こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー」についてお話させて頂きます。
◎鍼灸治療における糖尿病への効果に関する臨床研究とレビュー
近年、糖尿病の管理において、補完代替医療の一環として鍼灸治療が注目されています。
特に、鍼灸が血糖値の調節、糖尿病性末梢神経障害(DPN)などの合併症の緩和、さらにはストレスや炎症の抑制を通じて、患者の生活の質(QOL)を向上させる可能性があるとする研究が増えています。こうした動きの中で、科学的根拠を積み上げるため、鍼灸治療を用いた臨床研究やレビューが国内外で活発に行われています。今回は、これらの研究の中から鍼灸治療の効果についてお話していきます。
◎糖尿病に対する鍼灸治療の臨床研究
研究例1:血糖値の管理における鍼灸の効果 Liu et al.(2018年)のランダム化比較試験(RCT)では、2型糖尿病患者を対象に鍼灸が血糖値管理に与える影響を検討しました。
この研究では、対象者を以下の2群に分けて8週間治療を行いました。
治療群:標準的な薬物療法(メトホルミン)に加えて、週3回、主要な経穴(例:足三里、合谷、三陰交など)に鍼治療を実施。
対照群:薬物療法のみ。
治療後、治療群では空腹時血糖値(FPG)が平均15mg/dL以上低下し、HbA1c(糖化ヘモグロビン)も0.7%減少しました。一方、対照群ではこれらの数値に有意な変化が見られませんでした。また、患者からは治療後の疲労感や睡眠の質の向上が報告されており、鍼灸が血糖値の調節のみならず、全体的な体調改善にも寄与した可能性が示されました。
この研究は、鍼灸が血糖値を改善する補完療法として有望である一方で、治療の具体的なメカニズムを解明するさらなる研究の必要性を強調しています。
研究例2:糖尿病性末梢神経障害(DPN)への鍼灸の応用
Sun et al.(2019年)の研究では、糖尿病性末梢神経障害(DPN)患者120名を対象に、鍼灸が神経痛や感覚異常の改善にどの程度効果を持つかを評価しました。
治療群:週3回、12週間にわたって電気鍼を含む鍼灸治療を実施。使用経穴は主に太衝、三陰交、足三里など。
対照群:一般的な神経再生療法(ビタミンB12の投与)を実施。
結果として、治療群では疼痛スコア(Visual Analog Scale, VAS)が平均40%以上改善し、感覚機能の回復(触覚および温度感覚の改善)が認められました。さらに、神経伝導速度も有意に向上し、末梢神経の再生や修復に鍼灸が寄与している可能性が示されました。一方、対照群ではこれらの改善が限定的でした。
この研究は、鍼灸がDPNのような難治性の合併症に対する補助療法として注目されるべきであることを示唆しています。
◎システマティックレビューとメタアナリシス
個別の臨床試験を超えて、鍼灸の効果を統合的に評価するため、近年システマティックレビューやメタアナリシスが数多く実施されています。
メタアナリシスの例:血糖値と鍼灸治療 Zhao et al.(2021年)のシステマティックレビューは、糖尿病患者を対象に行われた18件のRCTを分析し、鍼灸が血糖値管理や合併症の緩和に与える効果を評価しました。
主要成果: 空腹時血糖値(FPG)は鍼灸治療群で平均15mg/dL低下。HbA1cは平均で0.6%減少。血糖値だけでなく、炎症性マーカー(C反応性タンパク、TNF-αなど)の有意な減少も確認。
限界点: 一部の研究でサンプルサイズが小さいことや、治療方法の不統一が問題視されました。さらに、偽鍼(シャム鍼)を用いた試験の不足も課題として挙げられました。
◎鍼灸が糖尿病に与える効果のメカニズム
鍼灸が糖尿病患者の症状改善に寄与する可能性が示唆される一方で、その効果を裏付ける生理学的メカニズムはまだ完全には解明されていません。しかし、以下の仮説が広く支持されています。
1. 自律神経系の調節 鍼灸は交感神経の過剰な活動を抑制し、副交感神経を刺激することで、インスリン分泌やグルコース代謝を改善すると考えられています。特定の経穴刺激が迷走神経の活性化を誘発し、血糖値の低下をもたらす可能性が示されています。
2. 抗炎症効果 慢性炎症は糖尿病の病態形成に深く関与しています。鍼灸が炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の産生を抑制し、炎症反応を緩和することで、インスリン感受性を改善する可能性が示唆されています。
3. ストレス軽減 鍼灸によるリラクゼーション効果がコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑え、血糖値の安定化に寄与するという報告もあります。
◎鍼灸治療の課題と今後の展望
課題1:研究デザインの改善 多くの研究で盲検化の不備やサンプルサイズの不足が課題として挙げられています。特に、偽鍼(シャム鍼)を用いた対照試験が、効果を正確に評価する上で重要です。
課題2:経穴の標準化 経穴や治療手法が研究ごとに異なるため、結果の再現性に欠ける場合があります。統一された治療プロトコルを策定することが求められます。
課題3:長期的効果の検証 現在の研究は短期間の効果に焦点を当てたものが多く、鍼灸治療の長期的な安全性や有効性についてのデータが不足しています。
今後の展望 :鍼灸は糖尿病の標準的な治療法を補完する有力な手段として、さらに発展する可能性があります。特に、個別化医療(=体質や病気の特徴に合った治療を行うこと)の観点から、患者の病態や体質に応じた鍼灸プロトコルの最適化が期待されています。
糖尿病に対する鍼灸治療は、血糖値管理や合併症緩和において有望な補完療法として注目されています。近年の臨床研究やメタアナリシスは、鍼灸が糖尿病管理に一定の効果を持つことを示唆していますが、研究デザインや標準化の不足といった課題も残されています。今後、高品質な研究を通じて鍼灸の有効性と安全性が確立されることで、糖尿病治療における選択肢がさらに広がることが期待されます。 糖尿病治療の目標は、血糖値を良好に維持し、合併症のリスクを低下させることにあります。HbA1cの目標値は一般的に 7.0%未満 とされていますが、高齢者や合併症を有する患者では、個別の目標値が設定される場合があります。 治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法(経口薬やインスリン)であり、これらを組み合わせて血糖コントロールを行います。特に合併症の予防や患者の生活の質(QOL)を向上させることが重視されています。
ここまでは各研究テーマに沿ったお話になりました、以下は臨床に携わる私の所感です。 患者様と接させて頂く中で糖尿病の治療は血糖値管理だけでなく、合併症の予防や患者の生活の質(QOL)の向上も大切なのだと感じ、鍼灸師としてそこにアプローチをかけることを目指しています。一部の患者様は薬物療法だけでは血糖値のコントロールが不十分な場合があり、補完医療や代替医療が選択肢として取り上げられることがあります。鍼灸治療はその一つです。
私達が行う鍼灸は基本的に東洋医学に基づく治療法であり、体内の「気(エネルギー)」の流れを整えることで、自然治癒力を高め、病気を改善するとされています。 気の流れ?と聞くと少し胡散臭く聞こえるかもしれませんが、私達は日常の中から「なんとなく雰囲気が悪い」「嫌いな人がいて気が重い」「あの人は良く気が配れる人だ」「気のせいかもしれないが誰かに追われている気がする」といったように、無意識に「気」という言葉を使っています。 気は見える物ではないですが、確実に私達の生活に根付き、そしてそこに存在する物といっていいのではないかと考えます。 私達鍼灸師は細い針を体の特定のツボ(経穴)に刺し、気の流れを調整します。 灸治療では、もぐさを燃やして熱刺激を与えます。これらは、神経系や血流、免疫機能に影響を与えると考えられています。 現代医学的には、鍼灸が神経伝達物質やホルモンの分泌を調節し、鎮痛や抗炎症効果をもたらす可能性があるとされ、糖尿病の症状や合併症への効果が期待できます。 現在西洋医学のように症状に合わせて薬の種類が増えていくという物ではなく、人の身体の状態をみて鍼を刺す経穴や施術を決めて参ります。次回はこちらの内容のついて詳しくお話させて頂きたいと思います。
以下は今回のまとめです。
◎鍼灸治療と糖尿病の関係まとめ
① 血糖値の管理
いくつかの研究では、鍼灸が血糖値を改善する可能性が示唆されています。例えば、ある臨床研究では、鍼灸治療がインスリン感受性を向上させ、血糖値を低下させる効果が確認されています。この効果は、鍼灸が副交感神経を活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制することで実現していると考えられます。 動物実験では、特定のツボ(例えば胃経の足三里、脾経の三陰交)への鍼刺激が血糖値を低下させるメカニズムが報告されています。この現象は、β細胞の機能改善や炎症の軽減によるものとされています。
② 糖尿病の合併症の改善
糖尿病の有名な合併症として神経障害、腎障害、網膜症という三大合併症が挙げられます。 この中でも特に糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、患者に痛みやしびれを引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。鍼灸治療は末梢血管の拡張、神経の過剰興奮の抑制を引き起こし、神経障害の症状を軽減する可能性があります。近年では2020年に発表されたメタアナリシスによると、鍼灸治療は糖尿病性神経障害の疼痛緩和に有効であるとされました。この研究では、鍼が血流改善や神経伝達物質の調整を通じて、神経障害の症状を軽減することが示されており、伝統的な東洋医学に再現性のある西洋医学の良い所が合わさった一例ではないかと感じます。
③ その他の効果
鍼灸治療の刺激は末梢の神経から脊髄に入力され、刺激は脳・脳幹部へ電気刺激として伝えられて中枢神経に良い影響を及ぼす事が知られています。とくに鍼灸治療は痛みを伴うストレスの軽減や睡眠の改善にも役立つとされ、これが糖尿病の管理に間接的に貢献します。ストレスは血糖値を上昇させる要因となるため、鍼灸によるリラクゼーション効果は治療の補助として重要です。
④ 鍼灸治療の限界と注意点
