立ちます。また、全身の免疫力を高める作用も期待されます。

8. 壇中(だんちゅう) – 任脈

位置: 胸の中心、乳頭を結んだ線の中央にあります。

効果: 呼吸を整え、心を落ち着ける作用があります。ストレスによるコルチゾール過剰分泌を抑える効果があり、血糖値を安定させる助けとなります。また、気の巡りを良くし、疲労回復にも効果的です。

 

◎参考文献

Liu, X., et al. (2018). Effects of acupuncture on blood glucose in type 2 diabetes mellitus patients: A randomized controlled trial. Journal of Diabetes Research.

Sun, Y., et al. (2019). Acupuncture for diabetic peripheral neuropathy: A clinical study. Pain Medicine.

Zhao, L., et al. (2021). Systematic review and meta-analysis of acupuncture for diabetes. Complementary Therapies in Medicine.

Kim, T. H., et al. (2020). “Acupuncture for the treatment of diabetes mellitus: A systematic review and meta-analysis.”

Diabetes Research and Clinical Practice, 159, 107982. Cho, W. C., & Chen, H. Y. (2009). “Clinical efficacy of acupuncture on diabetes mellitus: A meta-analysis.”

Journal of Acupuncture and Meridian Studies, 2(4), 263–265.

Lee, M. S., et al. (2009). “Acupuncture for treating peripheral diabetic neuropathy: A systematic review.”

The Clinical Journal of Pain, 25(5), 431–437. International Diabetes Federation (2021). IDF Diabetes Atlas (10th Edition).

中国中医科学院. (2015). 鍼灸学概論. 北京科学技術出版社.

日本糖尿病学会

厚生労働省

国際糖尿病連合(IDF)

アメリカ糖尿病学会(ADA)

日本医師会「生活習慣病予防と糖尿病」 日本糖尿病学会編『糖尿病治療ガイドライン 2023』(文光堂)

WHO(世界保健機関)

 Standards of Medical Care in Diabetes – 2024.Diabetes Care. 国立研究開発法人国立国際医療研究センター『糖尿病の基礎知識』

 

 

鍼灸治療は、糖尿病管理の補完療法として非常に有望な選択肢です。血糖値の調整、合併症の軽減、ストレス緩和といった多面的な効果が期待される一方で、個々の患者に合わせた適切な診断と施術が求められます。また、鍼灸治療は現段階ではあくまで補助療法的な位置づけにあり、薬物療法や食事療法と組み合わせて活用することが重要です(重症度があがれば上がる程、これに該当します)

専門家との連携を取りながら、西洋医学と東洋医学を融合させより効果的な治療を目指していきましょう。

 

 

今週も読んで下さりありがとうございました。 今回は「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」「参考文献」についてお話させて頂きました。

糖尿病についてのシリーズは一度ここで区切りとなりますが、今月のブログはいかがでしたでしょうか?

もしここについて掘り下げて欲しい等ご要望があれば是非お聞かせください!

来月からはまた新しい題材でブログを更新していきますので、お読みいただけますと幸いです。 今週も読んで下さりありがとうございました。

 

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック千葉駅前院 佐々木

鍼灸と糖尿病③

2024.12.20

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。

今回は「鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー」についてお話させて頂きます。

 

◎鍼灸治療における糖尿病への効果に関する臨床研究とレビュー

近年、糖尿病の管理において、補完代替医療の一環として鍼灸治療が注目されています。

特に、鍼灸が血糖値の調節、糖尿病性末梢神経障害(DPN)などの合併症の緩和、さらにはストレスや炎症の抑制を通じて、患者の生活の質(QOL)を向上させる可能性があるとする研究が増えています。こうした動きの中で、科学的根拠を積み上げるため、鍼灸治療を用いた臨床研究やレビューが国内外で活発に行われています。今回は、これらの研究の中から鍼灸治療の効果についてお話していきます。

 