一方で、現在西洋医学が万能でないように東洋医学、鍼灸治療にもいくつかの課題があります。まず、治療効果には個人差があり、すべての患者に有効とは限らないという事です。糖尿病に限ったことで言えば糖尿病の重症度や合併症の進行状況によってもその効果が異なるため、適切な診断と専門家による施術が合わせて必要となります。 さらに、現在でも研究が進んでいるとは言え、鍼灸治療は薬物療法の完全なる代替ではなく、あくまで補助的な役割を果たすものである点に留意する必要があります。軽度の方で医師からの同意を得て、施術を行っている方も多くご来院されております(運動療法・食事療法などで対応可能な患者様が多い印象です)、血糖値のコントロールが不安定な場合には、鍼灸治療のみでの管理は推奨されませんのでお気を付けくださいませ。
⑤ まとめと今後の展望
鍼灸治療は、糖尿病の補完医療として一定の可能性を十分に示しています。特に血糖値の調整や神経障害の症状緩和、ストレス軽減といった側面で有益な効果が期待できます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、エビデンスに基づく適切な治療法の選択と、医師や鍼灸師との連携が重要です。
今週も読んで下さりありがとうございました。 今回は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか? 鍼灸は古くからの伝統療法でありながら、現代の科学の力によってその効果が再評価されています。臨床研究の進展により、鍼灸がさまざまな症状に対して有効であることが示されてきました。今後も鍼灸の研究が進むことで、より多くの人々がその恩恵を受けられることを私は期待しています。皆さんも鍼灸に興味を持ち、実際に体験してみることで、その効果を実感していただければと思います。
来週は・・・今回の内容を踏まえ、「鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴」に関してお話させて頂きます。どうぞ付き合い頂けますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「糖尿病の病態」についてお話させて頂きます。
前回の内容も踏まえ、糖尿病のメカニズムや進行過程、症状について掘り下げていきたいと思います。重複する内容もある為、おさらいも兼ねて是非お読みくださいませ。
・糖尿病とは
糖尿病は、血液中のグルコース(血糖)の濃度が慢性的に高くなる代謝性疾患です。その発症には主に、インスリンの分泌不足またはその作用の低下が関与します。この状態が続くことで、全身の臓器や組織に深刻なダメージを与え、特に血管、腎臓、神経、網膜などが影響を受けます。糖尿病の病態を理解するために、慢性的な高血糖の影響とその進行過程を詳しくご説明していきたいと思います。
1. 血糖値調節の破綻
通常、血糖値は膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって調節されています。インスリンは、食後に上昇した血糖を血液から取り出し筋肉や肝臓、脂肪組織に取り込ませることで、血中のグルコース濃度を一定に保ちます。しかし糖尿病では、この調節システムが破綻してしまいます。主に次の2つの病態が絡み合って高血糖が持続します。
インスリン分泌の減少:膵臓のβ細胞が損傷または機能低下を起こし、インスリンの供給が不足する。これは1型糖尿病で特に顕著です。
インスリン抵抗性:インスリンが十分に分泌されていても、標的組織での作用が低下し、細胞がグルコースを取り込めなくなる。この状態は2型糖尿病の主な特徴です。
2. 慢性高血糖の進行と影響
慢性的な高血糖状態は、全身の代謝バランスを崩し、多くの合併症を引き起こします。
(1) 微小血管障害(細小血管への影響)
血管内皮細胞が高血糖にさらされることで、毛細血管が損傷し、以下の合併症を招きます。
糖尿病性網膜症:網膜の毛細血管が障害され、視力低下や失明の原因となります。
糖尿病性腎症:腎臓の糸球体が損傷し、蛋白尿や最終的には腎不全を引き起こします。
糖尿病性神経障害:末梢神経や自律神経が損傷を受け、手足のしびれや感覚鈍麻、消化器症状が現れます。
(2) 大血管障害
大血管における動脈硬化が促進され、以下のような疾患のリスクが高まります。
冠動脈疾患:心筋梗塞や狭心症の原因となります。
脳血管障害:脳梗塞や脳出血が発症するリスクが上昇します。
末梢動脈疾患:足の血流が不足し、潰瘍や壊疽の原因となります。
3. 糖尿病の進行過程
糖尿病の進行は、初期段階から後期段階まで、以下のように展開します:
初期段階(無症状期)
血糖値が基準値を超えても、自覚症状がない場合があります。この段階で早期診断と管理が行われない場合、次第に症状が現れます。
中期段階(症状の顕在化)
高血糖に伴い以下の症状が発生します:
◎多飲・多尿・多食
血中の糖を薄めるために喉の渇きが出てしまい、その結果頻尿が起こります。また異常な食欲の増加も見られます。
◎体重減少
自分の膵臓からでるインスリンが少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうため、体重低下(食べてもやせる)が起きます。
◎倦怠感:血糖値が高いままではエネルギーが細胞に行き渡らないため、慢性的な疲労感が生じてしまいます。
後期段階(合併症の進展)
適切な管理が行われない場合、微小血管障害や大血管障害が進行し、前述のような重篤な合併症が現れます。
4. インスリン抵抗性のメカニズム
特に2型糖尿病では、インスリン抵抗性が発症と進行に深く関わっています。この病態では、インスリンの作用が標的細胞で効率的に発揮されず、以下の要因が原因とされています:
肥満と炎症:肥満に伴い、脂肪組織から炎症性サイトカインが分泌され、これがインスリンシグナルを妨害します。
筋肉の糖利用低下:運動不足により筋肉がグルコースを効果的に取り込めなくなる。
遺伝的要因:インスリン作用の低下に影響を与える遺伝的な変異が存在する。
今週も読んで下さりありがとうございました。
今回は糖尿病の病態についてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?糖尿病は早期の発見と適切な治療で進行を遅らせ、合併症を予防できる疾患です。
来週は今月の大きなテーマである糖尿病と鍼灸の関わりについて、「糖尿病に対する鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー 」に関してお話させて頂きます。糖尿病に対する鍼灸の効果について文献をもとにお話させて頂きますので、お付き合い頂けますと幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今月は「鍼灸と糖尿病」を題材としてお話させて頂きます。
現代の私たちの食生活を少し立ち止まって考えると、忙しい日常の中で糖質や脂肪に偏った食事を摂ることが多いかもしれません。便利さを追求した結果、自然そのものから離れた食品が当たり前になりつつあります。
原人時代、人間は食料が常に得られる環境ではなく、狩猟や採集で得た食べ物を効率よくエネルギーに変え、脂肪として蓄える性質を進化させました。この適応は飢餓に備えるためには有効でしたが、現代の高糖質・高脂肪食品が手軽に得られる状況に適応しきれていません。進化の名残が、現代の食生活の影響で健康問題を引き起こしているのです。
そんな中、私たちが本来持っている「自然治癒力」を引き出す方法として、鍼灸が注目されつつあり、糖尿病による慢性的な疲れやストレス、さらには合併症の緩和に役立つと考えられております。
本記事では、鍼灸がどのように糖尿病の治療や日常生活にプラスの影響を与えるのか、わかりやすくお伝えします。
身体と心のバランスを整えながら、自分らしい健康を取り戻すヒントを一緒に見つけていきましょう。
今回はまず糖尿病の分類や発症原因症状について詳しくご紹介させていただきたいと思います。最後までお付き合い頂けますと幸いです。
◎目次・導入
・糖尿病の定義と症状
・糖尿病の病態
・鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー
・参考文献
・鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴
◎糖尿病の定義と症状
・糖尿病の分類
糖尿病は、大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。
1型糖尿病は自己免疫疾患によるもので、インスリン治療が必須です。一方、2型糖尿病は生活習慣や遺伝的要因が複雑に絡み合い発症し、運動療法や食事療法を基本としながら、経口血糖降下薬やインスリン治療が用いられることがあります。
1型糖尿病
患者全体の約5%を占める疾患で、自己免疫反応により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなるのが特徴です。発症は小児期や青年期に多く、診断時の平均年齢は13~15歳とされています。発症率は人口10万人あたり年間1~5人で、地域差があります。
2型糖尿病
糖尿病患者の90%以上を占め、特に中高年に多く見られます。ただし、近年では若年層の肥満増加により、小児や思春期の発症も増加傾向にあります。診断時の平均年齢は40~60歳であり、BMI(体格指数)が25を超える人に多く発症するのが特徴です。
・糖尿病の診断基準
以下のいずれかを満たした場合、糖尿病と診断されます。
・空腹時血糖値が 126 mg/dL以上
・随時血糖値が 200 mg/dL以上
・HbA1c(ヘモグロビンA1c)が 6.5%以上
さらに、耐糖能検査(OGTT)において、2時間値が200 mg/dL以上の場合も糖尿病と診断される場合があります。
・糖尿病の症状
糖尿病の症状は、進行度や個人差によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
初期段階では、頻尿や喉の渇き(多飲)、食事をしてもすぐに空腹を感じる(多食)といった症状が現れることがあります。また、体内でエネルギー源が適切に利用されないため、体重減少が起こる場合があります。
進行すると、倦怠感や疲労感、視力のぼやけ(網膜への影響)、傷が治りにくい、手足のしびれや感覚鈍麻、感染症にかかりやすくなるなどの症状がみられることがあります。さらに、糖尿病が悪化し糖尿病性ケトアシドーシスに至ると、吐き気や呼吸困難などの重篤な症状が生じる場合があります。
今週も読んで下さりありがとうございました。
今回は導入として糖尿病の定義と症状についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
判断基準のひとつであるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は健康診断の採血や献血の際の数値項目の1つに入っているので、自分が糖尿病ではないかと不安な方はぜひそちらをご覧になってみてください。血液検査は最も確実な検査方法です。
来週は・・・「糖尿病の病態」に関してお話させて頂きます。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きます。 前回お話させて頂いた鍼の作用について触れながらの内容になりますので、もしまだご覧になっていない方はぜひそちらも合わせてご活用くださいませ。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する臨床研究
現代社会において、電子機器の長時間利用が避けられない状況下、眼精疲労が深刻な健康問題として注目されています。視覚のかすみや目の乾燥感、頭痛、肩こりといった症状は、生活の質を著しく低下させます。こうした問題に対し、鍼灸治療が自然治癒力を引き出す非侵襲的な手段として関心を集めています。本節では、眼精疲労に対する鍼灸治療の効果を検証した主要な臨床研究について解説していきます。
・研究方法について
鍼灸の効果を評価する為にランダム化比較試験(RCT)や準ランダム化比較試験(CCT)などの試験方法を用いた研究が広く世界で実施されています。
ランダム化比較試験(RCT)・準ランダム化比較試験(CCT)とは、個人の背景因子の偏り(交絡因子)をできるだけ小さくし、ある試験的操作を行うこと以外は公平になるように対象の集団を無作為に複数の群に分け、その試験的操作の影響と効果を測定し、明らかにするための比較研究です。薬物や治療法を適正に評価するための方法として、よく採用される試験方法です。
・鍼灸治療による効果毎の文献
血流改善による筋肉の緊張緩和
鍼灸治療は血流を改善し、毛様体筋(ピント調節に関与する筋肉)の緊張を緩和します。2018年に実施されたランダム化比較試験(RCT)では、鍼治療を受けた被験者が目の疲労感、乾燥感、かすみといった症状の顕著な改善を報告しました。この研究は、鍼灸が毛様体筋の血流を増加させ、調節機能を正常化することを示唆しています。
自律神経系の調整
長時間の画面作業により交感神経が優位になると、毛様体筋の過度な緊張が誘発されます。鍼灸治療は自律神経のバランスを整える作用を有し、「瞳子髎」や「攅竹」といった経穴への刺激が眼精疲労の軽減に寄与します。これらの刺激により、視神経への負荷が減少し、ピント調節能力が回復することが確認されています。
炎症の抑制
鍼灸治療には抗炎症作用があるとされ、目の表面に生じる炎症を抑える効果が期待されています。ドライアイの患者を対象とした臨床試験では、涙腺の神経を刺激することで涙液の分泌が促進され、乾燥感が軽減することが明らかになりました。
視覚調節機能の改善
ランダム化比較試験(RCT)では、デジタル眼精疲労患者において鍼灸治療が調節速度を向上させ、目の疲れや視覚のかすみを軽減する効果が示されています。これにより、鍼灸治療が電子機器利用後の目の回復能力を高めることが示唆されました。
ドライアイの軽減
ドライアイに対する鍼灸治療の研究では、涙腺の機能が向上し、涙液量が増加する結果が得られました。この改善は、治療群において統計的に有意な差を示しており、鍼灸の神経調整作用が主因とされています。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する臨床研究に対するレビュー
臨床研究に対するレビューとは:眼精疲労に対する鍼灸治療の有効性について、先行研究を基にその科学的妥当性や課題を評価し、鍼灸治療の持つ利点を検討するとともに、今後の研究が注力すべき方向性についても論じること
◎臨床研究の成果に基づく評価
鍼灸治療の眼精疲労に対する有効性は、複数のRCTやメタ分析により支持されています。特に、血流改善、自律神経系の調整、抗炎症作用といった多面的なメカニズムが症状改善の根拠として示されています。
◎現代医学との補完的役割
鍼眼精疲労に対する鍼治療は、伝統的な東洋医学の知見を活かした効果的なアプローチとして、近年注目されています。多くのメタアナリシス(前述したランダム化比較試験(RCT)など複数の原著論文のデータを定量的に結合させる統計学的研究手法です。ひとつひとつの研究の結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価をすることができます)が実施され、その中で鍼治療が眼精疲労の症状緩和に寄与する可能性が示されています。特に、目の疲れ、乾燥感、重だるさといった症状が改善されたとする報告が多く見られます。
鍼治療が効果を発揮する理由として、上記の通り経穴(ツボ)への刺激が血流を促進し、目の周りの筋肉の緊張をほぐすとともに、自律神経のバランスを整えることが挙げられます。これにより、眼精疲労の根本的な原因にアプローチし、単なる対症療法にとどまらない包括的な効果が期待できます。また、リラクゼーション効果も得られるため、精神的ストレスが緩和される点も大きな利点です。
メタアナリシスでは、鍼治療が通常の治療法やプラセボ(偽の治療)に比べて、統計的に有意な改善をもたらすとする結果が報告されています。一部の研究では、眼の疲労回復だけでなく、作業効率や生活の質(QOL)の向上も確認されています。
全体として、鍼治療は眼精疲労に対する有望な選択肢として、多くの研究者や医療専門家から評価されています。安全性が高く、副作用が少ない点も大きな魅力であり、今後ますます利用が広がると期待されています。
◎参考文献
1. Liu, X. et al. (2018). Effects of Acupuncture on Ciliary Muscle Function in Visual Fatigue Patients. Acupuncture Research Journal. 2. Cheng, K. et al. (2020). Regulation of Autonomic Nervous System through Acupuncture. Journal of Integrative Medicine. 3. Zhang, H. et al. (2019). Anti-inflammatory Effects of Acupuncture in Dry Eye Syndrome. Clinical and Experimental Ophthalmology. 4. Smith, C. et al. (2018). Acupuncture and Digital Eye Strain: A Randomized Controlled Trial. Journal of Alternative Medicine. 5. Wang, Y. et al. (2021). Efficacy of Acupuncture on Digital Eye Fatigue. Digital Health and Therapy Journal.
今週は「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は鍼灸の効果への評価に関する内容でしたが、聞きなれない用語も出てきて、少し難しく感じられた部分もあったかと思います。それでも、鍼灸の世界を少しでも身近に感じていただければ幸いです。鍼灸が気軽に皆さんの健康管理やセルフケアの選択肢のひとつとなることを願っています。
眼精疲労についてのシリーズは一度ここで区切りとなりますが、今月のブログはいかがでしたでしょうか?
もしここについて掘り下げて欲しい等ご要望があれば是非お聞かせください!
来月からはまた新しい題材でブログを更新していきますので、お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「眼精疲労に対する鍼灸治療の効果と効能」また「使われる経穴(ツボ)」についてお話させて頂きます。 最後までお付き合い頂けますと幸いです。
まずは鍼灸治療のメカニズムからお話致します。
◎鍼灸治療のメカニズム
鍼を刺すと、体の神経が反応して、その場所で「軸索反射」という反応が起こります。
軸索反射とは、外部刺激(例えば、痛みや熱刺激)が神経終末に伝わる際に、通常の中枢神経系を介した経路を取らずに同じ神経線維内で反射的な応答を引き起こし、神経終末から神経伝達物質が放出されるという反射です。
この神経終末から出る神経伝達物質(「サブスタンスP」や「カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)」など)が血管を広げ、血の巡りを良くし、酸素や栄養を多く運ぶことで、体が楽になります。また、痛みを和らげる物質も出るので、痛みや炎症が軽減されます。
◎鍼灸治療の眼精疲労に対する効果
1. 血流の改善
前述したように、鍼灸の主要な効果の一つは体全体や局所の血流を良くすることです。鍼で経穴を刺激すると、毛細血管が広がり、血流が増加します。これにより、目の周囲の血行が良くなり、酸素や栄養が十分に届くようになり、眼精疲労が和らぎます。また、体全体の経穴に鍼を施すことで、肩や首の緊張が緩和し、目の疲れに伴う全身の不調も改善されることが期待されます。
2. 自律神経の調整
眼精疲労は、交感神経が優位に働き過ぎている場合に引き起こされることが多いです。交感神経が優位な状態が長く続いてしまうと筋緊張が強くなりやすく、これは肩や首などの筋肉だけでなく、前回ご紹介した眼球周囲の筋肉も例外ではありません。鍼灸治療は副交感神経を刺激し、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、緊張や疲れを軽減します。
3. 筋肉の緊張の緩和
鍼灸治療は、目の周りや首・肩の筋肉のこわばりを緩和するのにも効果的です。緊張した筋肉に鍼を刺すことで、先ほどご説明した軸索反射によってその部位の血流を良くし、筋肉をほぐすことができます。また、鍼刺激によって体内で痛みを抑える物質が放出されるため、目や肩の疲れからくる不快感や痛みも和らぎます。
4. 炎症の抑制
鍼灸治療は免疫系に働きかけ、体内の炎症反応を抑える作用もあるとされています。鍼灸治療によって体内の抗炎症作用が活性化され、眼精疲労による目の不快感や違和感の緩和に繋がります。 5. 視力機能の向上 眼精疲労は、長時間の目の使用によって焦点を合わせる力が低下することが原因の一つとされていますが、鍼治療で眼球周囲の筋肉がリラックスし血行が改善されることで、水晶体の柔軟性が保たれ、焦点が合いやすくなり、視覚の質が向上する効果が期待されます。 次に眼精疲労に対してよく使われる経穴(ツボ)についてお話させていただきます。セルフケアに使いやすい経穴なので、ぜひお役立てください!