◎糖尿病に対する鍼灸治療の臨床研究

研究例1:血糖値の管理における鍼灸の効果 Liu et al.(2018年)のランダム化比較試験(RCT)では、2型糖尿病患者を対象に鍼灸が血糖値管理に与える影響を検討しました。

この研究では、対象者を以下の2群に分けて8週間治療を行いました。

治療群:標準的な薬物療法(メトホルミン)に加えて、週3回、主要な経穴(例:足三里、合谷、三陰交など)に鍼治療を実施。

対照群:薬物療法のみ。

治療後、治療群では空腹時血糖値(FPG)が平均15mg/dL以上低下し、HbA1c(糖化ヘモグロビン)も0.7%減少しました。一方、対照群ではこれらの数値に有意な変化が見られませんでした。また、患者からは治療後の疲労感や睡眠の質の向上が報告されており、鍼灸が血糖値の調節のみならず、全体的な体調改善にも寄与した可能性が示されました。

この研究は、鍼灸が血糖値を改善する補完療法として有望である一方で、治療の具体的なメカニズムを解明するさらなる研究の必要性を強調しています。

 

研究例2:糖尿病性末梢神経障害(DPN)への鍼灸の応用

Sun et al.(2019年)の研究では、糖尿病性末梢神経障害(DPN)患者120名を対象に、鍼灸が神経痛や感覚異常の改善にどの程度効果を持つかを評価しました。

治療群:週3回、12週間にわたって電気鍼を含む鍼灸治療を実施。使用経穴は主に太衝、三陰交、足三里など。

対照群:一般的な神経再生療法(ビタミンB12の投与)を実施。

結果として、治療群では疼痛スコア(Visual Analog Scale, VAS)が平均40%以上改善し、感覚機能の回復(触覚および温度感覚の改善)が認められました。さらに、神経伝導速度も有意に向上し、末梢神経の再生や修復に鍼灸が寄与している可能性が示されました。一方、対照群ではこれらの改善が限定的でした。

この研究は、鍼灸がDPNのような難治性の合併症に対する補助療法として注目されるべきであることを示唆しています。

 

 

◎システマティックレビューとメタアナリシス

個別の臨床試験を超えて、鍼灸の効果を統合的に評価するため、近年システマティックレビューやメタアナリシスが数多く実施されています。

 

メタアナリシスの例:血糖値と鍼灸治療 Zhao et al.(2021年)のシステマティックレビューは、糖尿病患者を対象に行われた18件のRCTを分析し、鍼灸が血糖値管理や合併症の緩和に与える効果を評価しました。

主要成果:  空腹時血糖値(FPG)は鍼灸治療群で平均15mg/dL低下。HbA1cは平均で0.6%減少。血糖値だけでなく、炎症性マーカー(C反応性タンパク、TNF-αなど)の有意な減少も確認。

限界点:
一部の研究でサンプルサイズが小さいことや、治療方法の不統一が問題視されました。さらに、偽鍼(シャム鍼)を用いた試験の不足も課題として挙げられました。

 

◎鍼灸が糖尿病に与える効果のメカニズム

鍼灸が糖尿病患者の症状改善に寄与する可能性が示唆される一方で、その効果を裏付ける生理学的メカニズムはまだ完全には解明されていません。しかし、以下の仮説が広く支持されています。

1. 自律神経系の調節 鍼灸は交感神経の過剰な活動を抑制し、副交感神経を刺激することで、インスリン分泌やグルコース代謝を改善すると考えられています。特定の経穴刺激が迷走神経の活性化を誘発し、血糖値の低下をもたらす可能性が示されています。

2. 抗炎症効果 慢性炎症は糖尿病の病態形成に深く関与しています。鍼灸が炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の産生を抑制し、炎症反応を緩和することで、インスリン感受性を改善する可能性が示唆されています。

3. ストレス軽減 鍼灸によるリラクゼーション効果がコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑え、血糖値の安定化に寄与するという報告もあります。