◎眼精疲労に効果的な経穴(ツボ)
睛明(せいめい)
位置: 目頭の内側、目と鼻の間のくぼみにあります。
効能: 眼精疲労に対して強い効果を持つとされ、眼球周辺の血流を改善することで視力の維持・向上を促進します。また、目の乾燥感やかすみ目を緩和し、目元の疲れが原因の頭痛にも効果的です。眼輪筋や涙腺に直接働きかけるため、ドライアイの症状にも有用とされています。
攅竹(さんちく)
位置: 眉頭の端で、鼻根部のやや上方に位置します。
効能: 眼精疲労だけでなく、眉間や額の緊張を緩和する作用があり、目の筋肉をリラックスさせます。特に上眼瞼挙筋の緊張を和らげる効果があり、長時間のデジタル機器使用で硬くなった目周りの筋肉をほぐす助けとなります。また、鼻の不快感や鼻詰まりにも有効で、目元と鼻の違和感を同時に緩和できます。
太陽(たいよう)
位置: こめかみの少し後ろにあり、目と耳の間に位置するくぼみです。
効能: 眼精疲労による頭痛やこめかみの重圧感を解消するのに役立ちます。側頭筋の緊張を緩和する作用があり、目からこめかみへ広がる痛みを和らげます。特に視覚の過剰な使用が引き起こす目の奥の痛みや、側頭部の圧迫感の軽減に効果的です。
風池(ふうち)
位置: 後頭部の髪の生え際、後頭と首の付け根にあるくぼみに位置します。
効能: 首や後頭部の血行を促進し、眼精疲労や頭痛に関連する緊張を緩和します。眼精疲労や視覚過労による首や肩のこりをほぐす効果があり、首や肩から目にかけての血行が改善されることで、全身の疲労感も緩和されやすくなります。
合谷(ごうこく)
位置: 手の甲にある親指と人差し指の間のくぼみ。
効能: 「万能のツボ」として知られ、眼精疲労だけでなく肩こりや首の張りなど、広範囲の不調に作用します。全身の気の巡りを整え、目の疲れが関係する肩や首の筋肉の張りも改善するため、眼精疲労とともに体全体の疲れを感じる場合に特に効果が高いとされています。
今週は「眼精疲労に対する鍼灸治療の効果と効能」また「使われる経穴」についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
特に合谷は有名な経穴ですので名前自体はご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、実は古典にも「面目は合谷に収む」という言葉があるほど顔や目と非常に関係のある経穴ということはあまり知られていないかと思います。手からの刺激で顔や目に影響を与えることができる。人の体は全身のあらゆるところで繋がっているんですね。
来週は・・・「鍼灸治療における臨床研究とそのレビュー」についてお話させて頂きます。お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今回は「眼精疲労の病態」と「眼精疲労の原因への対策」、またセルフケアについてお話させて頂きます。
最初にお話させていただく「眼精疲労の病態」については解剖学と生理学のお話が出てきますので少し難しい内容となっていますが、最後までお付き合い頂けますと幸いです。
◎眼精疲労の病態 ・眼精疲労に関わる解剖学的構造
眼精疲労の状態を更に深く理解するために、まず目の構造と機能についてお話させて頂きます。
眼球は視覚情報を処理するための複雑な構造を持っており、代表的なものとして角膜、水晶体、網膜、毛様体筋、眼外筋などがあげられます。
水晶体:毛様体筋の働きによって形を変える透明なレンズで、厚みを変えることで焦点調整を行います。近距離での作業が多い場合、水晶体は厚くなり続けるため、ピント合わせの負担が増します。この過度なピント合わせが眼精疲労につながります。
毛様体筋:水晶体の厚みを調節する筋肉で、近くの物を見るときに緊張し、遠くの物を見るときに弛緩します。長時間の近距離作業で毛様体筋が緊張し続けると、筋肉の疲労が起こり、眼精疲労が引き起こされます。この疲労感が続くと、焦点を合わせにくくなる「調節機能の低下」も招きます。
角膜 :眼球の最前部に位置する透明な膜で、光を屈折させ、眼内に導く重要な役割を果たしています。長時間のパソコンやスマートフォン作業では、まばたきの回数が減り、角膜の表面が乾燥しやすくなります。角膜の乾燥は「ドライアイ」を引き起こし、眼精疲労の一因にもなります。角膜が乾燥すると酸素供給が低下し、視覚がぼやける感覚や異物感などを生じやすくなります。
瞳孔:目の中央にある黒い円形の部分です。実際には光が目に入る穴であり、光を取り込むための「窓」の役割を果たします。瞳孔そのものには色素がなく、目の中に入った光が奥にある網膜(もうまく)に吸収されほとんど反射しないために黒く見えます。
虹彩:瞳孔の周囲を取り囲むようにある色素膜で、いわゆる茶色や黒色などの瞳の色がある部分です。虹彩の中にある環状の筋肉(括約筋)と放射状の筋肉(拡張筋)を働かせることで瞳孔の開き具合を調節し、光の量を調整する役割を担っています。明るい場所では瞳孔を収縮させ、暗い場所では拡大させています。明るすぎる環境や、光を発する電子機器を見ると虹彩が頻繁に収縮と拡張を繰り返し、疲労の原因となります。また、瞳孔を長時間収縮させていると筋肉の緊張が続き、目の疲れを感じやすくなります。
網膜:目の内部に薄く張っている膜状の組織で、光を電気信号に変換する視細胞(桿体細胞と錐体細胞)が含まれています。明るさの変動が激しい環境は網膜に負荷をかけ、視細胞の機能を低下させる可能性があり、眼精疲労や視力低下の一因となります。
眼外筋 :眼球の運動を担っている筋肉で、眼窩(がんか)、つまり眼球を入れる骨の窪みの内側にあります。視線を上、下、左、右、斜めに動かす役割をそれぞれの筋肉が果たしており、以下の6つの主な筋肉から構成されています。
①上直筋(じょうちょくきん) – 眼球を上方に動かす
②下直筋(かちょくきん) – 眼球を下方に動かす
③内直筋(ないちょくきん) – 眼球を内側(鼻側)に動かす
④外直筋(がいちょくきん) – 眼球を外側(耳側)に動かす
⑤上斜筋(じょうしゃきん) – 眼球を内側および下方に動かす
⑥下斜筋(かしゃきん) – 眼球を外側および上方に動かす
上記した毛様体筋と同じように、長時間同じ距離で物を見続けたり一点に集中して見続けたりすると、筋肉が過緊張状態に陥り、特に電子機器の使用時は、目の調節と輻輳(両目が同じ対象物に焦点を合わせるための動き)が長時間続くため、筋肉に負担がかかります。 このように解剖生理学的にみると眼精疲労は毛様体筋や眼外筋の過剰な緊張や、角膜の乾燥、網膜への負荷など、眼球の構造的な働きが過度に使われることで起こります。特に現代の電子機器の長時間使用は負担をかけやすく、眼精疲労を引き起こしやすいです。 また目の筋肉や血管は自律神経によって制御されており、交感神経と副交感神経のバランス視覚的なストレスが続くと、交感神経の活動過敏が促進され、毛細血管の収縮、血流の低下、目の酸素不足が生じ、このような状態が長時間続くと、眼精疲労が慢性化し、疲労感や頭痛さらには不眠症や集中力の低下などの全身症状を伴うことがあります。
◎眼精疲労の原因への対策
では次に、眼精疲労を防ぎ、目を労わるための具体的な方法についてご説明致します。
・定期的な休憩を取る 何度も記載していますが目の疲れを感じる原因の一つは、近くの物を長時間見つめ続けることです。実は対策は最も簡単で、定期的に遠くを見る習慣をつけるだけで目の筋肉(特に、焦点を合わせるために使われる筋肉)の緊張をほぐし、疲労を軽減することが期待できます。 具体的な目安としてはアメリカの検眼士ジェフリー・アンセルム医師考案の「20分に一度、20フィート(約6メートル)以上離れたものを20秒間見る」という20-20-20ルールがおすすめです。
・正しい姿勢と画面配置を保つ 姿勢が悪いと、目だけでなく首や肩など全身にまで負担がかかります。画面の配置や姿勢に配慮し、体全体に余分な負担がかからないように以下のポイントを参考に環境を改善しましょう。 画面の高さ:自然な視線の高さを維持するために画面の上端が目の高さか、やや下になるように調整しましょう。
画面との距離:画面と目の距離は40~70cm程度を目安にします。画面に近づきすぎると目が疲れやすくなりますので、少し距離を取ることを意識しましょう。
姿勢:背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、リラックスした姿勢を心がけます。椅子の高さを調整し、足が床にしっかりとつくようにするとよいです。
・目を温める 温かいタオルなどで目の周りを温めることで血行を促進し、疲れを感じにくくする効果が期待できます。温かさでリラックス効果も得られ、特に一日中パソコン作業をした後や寝る前におすすめです。 温かいタオル(電子レンジで数十秒温めると簡単に用意できます)を目に当て、2~3分ほどそのままにします。寝る前でなければ、温めた後に冷たいタオルで数秒冷やすと、血行促進により一層の効果が得られます。 (温めたタオルで火傷をしないようにお気を付けください)
・目の体操を行う 目をぎゅっと閉じて3秒間キープし、ぱっと開けます。これを5回程繰り返します。 数秒ほどの簡単な手順で血流改善や目の筋肉の緊張を緩める効果が期待できます。
・目に優しい環境を整える 目の疲れを軽減するためには、作業環境も大きく影響します。特に照明や画面の明るさに気を付けることが大切です。 照明と画面の輝度:画面の明るさと部屋の明るさを同じ程度に調整することが大切です。画面や照明がもう一方よりも明るすぎたり、逆に暗すぎたりすると、目が疲れやすくなります。
・規則正しい生活と食事 目の健康を維持するためには、生活習慣も見直す必要があります。バランスの取れた食事と規則正しい睡眠が重要です。 睡眠:目の疲労を回復させるためには、質の良い睡眠が欠かせません。適切な睡眠をとることで、目だけでなく体全体の疲れも癒されます。 栄養:ビタミンAやルテインを含む食品は目の健康に良いとされています。野菜(特に緑黄色野菜)や果物、魚をバランスよく摂取しましょう。
今週は「眼精疲労の病態」と「眼精疲労の原因への対策」、またセルフケアについてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか? セルフケアの中でも特に「目を温める」はタオルやホットパックの重みによって眼球が圧迫され、アシュネル反射という副交感神経を優位にしたり、血圧を下げるなどのリラックスした状態になりやすくなる反射が起こるため、効果が期待できます。日中の疲れをリセットし、深い眠りにつく準備にぜひ取り入れてみてください。
来週は・・・「眼精疲労に対する鍼灸治療の効果と効能」、「使われる経穴」についてお話させて頂きます。お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
こんにちは!セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の佐々木です。
今月は「鍼灸と眼精疲労」を題材としてお話させて頂きます。
コロナ禍以降、オンライン授業や在宅勤務などデスクワークが増えたことで、「目が疲れる」「目が重怠い」といった症状に悩む方が多くなってきているのではないでしょうか?プライベートでもパソコンやスマートフォンを長時間使用することが日常となり、目への負担を感じる場面も増えているかと思います。
特にデスクワークに従事する方が抱えがちな「眼精疲労」、近年では耳にすることを増えたかと思いますが、何となくぼんやりとしたイメージではないでしょうか?今回はまず、具体的にどのような状態を指すのか、またその原因や症状について詳しくご紹介させていただきたいと思います。眼の健康を保ち、お身体の状態をより良いものにし、仕事や学業のパフォーマンスを上げるためにも、是非ご覧ください。
◎目次・導入
・眼精疲労の定義と症状
・眼精疲労の病態
・鍼灸治療の効果と効能、使われる経穴
・鍼灸治療における臨床研究、またそのレビュー
・参考文献
◎眼精疲労の症状
症状の例としては先程あげた目の疲れや重怠さ、視力の低下、視界のぼやけ、視覚障害、目の痛み、かゆみ、ドライアイなど乾燥感、頭痛などがあげられます。
これらの症状は特に長時間のパソコン作業や読書、細かい作業など、集中力を必要とする視覚活動に関するものが多いです。
◎眼精疲労の定義
実は眼精疲労の定義自体は、医学的に明確に確立された概念ではありません。眼科の専門家や研究者によって症状の捉え方や診断基準が異なることもありますが、一般的には「目の過労」として理解され、特定の作業後に一時的な疲労感や不快感を含む広範な概念とされています。現代では電子機器を2時間以上見続けた場合に生じる眼の不快感と視力低下を指す「デジタル眼精疲労」(コンピュータービジョン症候群 = CVS)という電子画面を用いた作業によって起こる新たな眼精疲労が特に注目されています。
◎眼精疲労の原因
眼精疲労(眼精疲労)は、現代社会において非常に一般的な健康問題であり、特に電子機器の使用の増加に伴ってその発症率は急増しています。現代社会において最も一般的な眼精疲労の原因の一つはパソコンやスマートフォン、タブレットなどの電子機器の長時間使用です。
電子機器を使用していると、集中しているためにまばたきの回数が減少します。まばたきは目の表面を潤す役割を果たしており、まばたきが減るとドライアイや目の疲れを引き起こす原因となります。パソコン作業中のまばたきの頻度は通常の状態の半分以下になることがあるとの研究データもあります。
そして次に、電子機器の画面は文字や画像が小さく、コントラストが低い場合が多いため、目に対する視覚的な負荷が増加します。特に、長時間の近距離作業は目の筋肉に負担をかけ、眼精疲労を引き起こす要因となります。
また、電子機器を使用する際の姿勢や周りの環境も影響を与えます。例として画面の位置や周囲の照明、前傾姿勢、猫背等などが挙げられます。
二つ目の原因としては心理的なストレスがあげられます。
心理的なストレスは全身の自律神経のバランスを乱し、交感神経系を過活動状態にしてしまいます。これにより筋肉に不必要な緊張をもたらし、眼精疲労の症状をさらに悪化させることがあります。
三つ目は適当な視力矯正が行われていない場合です。
眼鏡やコンタクトレンズが個人の視力に合わせ適切に調整されていない場合、身体が視力の調整を余計に行う必要があり、目の疲労の要因となります。また、遠視や近視、乱視などの異常が矯正されていない場合も同様です。
上記した
・電子機器の長時間使用
・心理的ストレスによる交感神経系の過活動
・不適切な視力矯正
こちらの三つが主な眼精疲労の原因となります。
今回は眼精疲労の定義と症状についてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?原因の中に心当たりのある方は多くいらっしゃるかと思います。
来週は・・・「眼精疲労の病態」、そして今回お話した「眼精疲労の原因への対策」についてお話させて頂きます。日常的に取り入れられるセルフケアについてもお話させていただきますので、お読みいただけますと幸いです。
今週も読んで下さりありがとうございました。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院 佐々木
皆様、こんにちは。
セドナ整骨院・鍼灸院・カイロプラクティック 千葉駅前院の出口です。
今年の夏も暑い事が影響をしてか多くの患者様が不調を訴えてご来院されて参ります。
セドナ治療院グループではうつ、自律神経失調症、パニック障害、適応障害などの精神領域が強く関与する訴えも患者様から多く相談を受けております。
その中でも本日は「うつ病(Depression、Major depressive disorder)」にフォーカスを当てた内容を纏めさせて頂いました。
お悩みのある患者様のお力に成れますと幸いです。宜しくお願い致します。
◇◆◇ 目次 ◇◆◇
・うつ病とは
・うつ病の定義と評価尺度の一例
・うつ病の原因・発症因子
・うつ病に対する治療
・うつ病に対する補完代替医療
・うつ病の予後
・うつ病の再発について
・うつ病の再発予防 ①補完代替医療における鍼灸の効果
・うつ病の再発予防 ②統合医療における鍼灸の役割
うつ病とは
うつ病(Depression、Major depressive disorder)は、持続的な抑うつうつ感や、生活の質に影響を与える精神領域の疾患です。世界保健機関(WHO)によると、世界で約2億8000万人がうつ病を抱えています、特に働き盛りの年齢層に多く見られます。うつ病は精神的な苦痛だけでなく、身体的な症状も伴うことが多いため、適切な治療が必要になります。
うつ病の症状は多岐にわたり、個人によって異なりますが、主な症状として以下が挙げられます
「持続的な気分の低下」 「興味や喜びの喪失」 「体重変動」 「睡眠障害」 「集中力や判断力の低下」 「自傷行為と自殺念慮」等が挙げされます。
うつ病の原因は単一ではなく、複数の関与が関与します。以下に主要な関与を示します
うつ病の定義と評価尺度の一例
うつ病とは「精神活動が低下し、気分が落ち込んだり、興味や関心が薄れたりして、日常生活に支障をきたす精神疾患」と定義されており、診断は専門医が行います
・軽度のうつ病:日常生活に耐えましたが、ある程度の機能は維持できる
・中等度のうつ病:症状を客観的に、日常生活や社会的・職業的機能に大きな障害を考える
・重度のうつ病:少々障害があり、日常生活を送ることが困難な状態
以上に分類されており、国際的にも様々な評価尺度があります。多く使用されている評価尺度を2つご紹介いたします。
DSM-5は米国精神医学会(APA)が発行している精神疾患の診断基準で、この基準ではうつ病を「大うつ病性障害(Major Depressive Disorder)」としています。
尺度の中でも以下の症状のうち「5つ以上」が「最短2週間以上ほぼ毎日持続している場合」うつ病と診断します。この際、最も①または②の症状が含まれている必要があります。
「抑うつ気分」「興味や喜びの喪失」「体重の追加や食欲の変化」「不眠または過眠」「落ち着かない」「動作が遅くなる(精神運動の焦りまたは抑制)」「慢性的な疲労感」「エネルギーの喪失」」「無価値感」「思考力や集中力の低下」「決断の困難」「自殺願望や自傷行為」「死について繰り返し考える」以上となります。
これらの症状が日常生活や社会的、職業的な機能に大きな障害をもたらしている場合には、うつ病と診断されます。