 

◎鍼灸治療の課題と今後の展望

課題1:研究デザインの改善 多くの研究で盲検化の不備やサンプルサイズの不足が課題として挙げられています。特に、偽鍼(シャム鍼)を用いた対照試験が、効果を正確に評価する上で重要です。

課題2:経穴の標準化 経穴や治療手法が研究ごとに異なるため、結果の再現性に欠ける場合があります。統一された治療プロトコルを策定することが求められます。

課題3:長期的効果の検証 現在の研究は短期間の効果に焦点を当てたものが多く、鍼灸治療の長期的な安全性や有効性についてのデータが不足しています。

 

今後の展望 :鍼灸は糖尿病の標準的な治療法を補完する有力な手段として、さらに発展する可能性があります。特に、個別化医療(=体質や病気の特徴に合った治療を行うこと)の観点から、患者の病態や体質に応じた鍼灸プロトコルの最適化が期待されています。

 

糖尿病に対する鍼灸治療は、血糖値管理や合併症緩和において有望な補完療法として注目されています。近年の臨床研究やメタアナリシスは、鍼灸が糖尿病管理に一定の効果を持つことを示唆していますが、研究デザインや標準化の不足といった課題も残されています。今後、高品質な研究を通じて鍼灸の有効性と安全性が確立されることで、糖尿病治療における選択肢がさらに広がることが期待されます。 糖尿病治療の目標は、血糖値を良好に維持し、合併症のリスクを低下させることにあります。HbA1cの目標値は一般的に 7.0%未満 とされていますが、高齢者や合併症を有する患者では、個別の目標値が設定される場合があります。 治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法(経口薬やインスリン)であり、これらを組み合わせて血糖コントロールを行います。特に合併症の予防や患者の生活の質(QOL)を向上させることが重視されています。

 

 

ここまでは各研究テーマに沿ったお話になりました、以下は臨床に携わる私の所感です。 患者様と接させて頂く中で糖尿病の治療は血糖値管理だけでなく、合併症の予防や患者の生活の質(QOL)の向上も大切なのだと感じ、鍼灸師としてそこにアプローチをかけることを目指しています。一部の患者様は薬物療法だけでは血糖値のコントロールが不十分な場合があり、補完医療や代替医療が選択肢として取り上げられることがあります。鍼灸治療はその一つです。

私達が行う鍼灸は基本的に東洋医学に基づく治療法であり、体内の「気(エネルギー)」の流れを整えることで、自然治癒力を高め、病気を改善するとされています。 気の流れ?と聞くと少し胡散臭く聞こえるかもしれませんが、私達は日常の中から「なんとなく雰囲気が悪い」「嫌いな人がいて気が重い」「あの人は良く気が配れる人だ」「気のせいかもしれないが誰かに追われている気がする」といったように、無意識に「気」という言葉を使っています。 気は見える物ではないですが、確実に私達の生活に根付き、そしてそこに存在する物といっていいのではないかと考えます。 私達鍼灸師は細い針を体の特定のツボ(経穴)に刺し、気の流れを調整します。 灸治療では、もぐさを燃やして熱刺激を与えます。これらは、神経系や血流、免疫機能に影響を与えると考えられています。 現代医学的には、鍼灸が神経伝達物質やホルモンの分泌を調節し、鎮痛や抗炎症効果をもたらす可能性があるとされ、糖尿病の症状や合併症への効果が期待できます。 現在西洋医学のように症状に合わせて薬の種類が増えていくという物ではなく、人の身体の状態をみて鍼を刺す経穴や施術を決めて参ります。次回はこちらの内容のついて詳しくお話させて頂きたいと思います。

 

以下は今回のまとめです。

 

◎鍼灸治療と糖尿病の関係まとめ

① 血糖値の管理

いくつかの研究では、鍼灸が血糖値を改善する可能性が示唆されています。例えば、ある臨床研究では、鍼灸治療がインスリン感受性を向上させ、血糖値を低下させる効果が確認されています。この効果は、鍼灸が副交感神経を活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制することで実現していると考えられます。 動物実験では、特定のツボ(例えば胃経の足三里、脾経の三陰交)への鍼刺激が血糖値を低下させるメカニズムが報告されています。この現象は、β細胞の機能改善や炎症の軽減によるものとされています。

② 糖尿病の合併症の改善

糖尿病の有名な合併症として神経障害、腎障害、網膜症という三大合併症が挙げられます。 この中でも特に糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、患者に痛みやしびれを引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。鍼灸治療は末梢血管の拡張、神経の過剰興奮の抑制を引き起こし、神経障害の症状を軽減する可能性があります。近年では2020年に発表されたメタアナリシスによると、鍼灸治療は糖尿病性神経障害の疼痛緩和に有効であるとされました。この研究では、鍼が血流改善や神経伝達物質の調整を通じて、神経障害の症状を軽減することが示されており、伝統的な東洋医学に再現性のある西洋医学の良い所が合わさった一例ではないかと感じます。

③ その他の効果

鍼灸治療の刺激は末梢の神経から脊髄に入力され、刺激は脳・脳幹部へ電気刺激として伝えられて中枢神経に良い影響を及ぼす事が知られています。とくに鍼灸治療は痛みを伴うストレスの軽減や睡眠の改善にも役立つとされ、これが糖尿病の管理に間接的に貢献します。ストレスは血糖値を上昇させる要因となるため、鍼灸によるリラクゼーション効果は治療の補助として重要です。

④ 鍼灸治療の限界と注意点

一方で、現在西洋医学が万能でないように東洋医学、鍼灸治療にもいくつかの課題があります。まず、治療効果には個人差があり、すべての患者に有効とは限らないという事です。糖尿病に限ったことで言えば糖尿病の重症度や合併症の進行状況によってもその効果が異なるため、適切な診断と専門家による施術が合わせて必要となります。 さらに、現在でも研究が進んでいるとは言え、鍼灸治療は薬物療法の完全なる代替ではなく、あくまで補助的な役割を果たすものである点に留意する必要があります。軽度の方で医師からの同意を得て、施術を行っている方も多くご来院されております(運動療法・食事療法などで対応可能な患者様が多い印象です)、血糖値のコントロールが不安定な場合には、鍼灸治療のみでの管理は推奨されませんのでお気を付けくださいませ。

⑤ まとめと今後の展望

鍼灸治療は、糖尿病の補完医療として一定の可能性を十分に示しています。特に血糖値の調整や神経障害の症状緩和、ストレス軽減といった側面で有益な効果が期待できます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、エビデンスに基づく適切な治療法の選択と、医師や鍼灸師との連携が重要です。

 

 

今週も読んで下さりありがとうございました。 今回は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか? 鍼灸は古くからの伝統療法でありながら、現代の科学の力によってその効果が再評価されています。臨床研究の進展により、鍼灸がさまざまな症状に対して有効であることが示されてきました。今後も鍼灸の研究が進むことで、より多くの人々がその恩恵を受けられることを私は期待しています。皆さんも鍼灸に興味を持ち、実際に体験してみることで、その効果を実感していただければと思います。

来週は・・・今回の内容を踏まえ、「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」に関してお話させて頂きます。どうぞ付き合い頂けますと幸いです。

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

鍼灸と糖尿病②

2024.12.13

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「糖尿病の病態」についてお話させて頂きます。
前回の内容も踏まえ、糖尿病のメカニズムや進行過程、症状について掘り下げていきたいと思います。重複する内容もある為、おさらいも兼ねて是非お読みくださいませ。

・糖尿病とは
糖尿病は、血液中のグルコース(血糖)の濃度が慢性的に高くなる代謝性疾患です。その発症には主に、インスリンの分泌不足またはその作用の低下が関与します。この状態が続くことで、全身の臓器や組織に深刻なダメージを与え、特に血管、腎臓、神経、網膜などが影響を受けます。糖尿病の病態を理解するために、慢性的な高血糖の影響とその進行過程を詳しくご説明していきたいと思います。