ICD-11は世界保健機関(WHO)が定めた国際的な疾患分類基準で、疾患に関しても定義を提供しています。ICD-11ではうつ病を「うつ病エピソード(Depressive Episode)」または「再発性うつ病障害(Recurrent Depressive Disorder)」として記載しています。
診断基準(ICD-11)のうつ病の診断基準は、以下の特徴を持つエピソードが短くとも2週間以上続く物
「うつ気分」「興味や喜びの喪失」これらに加えて、以下の症状のいくつかが同時に現れることが多いです
「集中力の低下」「自尊心の低下」「罪悪感や無価値感」「睡眠障害」「食欲の変化」「自殺念慮」など
うつ病の原因・発症因子
うつ病の原因は単一ではなく、複数の要因・因子が関与します。一般的に言われている代表的な物を以下に上げさせて頂きます。(
1.遺伝的要因
うつ病は家族内での発症リスクが高い事が研究により示されています。この事から、遺伝的な影響がうつ病の発症に気づいていると現在では考えられています
2.生物学(生理学)的要因
特にセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が不足し、過剰に分泌されたりする事が考えられます。
3.環境的要因
ストレスフルなライフイベント(離婚、経済的困難など)は精神的ストレスレベルの向上に伴い、うつ病の発症リスクが高まります。また、児童期のトラウマ体験や苦しみも長期的な心理的影響からうつ病の発症リスクを高めていきます。
4.心理的要因
ネガティブな思考パターンや自己評価の低さ、緊張なプレッシャーを感じる性格的特性は、うつ病を発症しやすいとされています。自己批判的な性格や完璧主義傾向がある人は、うつ病に罹りやすいという報告もされています。
うつ病に対する治療
うつ病への治療としては日本では「休養」、「薬物療法・投薬」、「精神療法・カウンセリング」という大きな3つの柱があります。精神領域への病気と聞くと治療は特別なものと考えがちですが、実はこの治療の3本柱は身体疾患と基本的な考え方は同じものになります。
「休養」
人は傷んだ部分をあまり使わないようにする事で回復していく力を持っています。これを自己治癒能力や恒常性などと呼びますが、うつ病は脳のエネルギー欠乏・神経伝達物質の過不足などによるものですので、使いすぎてしまった脳をしっかり休ませるという事が治療の基本といえます。
例えば骨折を例にあげると、軽いひびが入っている状態と完全に折れている状態では休養の仕方が違うのと同様に、うつ病の治療における休養も、仕事を軽減する・残業をしないというレベルから、仕事を休んで療養する、というレベルまで人によって様々です。
「薬物療法」
治療には「休養」が何よりも不可欠ですが、苦痛な症状により休養が十分に取れない事があります。また、「うつ病の原因」の最後に述べたように、脳内の神経細胞の情報伝達にトラブルが生じています。そのため、脳の機能的不調を改善し、症状を軽減する為に現代西洋医学では薬物療法が推奨されています。
「心理療法・カウンセリング」
うつ病を引き起こす原因は決して一つではありません、この事からも現代西洋医学が推奨する休養と薬物療法のみがうつ病に対する治療ではありません。薬物療法も専門医の元、内服を行えれば効果を発揮しますが、一方で抗うつ剤で環境要因は解決しませんし、ましてやストレスをため込みがちな性格傾向や考え方も変わりません。心理療法・カウンセリングは、主に再発予防という観点が中心となります。同じような状況の中で、うつ病が再燃・再発しないように、ご自身の思考パターン・行動パターンを見直すということになります。
精神療法・カウンセリングの中には、「認知行動療法」、「森田療法」、「内観療法」などさまざまな治療法がありますが、共通しているのはご自身の中にある「生きようとする力」を見出す点です。重要なこととして、精神療法・カウンセリングは心の専門家が一方的に行うものではなく、患者さんが専門家とともに考えていくという自主性が大切です。医師が食事指導を行った際、大切なのは患者さんが食生活習慣を改善する意志と行動であるのと似ています。
うつ病に対する補完代替医療
うつ病(Major depressive disorder)は、抑うつエピソードを満たす気分の障害である。WHOの調査では、気分障害の患者数は世界的に増加しており、うつ病は、2020年には日常の健康な生活を障害する疾患の第2位になっており、気分障害に対する主な標準治療は薬物療法である。
日本におけるうつ病の第一選択・標準治療も現代西洋医学の投薬がメインになっているが、うつ病への初回の抗うつ薬の有効率は60~70%ほどで、抑うつエピソードの再発を繰り返す度に抗うつ薬の有効率は低下する。また、副作用の出現により服薬の継続が困難なこともあり、こうした再発を繰り返す例や薬物を用いにくい例への治療手段は限定的である為、難渋することが多い。一方で世界に目を向けると鍼灸治療やアロマテラピーなどの補完代替医療が大きな活躍をしている
ここ数年、定期的に放映されているNHK「東洋医学ホントのチカラ」という番組内で、「うつ病と鍼灸」について取り上げられていますし、世界中の医学的な臨床試験を網羅した「コクラン共同計画」のライブラリーには、現代西洋医学の臨床試験のレポートが大部分を占めていますが、鍼灸に関する実証的な研究論文も含まれています。なんと、その中でうつ病に対する鍼治療の効果を調べた論文は700本以上存在しる事が知られています。
例えば、2010年に発表した論文では、、、
抗うつ薬と鍼治療を組み合わせると、抗うつ薬単独の治療よりも症状が改善することが報告されています。
また、鍼通電治療と新規抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を組み合わせた場合、SSRI単独の治療に比べて明らかに症状が改善することが示されています。
北京中医薬大学が発表した論文内では、うつ病を腎虚肝欝・肝欝脾虚・肝胆湿熱・心腎不交・心脾両虚・心胆気虚の6種類のタイプに分け、1221例の患者さんを対象にそれぞれのタイプに合った鍼灸治療や漢方治療を行った事例が報告されており、治療効果は抗うつ剤単独グループと比較すると、鍼灸治療や漢方治療を併用したグループは、うつ症状が7日間で改善され始める効果が現れたのに対し、西洋薬のみの治療グループでは21日もかかったというというものでありました。
また鍼灸治療は身体所見によって乱れた自律神経のバランスの調整・前頭前野を中心とした脳血流量の増加に効果を上げています。
うつ病の予後
うつ病は治療を始めればすぐに効果が出て、治療が終わるというものではありません。
骨折などと同じように、治癒していく過程である程度の期間が必要になります。
症状が軽快していく過程も、良くなったり、悪くなったり、また良くなったりという小さな波を繰り返しながらトータルの期間で、ゆっくりと階段を1段ずつ上るように改善していきます。
そして、大切なのが適切な治療が行えればうつ病の多くは、以前のように元気で回復している状態、つまり「寛解状態」患者サイドとして「治った」と言える状態を迎える事が可能だという事です。
治療の期間は大きく分けて以下の3つの期間となります。
「急性期」
「回復期」
「再発予防期」
以上の大きく3つの期間です。
この3つの期間で大切にしたい事が各期間によって大事にしたい治療の内容が変わる事です。
急性期に特に重視したい治療方法が休養および薬物療養であり、回復期や再発予防期では薬物療法および心理療法・カウンセリング、鍼灸などの補完代替医療といった治療方法が重視されます。
繰り返しになりますが「うつ病の原因は明確な1つの原因ではない」事が圧倒的に多いので、3つの期間がそれぞれどれくらいの時間を要するかは、症状の程度、罹患期間、患者様を取り巻く状況などによって、大きな幅があります。
(一般的に言われている概ねの期間は、、、、急性期:1~3か月、回復期:4~6か月、再発予防期が1年~というのが典型的なうつ病の場合の大まかな目安となります)
もちろん軽症で早期に治療を開始した場合には、より早く再発予防期に移行することが可能となりますし、生活習慣病と同様、早期に対応することが重要である事は変わりありません。
うつ病の再発について
うつ病の再発率は、一度改善しても一般的には約60%が再発するというデータがあります
また、再発を繰り返すほど再発率が高まるとされ、2回うつ病にかかった方は約70%、3回かかった方は約90%と再発率が高まると傾向があるとされています。
うつ病の再発率が高い要因として、休養と薬物療法によって表面的な症状が治まっているだけで、根本的な原因が改善されていない事が考えられます。
そのため、治療が進んで症状が落ち着いてから、根本的な原因に目を向けて再発予防を考えなければなりません。
再発の大きな原因としては不適切な治療中断があり、適切に維持療法を行っていく事で再発率を十分に下げられる事が報告されています。
またうつ病の再発までの期間には個人差があり、3〜4年で再発するケースもあれば、30年以上経って再発するケースもありますので継続的に施術を行う事が有用とされています。
またうつ病の治療においてとても大切な事があります。それは「体調が回復してもすぐには治療を止めない」という事です。多くの患者様の場合、「回復期」の途中で寛解の状態(もしくは回復途中)を迎えていきます。
その際に多いのが、「自己判断で薬を止めてしまう。施術を途中でやめてしまう」という方が一定数いらっしゃいます。
その結果、せっかく寛解のレベルまで状態が回復したのに結果として症状の再発をしてしまう事があります。
来院間隔を空けていくタイミング、また薬物療法での減薬のタイミングは主治医によく相談する事が大切です。長期の施術や内服は漠然と心配だと思いますが、根気強く「再発予防期」を過ごす事が重要です
うつ病の再発予防 ①補完代替医療における鍼灸の効果
前述したようにうつ病の再発率は高く、治療を終えてもその後の数年間で再発する可能性があると言われています。この事から再発を防ぐ為には、適切な治療を続ける事が重要であり、現代西洋医学的な薬物療法やカウンセリングだけでなく、生活習慣やストレス管理、また鍼灸に代表される補完代替医療も高い成果を発揮しています。
◇鍼灸治療の効果◇
①ストレス軽減:ストレスと一口に言っても人間は医学的に4つの分野からのストレスを受けていると言われています。ストレスと言うと「精神的ストレス」を思い浮かべる人が多いと思いますが、医学的にストレスというのはそれだけではありません
それが「精神的ストレス」「構造的ストレス」「環境的ストレス」「化学的ストレス」の4つです。
精神的ストレス (人間関係、感情の抑圧など)
構造的ストレス (骨盤・背骨のゆがみ、姿勢、痛みなど)
化学的ストレス (栄養の過不足、薬品、大気汚染、花粉などのアレルギーなど)
環境的ストレス (温度や湿度、気候の変化、職場、学校、家庭など)
この4つのストレスが人はストレス耐性という名のコップに降り注いできます。
このコップのキャパシティーを超えるストレスが溜ると人は症状として自覚していきます。
つまりこのストレスを軽減する事がなによりも重要になります。
鍼治療による効果は細かいところまで厳密に上げていくと30種類以上あるとも言われています。
ここで簡単に鍼治療の効果を説明すると、人の身体は鍼を異物だと捉えます。そこにクリーンで安全な鍼が入ってくる事で、人の身体は鍼を異物だと捉え周りの毛細血管やリンパ管を拡張します。これにより固まった筋肉は緊張が取れ、副交感神経が刺激され、リラックスした状態を促すことができます。
また人の脳は現実と想像の区別ができない」と言われています。つまり脳は目の前に起こっている事が本当にストレスなのかが区別できないのです。人の思考も感情も今、目の前で感じている限局的な物で考えるとストレスの源になりますが、もう少し視野を広げて、「ストレスってなに?」という概念を知る事だけでもストレスに対して感情が整理されていきます。
②ホルモンバランスの調整:鍼灸治療はうつ病の発症に深く関わるセロトニンやドーパミンといった脳内の神経伝達物質のバランスを改善する事が広く知られています。このセロトニンやドーパミンは脳内の神経伝達物質でありながらも、その多くは腸管で作られている事が昨今の研究で明らかになっています
鍼灸治療は古くから腸管系の症状や疾患には絶大な効果をしめしており、またコントロールが行いやすい部位になります。また人の自律神経とホルモンの最高中枢は視床下部にあり、自律神経とホルモンは切っても切り離せない程の密な関係にあります。この事から鍼灸治療を行う事で長期的な視点でホルモンバランスの調整が可能となります。
③睡眠の質の向上:うつ病を抱える多くの患者様が何かしらの睡眠障害を持っているという事は広く知られている事実です。ある研究によるとその割合は全うつ病の患者様の77~90%に及ぶと言われています。
鍼灸治療は、非薬物療法の中でも研究ベースでも臨床でも、睡眠障害を改善し、安定した睡眠パターンを取り戻す事に一役を買っています。睡眠不足は心理的安定性を大きくそこないます。
公益社団法人日本鍼灸師会は、鍼灸の適応症として、成人・小児の「不眠」を掲げています。
また、WHO(世界保健機関)はレポート(2002年)の中で公式の声明やシステマティック・レビュー※によって、「鍼が有効、有益、あるいは有望である可能性が示唆されある疾患・症状」の一つとして「不眠」をあげています
うつ病自体の急激な改善は見込めませんが、良質な睡眠を獲得していくという事はうつ病の改善の為に必ず行うべき部分です。良質な睡眠は心の健康を保つために不可欠と言っても過言ではないでしょう。
鍼灸療法が不眠に効果を発揮するメカニズムは、状態に合った経穴〔ツボ〕を鍼や灸で刺激することで、刺激による信号が脊髄を経脳に伝達されることによります。
たとえば、ストレスによる不眠の場合、鍼灸の刺激による信号が視床下都-下垂体-副腎系(HPA系)に伝わり、内分泌反応の働きを正常に戻す役割を担います。HPA系が正常に働くようになることで覚醒作用のあるコルチゾールの過剰な分泌を抑え、正常な睡眠リズムを取り戻すとされています。また、筋肉のコリをほぐし、自律神経を整えることも不眠の改善に役立つとされています。
最後に、、、、うつ病の再発予防 ②統合医療における鍼灸の役割
前述したように現代日本におけるうつ病の治療の第一選択・標準治療は、通常、薬物療法や心理療法などが主な治療法となります。ですがこれは日本だけの話で欧米諸国、アジアの先進国では鍼灸に代表される補完代替医療をこれらの治療法と併用する事、様々な成果をあげていると共、統合医療の観点からさらなる効果が期待されています。
鍼灸は世界中でうつ病の再発予防において補完的な役割を果たしますが、その効果を最大限に引き出す為には、「定期的な治療」が推奨されます。人の心と体は繋がっています。身体に表れている心の症状は定期的な治療を継続する事で再発リスクをさらに低減できます。
このブログを通じて皆様の健康に対する問題・課題が少しでも晴れてくれると幸いです。
セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院
院長 出口友弘
副院長 堅井亮
スタッフ一同
一部、参考サイト
日本自律神経研究会
https://www.jiritusinkei.com/
厚生労働省 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00005.html
厚生労働省 「〜メンタルヘルス対策における職場復帰支援〜 改訂」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-1.pdf
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 うつ
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c05/05.html
日本うつ病学会
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
日本うつ病リワーク協会
日本うつ病リワーク協会
皆様、こんにちは。
千葉駅前にありますセドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院の出口です。
暖かくなり、花粉症の患者様も増えてまいりました。アレルギー症状が出現するとお肌の調子が気になるという方も多くいらっしゃいます。そんな時におススメなのが、、、話題の天然微細鍼と呼ばれるスピキュールも使う、弊社の【漢方フェイシャル】です。
お顔にある内臓のツボ(経穴)を使用して【体を内面から綺麗に】をコンセプトに本来の美しさ+毛穴レスを実現するセドナ治療院グループが自信を持ってオススメする施術です!
◎漢方フェイシャルって何?
鍼灸師が考案した鍼を使わない【Nボー】(てい鍼)を使った特別なフェイシャルメニューで、微弱な生体電流が流れているNボーと天然徴細鍼と呼ばれるスピキュールが配合されたマッサージクリームを使いお顔のツボを刺激し、和漢CO2パックで肌活性を促します。美肌になれるだけでなく、自律神経やホルモンバランスを整え、根本から肌と身体の不調解消を目的とした施術です。
従来の肌表面にのみアプローチするのではなく、肌トラブルの原因である内臓の弱り、自律神経の乱れにアプローチするフェイシャルメソットですので是非興味がある方はお試しくださいませ。
◎施術の流れ
①肌活性
天然微細鍼と呼ばれるスピキュールを肌内部に浸透させ、ターンオーバーの作用を利用し肌修正、細胞の再生の促進し、和漢成分の入ったクリームが肌に浸透してお肌から内臓、自律神経を整えていきます。
②ツボ刺激
皮膚の上からツボを刺激することにより気(自律神経)・血液の流れを改善し筋肉の緊張を軽滅していきます。筋肉の緊張をほぐすことによりたまっている老廃物が流れ不調を改善します。刺さない鍼(てい鍼)ですので、出血はなく痛みもほとんどないため安心して受けていただけます。
③小顔マッサージ
歪みの根本的な原因にアプローチを行っていきます。
お顔の左右のバランスを整え、正常な位置に戻す事により、小顔になるだけでなく、頭蓋骨の歪みも治すことにより自律神経の乱れも整います。
④和漢CO2パック
和漢ハーブと、自律神経を整える精油をブレンドした結果を出す事を考えて作成した、高濃度炭酸パックになります。
それぞれ効能が異なる4つの精油をブレンドすることで鼻から脳に直接働きかけ、リラックス、肌荒れ、引き締め、抗酸化効果を高めていきます。
◎こんな方にお勧め!