1. 血糖値調節の破綻
通常、血糖値は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって調節されています。インスリンは、食後に上昇した血糖を血液から取り出し筋肉や肝臓、脂肪組織に取り込ませることで、血中のグルコース濃度を一定に保ちます。しかし糖尿病では、この調節システムが破綻してしまいます。主に次の2つの病態が絡み合って高血糖が持続します。

インスリン分泌の減少:膵臓のβ細胞が損傷または機能低下を起こし、インスリンの供給が不足する。これは1型糖尿病で特に顕著です。

インスリン抵抗性:インスリンが十分に分泌されていても、標的組織での作用が低下し、細胞がグルコースを取り込めなくなる。この状態は2型糖尿病の主な特徴です。


2. 慢性高血糖の進行と影響
慢性的な高血糖状態は、全身の代謝バランスを崩し、多くの合併症を引き起こします。

(1) 微小血管障害(細小血管への影響)
血管内皮細胞が高血糖にさらされることで、毛細血管が損傷し、以下の合併症を招きます。

糖尿病性網膜症:網膜の毛細血管が障害され、視力低下や失明の原因となります。

糖尿病性腎症:腎臓の糸球体が損傷し、蛋白尿や最終的には腎不全を引き起こします。

糖尿病性神経障害:末梢神経や自律神経が損傷を受け、手足のしびれや感覚鈍麻、消化器症状が現れます。

(2) 大血管障害
大血管における動脈硬化が促進され、以下のような疾患のリスクが高まります。

冠動脈疾患:心筋梗塞や狭心症の原因となります。
脳血管障害:脳梗塞や脳出血が発症するリスクが上昇します。
末梢動脈疾患:足の血流が不足し、潰瘍や壊疽の原因となります。

3. 糖尿病の進行過程
糖尿病の進行は、初期段階から後期段階まで、以下のように展開します:

初期段階(無症状期)
血糖値が基準値を超えても、自覚症状がない場合があります。この段階で早期診断と管理が行われない場合、次第に症状が現れます。

中期段階(症状の顕在化)
高血糖に伴い以下の症状が発生します:

◎多飲・多尿・多食
血中の糖を薄めるために喉の渇きが出てしまい、その結果頻尿が起こります。また異常な食欲の増加も見られます。

◎体重減少
自分の膵臓からでるインスリンが少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうため、体重低下(食べてもやせる)が起きます。

◎倦怠感:血糖値が高いままではエネルギーが細胞に行き渡らないため、慢性的な疲労感が生じてしまいます。

後期段階(合併症の進展)
適切な管理が行われない場合、微小血管障害や大血管障害が進行し、前述のような重篤な合併症が現れます。


4. インスリン抵抗性のメカニズム
特に2型糖尿病では、インスリン抵抗性が発症と進行に深く関わっています。この病態では、インスリンの作用が標的細胞で効率的に発揮されず、以下の要因が原因とされています:

肥満と炎症:肥満に伴い、脂肪組織から炎症性サイトカインが分泌され、これがインスリンシグナルを妨害します。
筋肉の糖利用低下:運動不足により筋肉がグルコースを効果的に取り込めなくなる。
遺伝的要因:インスリン作用の低下に影響を与える遺伝的な変異が存在する。

 

今週も読んで下さりありがとうございました。

今回は糖尿病の病態についてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?糖尿病は早期の発見と適切な治療で進行を遅らせ、合併症を予防できる疾患です。

来週は今月の大きなテーマである糖尿病と鍼灸の関わりについて、「糖尿病に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー

」に関してお話させて頂きます。糖尿病に対する鍼灸の効果について文献をもとにお話させて頂きますので、お付き合い頂けますと幸いです。

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

鍼灸と糖尿病①

2024.12.03

こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今月は「鍼灸と糖尿病」を題材としてお話させて頂きます。