□ニキビ跡が気になる
□肌の張りやくすみが気になる
□自律神経の乱れとお顔の肌の調子が悪い
□ホルモンバランスの崩れを感じる
□胃腸などの不調がある
□鍼の刺激が怖いけど美容鍼灸には興味がある
◎ご予約方法
漢方フェイシャルの施術は完全予約制になっておりますので、下記の方法からご予約下さい。
□お電話「 043-287-4486 」
□メール「sedona.chiba@gmail.com」
こんにちは!千葉駅前院の出口です。
早い物で今年もラスト3か月、悔いの残らない2022年を皆様に過ごして頂く為に、先月から千葉駅前院にも浦安院に次いで皆様を真の健康に導く為の新兵器が導入されました。
お待たせしました!葉MAM(ハマム)の登場です。
浦安院にも配備されている、このハマムの最大の特徴の1つは「横になったままハーブ浴ができる」というものです。
皆様は「ヨモギ蒸し」をご存知でしょうか?「ヨモギ蒸し」とは?ヨモギを煎じた蒸気で下半身を中心に浴び、吸収させる中国伝統療法の1つです。今までもハーブテントは気持ちいいけれど「座っていなければならないのが難点、ベッドに横になったままハーブ浴ができたら、、、」そんな発想から生まれた業界初のスチームベッドです。
多くは座ったまま施術を行う物が殆どですので、鼠径部や膝など大きく流れているリンパ管・リンパ節が座る姿勢をとる事で折れ曲がり、リンパ液の流れを阻害している事が弱点として挙げられてきました。
そこでこのハマムは大きな葉っぱの形をしたベッドの上で全身の広い範囲でゆっくりとハーブスチームが体中にいきわたるよう設計されています。(顔は出しておけるのでサウナが苦手!という方でも安心して受けられます)
不妊治療や生理痛が酷いなどの患者様も多くいらっしゃいますが、その他、多くの方にご愛好頂いております。
ヨモギ蒸しは気持ちいいけれど、座っていなければならないという難点を開発者の方の、熱い想いにより具現化したものがこのハマムになります。
「ハマムってなに?」
アラビア語で「熱い空気・湯の供される場」という意味を持つ、トルコ式スチームバス「ハマム」は、清潔と浄 化が不可欠なイスラムの伝統的なスチーム風呂です。
ハンマームという中東で7世紀から行われている公共浴場を指しています。
イスラム教ではお祈りの前には身を清める。そして人々の社交の場としてこのハンマームが使用されていました。
イスラムの女性たちは肌を露出する事がありません。これはイスラム教の教えによるものですが、イスラムの方は美容に気を配る方が非常に多くビューティーコンテストでもかなりの好成績を残しています。イスラムの女性にとって美とは一皮むけている事、毛がないことが非常に重要になります。
この結果を裏付けているのがこのハンマームの習慣です。ハンマームはサウナのようにスチームでしっかりと体を温めて体を浄化していきます。さらにアカスリを加えて美肌に向けて一直線です。
「当院での葉マムとは?」
専用のスチームベッドを使って、漢方ハーブを体の下からスチームで浴びていただけます。
お風呂と言っても施術着を着て頂いたままの使用が可能で、施術終了後にシャワーを浴びる必要もありません(確かに大量発汗されますがドライサウナなどと違いスチームで発汗ですのでベタベタしないサラサラの汗が出てきます)
また昨今の情勢もあるようにスーパー銭湯や公衆浴場など人が多く集まる場所に抵抗がある方にこそ、安心して施術を受けて頂けるように施術は「完全個室」での提供に成りますのでご安心くださいませ。
「ハマムは是非こんな方に受けて貰いたいです!」
・運動不足の人
・汗をかく習慣がない人
・汗をかきにくい人
・お風呂に入る習慣がない人
・自律神経が乱れている人
・ストレスが多く力が抜けない人
・低体温気味の人、冷えを感じやすい人、
・密が気になる人(完全個室で行います)
・季節の変わり目に体調を崩しやすい人
・東洋医学に興味のある人、
・何故かわからないけど体調が悪い人て
・健康的に痩せて代謝を良くしたい人
・生理痛がきつい人、ご懐妊を望んでいる人
院長の出口をはじめセドナスタッフも体調管理・健康維持の為、定期的に施術を受けております。
「遠赤外線の効果で体の芯からポッカポカ」
人間の身体をつくる「炭素」は人体のおよそ18%と言われており、人体と共鳴して吸収される遠赤外線を放射する有機質のハーブを炊くことによって、より多くの遠赤外線を利用できるようになります。
ハーブエキスを含んだスチームをゆっくり全身に浴びる事により、身体を深部から温め、各種ハーブの効果・効能をより得易くなります。
よく耳にする「遠赤外線」とは…
アメリカ航空宇宙局(NASA)が、生体の代謝・成長・育成に不可欠な波長として発見した「赤色光線」より波長の長い赤外線の中、3~1000μ(ミクロン)位の波長で、これを「遠赤外線」といい、人類は知らずにその発生以来、この遠赤外線のおかげをうけて生きてきた。目には見えないが、「生体に深く浸透して熱反応を起こします」人体に極めて有効不可欠な光線です
遠赤外線の「共鳴波長」とは…
人体と共鳴するには人体と同じ素材、即ち有機質であることが必要であり、セラミック、石、岩盤などの生体有機質を含まない無機質だと人体と共鳴しないと言われ生体を深部から温めることができません。したがって有機質である「ハーブ」を使用し共鳴する波長を放射しておりますので身体を深部まで温める事が
共鳴遠赤外線の人体への効果として次のことが認められております
・皮下深層まで温度上昇する—波長の共鳴吸収作用による深達力の増強
・血液循環の促進
・新陳代謝の促進
・組織再生力の向上
・知覚神経の異常興奮の抑制
・自律神経の機能調整
発汗は体にとってとても重要
◇人間の体を一定の温度で20分以上温めると「ヒートショックタンパク」が生まれます。
体を温めることによってヒートショックタンパク(ヒートショックプロテインとも呼ぶ)が血中に生まれ、筋肉内の乳酸生産を少なくするので、元気で風邪に強く、疲労しにくくなります。
◇疲れが抜けない、低体温の方などは「30分以上、体を温めると効果的」
お風呂でもいいのですが、できれば頭部を温めないよう首を出した状態が理想的です。低体温傾向の人は、定期的に温まって汗をかくことが重要です。
◇人間の体は39度になると眠っていた免疫細胞が目を覚まします。
低体温傾向の人は、うまくヒートショックタンパクを使えていない可能性があります。また、病気の温床となりますので、定期的に温まることが必要です。
◇体をじっくり温めて汗をかくと老廃物の他、活性酸素も排出されます。
サウナや首から下を温める装置などでじっくり温まって汗をかくと、水分や皮脂に混じって、皮膚にたまった有害物質が汗として溶け出し、活性酸素も排出されます。定期的な発汗により、悪いものを排出する習慣づけが必要です。
「セドナ治療院グループの施術との相性が抜群!」
例えば、鍼灸治療に目を向けるとWHOが定義する人の身体には361の「経穴(ツボ)」が存在します。経穴とは簡単に言うと体表面に存在する内臓の反応点です。
人の身体の機能を絶えず正常に保つためのエネルギーが循環していると考えられています。
このエネルギーの循環する通り道が経絡と呼ばれており、人体中をくまなく巡り、常に身体のすみずみまでエネルギーを送り届けているのです。
通常の鍼灸治療にプラスして、ハマムで経穴に温熱刺激を全身に与える事で内臓を含めた体のすみずみまで血液循環が改善され、免疫力を高め自然治癒力を引き出す事が可能です。(人の体は39度になると眠っていた免疫細胞が賦活します)
またオイルトリートメント前後にハマムを使用する事で元々、高い浸透率を誇るオイルの効果を更に高め、気血水の滞りを改善します。
(主な効果)
・増血左様:血液を増やし、血液の流れを良くする
・止血作用:血小板の働きを促進し、治癒を促す
・免疫作用:外から侵入して細胞やウイルスから体を守ります
・内分泌作用:内分泌の働きを促し、ホルモンバランスを整える
・鎮痛作用:痛みを和らげる
オーガニックハーブについて:これからの寒くなる時期
【冷え性の方は必見です】
このハマムに用いられるハーブエキスを含んだスチームをゆっくり全身に浴びる事で遠赤外線の効果、各種ハーブの効果・効能をより身体を深部から温めます。これにより新陳代謝の促進・自律神経の機能調整・また汗をかきづらい冬でも大量発汗により老廃物を排出しデトックスが可能です。
※インドネシア産の10種オーガニックハーブをブレンドしたものに、その日の体調に合わせて国産ヨモギやアロマオイルなどを組み合わせて参ります
インドネシアは、世界で最も多くの動植物の生息地と言われています。
地の利とも言える環境の中、インドネシア伝統の生薬文化「ジャムウ」は誕生し、長い歴史と共に進化を遂げてきました。ジャムウには、多種多様な生薬(ハーブ)が使用されています。
10種オーガニックハーブは以下の通りです。
・カルダモン:精神疲労、神経鎮静、消化促進作用、食欲増進効果など
・シリの葉:咳止、体臭消臭、抗菌、殺菌など
・セチャンの木:破血、止痛、排膿、通経、疎風、活血など
・ライム:血流、老廃物排出、肩こり、集中力、食欲増進、炎症緩和など
・レモングラス:抗うつ作用,リフレッシュ効果,リウマチ,免疫力向上など
・ジンジャー:体を温める、風邪、冷え性、新陳代謝の活発化など
・ベチパー:ニキビ,老化防止,胃腸消化器系,月経障害など
・ナツメグ:発汗作用,鎮静作用,乳汁分泌促進・消化促進など
・シナモン:発汗作用,鎮静作用,健胃・利尿・整腸・嘔吐など
・ラベンダー:鎮静・鎮痛作用,神経鎮静,精神疲労,不眠,婦人科系トラブルなど
「ハマム導入キャンペーン」
10月31日まで千葉駅前院にて「導入キャンペーン」が始まっております。
キャンペーンとして、通常:葉マム浴 1回30分 3,300円を、施術と同時使用で「1100円」の特別価格でご提供しております。この機会に東洋医学を身近に感じ体の不調の改善・体調管理に役立て残り三か月のラストスパートを走り抜けて下さい。
千葉駅前のパワースポットで皆様をお待ちしております。