現代の私たちの食生活を少し立ち止まって考えると、忙しい日常の中で糖質や脂肪に偏った食事を摂ることが多いかもしれません。便利さを追求した結果、自然そのものから離れた食品が当たり前になりつつあります。
原人時代、人間は食料が常に得られる環境ではなく、狩猟や採集で得た食べ物を効率よくエネルギーに変え、脂肪として蓄える性質を進化させました。この適応は飢餓に備えるためには有効でしたが、現代の高糖質・高脂肪食品が手軽に得られる状況に適応しきれていません。進化の名残が、現代の食生活の影響で健康問題を引き起こしているのです。
そんな中、私たちが本来持っている「自然治癒力」を引き出す方法として、鍼灸が注目されつつあり、糖尿病による慢性的な疲れやストレス、さらには合併症の緩和に役立つと考えられております。
本記事では、鍼灸がどのように糖尿病の治療や日常生活にプラスの影響を与えるのか、わかりやすくお伝えします。
身体と心のバランスを整えながら、自分らしい健康を取り戻すヒントを一緒に見つけていきましょう。


今回はまず糖尿病の分類や発症原因症状について詳しくご紹介させていただきたいと思います。最後までお付き合い頂けますと幸いです。

 

◎目次・導入


・糖尿病の定義と症状


・糖尿病の病態


・鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー



・参考文献

・鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴

 

 


◎糖尿病の定義と症状

・糖尿病の分類
糖尿病は、大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。
1型糖尿病は自己免疫疾患によるもので、インスリン治療が必須です。一方、2型糖尿病は生活習慣や遺伝的要因が複雑に絡み合い発症し、運動療法や食事療法を基本としながら、経口血糖降下薬やインスリン治療が用いられることがあります。

1型糖尿病
患者全体の約5%を占める疾患で、自己免疫反応により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなるのが特徴です。発症は小児期や青年期に多く、診断時の平均年齢は13~15歳とされています。発症率は人口10万人あたり年間1~5人で、地域差があります。

2型糖尿病
糖尿病患者の90%以上を占め、特に中高年に多く見られます。ただし、近年では若年層の肥満増加により、小児や思春期の発症も増加傾向にあります。診断時の平均年齢は40~60歳であり、BMI(体格指数)が25を超える人に多く発症するのが特徴です。


・糖尿病の診断基準
以下のいずれかを満たした場合、糖尿病と診断されます。

・空腹時血糖値が 126 mg/dL以上
・随時血糖値が 200 mg/dL以上
・HbA1c(ヘモグロビンA1c)が 6.5%以上

さらに、耐糖能検査(OGTT)において、2時間値が200 mg/dL以上の場合も糖尿病と診断される場合があります。


・糖尿病の症状
糖尿病の症状は、進行度や個人差によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
初期段階では、頻尿や喉の渇き(多飲)、食事をしてもすぐに空腹を感じる(多食)といった症状が現れることがあります。また、体内でエネルギー源が適切に利用されないため、体重減少が起こる場合があります。
進行すると、倦怠感や疲労感、視力のぼやけ(網膜への影響)、傷が治りにくい、手足のしびれや感覚鈍麻、感染症にかかりやすくなるなどの症状がみられることがあります。さらに、糖尿病が悪化し糖尿病性ケトアシドーシスに至ると、吐き気や呼吸困難などの重篤な症状が生じる場合があります。



今週も読んで下さりありがとうございました。
今回は導入として糖尿病の定義と症状についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
判断基準のひとつであるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は健康診断の採血や献血の際の数値項目の1つに入っているので、自分が糖尿病ではないかと不安な方はぜひそちらをご覧になってみてください。血液検査は最も確実な検査方法です。

来週は・・・「糖尿病の病態」に関してお話させて頂きます。

セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木

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