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医療機関での検査が必要な腰痛の見分け方

2026.09.29 | Category: 腰痛,解剖学

昼夜の寒暖差や気圧など環境的ストレスによって季節の変わり目に多い「ギックリ腰」。

特に今の時期、次のようなことでお困りの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

「急に腰が痛くなったけど、整骨院に行っていいの?」
「ぎっくり腰なら、そのまま様子を見ても大丈夫?」
「病院で検査を受けたほうがいいのはどんな場合?」

急に強い腰痛が起こると、どこに相談すればよいのか迷ってしまいますよね。

いわゆる「ぎっくり腰」は、医学的には急に生じた腰痛を指す一般的な呼び方で、原因がすべて同じというわけではありません。筋肉や筋膜などの軟部組織、関節、椎間板などが関係することもあれば、骨折や感染症、神経の障害、内臓の病気など、医療機関での検査が必要になるケースもあります。

日本整形外科学会も、腰痛には脊椎だけでなく、血管・泌尿器・婦人科・消化器など腰以外に由来するものがあると説明しています。

そのため大切なのは、「腰が痛い=整骨院」「腰が痛い=病院」と一律に決めることではありません。

症状の経過や痛みの特徴、神経症状、発熱や外傷の有無などを確認し、必要に応じて医療機関で検査を受けることが重要です。

「ぎっくり腰=筋肉の損傷」ではない

ぎっくり腰というと、「腰の筋肉が急に傷ついた」「腰の筋肉が肉離れを起こした」というイメージを持つ方も少なくありません。

しかし、急性腰痛の原因は一つではありません。

腰椎周辺の関節や椎間板、筋肉・筋膜など、さまざまな組織が痛みに関係する可能性があります。また、検査を行っても明確な一つの原因を特定できない「非特異的腰痛」も少なくありません。

NICEの腰痛ガイドラインには、腰痛の大部分は重大な疾患によるものではない一方、がん、感染、骨折、炎症性疾患などを疑う場合には別の評価が必要とされています。

つまり、「ぎっくり腰になったから、この組織が必ず損傷している」とは限りません。

だからこそ、強い痛みがあるかどうかだけではなく、どのように痛くなったのか、ほかにどんな症状があるのかを見ることが大切です。

整骨院で相談が考えられるケース

明らかな転倒や大きな外傷がなく、腰を動かした際に痛みが出る、一定の姿勢や動作で痛みが変化するなど、筋肉や関節など運動器の問題が考えられる場合には、まず整骨院で相談することが選択肢の一つとしてあります。

特に「動くと痛いけれど、足の力は入る」「発熱など全身症状もない」といった場合には、運動器の状態を確認しながら経過を見ることができます。

ただし、ここで重要なのは、整骨院で相談できることと、整骨院だけで様子を見てよいことは同じではないという点です。

症状の中に医療機関で確認したほうがよいサインがある場合には、無理に施術を続けず、整形外科などへの受診を優先する必要があります。

医療機関で検査を受けたほうがよいケース

では、どのような腰痛に注意が必要なのでしょうか。

日本整形外科学会では、腰痛に加えて「安静にしていても痛みが軽くならない」「徐々に悪化する」「発熱がある」「下肢のしびれや力が入りにくい」「尿漏れがある」といった症状がある場合、放置せず、速やかに整形外科を受診するよう案内しています。

代表的な注意すべきサインを整理すると、次のようになります。

① 足の力の入りにくさがある

腰痛だけでなく、足の感覚の低下(触れた際の感覚が鈍くなる)、筋力低下などがある場合には、神経が関係している可能性があります。

特に、著明に症状が悪化してきている場合や、両下肢に強い症状がある場合は注意が必要です。

② 排尿・排便の異常がある

「尿が出にくい」「尿を我慢できない」「便を漏らしてしまう」といった排尿・排便機能の変化や、股の間からお尻にかけての感覚が鈍くなる症状は、神経の重大な障害が疑われる重要なサインです。

このような場合には、自己判断で様子を見ず、早急に医療機関で評価を受ける必要があります。

③ 発熱や体調不良を伴っている

腰痛と同時に発熱がある場合、単純な筋肉や関節の痛みだけではなく、感染症など別の病気が関係している可能性があります。

特に強い倦怠感などを伴う場合には注意が必要です。

④ 転倒・交通事故など、大きな外傷のあとに痛くなった

転倒や衝突など明らかな外傷がある場合は、骨折などの可能性があります。

また、高齢の方や骨粗鬆症のリスクがある方では、比較的小さな転倒や、重い物を持ち上げただけでも脊椎の圧迫骨折が起こることがあります。重大な外傷に加え、高齢者や骨粗鬆症が疑われる人の軽微な外傷は脊椎骨折のリスクとして挙げられます。

⑤ がんの既往歴、原因不明の体重減少などがある

過去にがんの治療を受けたことがある、原因が分からないまま体重が減っている、免疫機能が低下しているなどの場合には、腰痛の原因として別の疾患を除外する必要があります。

⑥ じっとしていても痛みが強い、時間とともに悪化している

「少し休めば楽になる」という一般的な動作時痛とは異なり、安静にしていても強い痛みが続く、夜間も痛みが強い、時間とともに悪化しているといった場合には、通常の腰痛以外の原因が隠れていないか確認することが大切です。

迷ったときに大切なのは「症状の強さ」だけではありません

腰痛では、「痛みが強いから重症」「痛みが弱いから安心」と単純に判断できないことがあります。

例えば、非常に強い痛みでも、動作によって変化し、他の危険な症状がないケースもあります。一方で、痛みそのものはそれほど強くなくても、進行するしびれや筋力低下、排尿障害などを伴っていれば、医療機関での評価が必要になる場合があります。

そのため、腰痛が出たときは、

「いつから痛いのか」
「何をして痛くなったのか」
「動くと痛いのか、じっとしていても痛いのか」
「足のしびれや力の入りにくさはないか」
「発熱などの症状はないか」

といった点を確認しておくことが大切です。

整骨院か病院か迷ったら、まずご相談ください

急な腰痛が起こると、「このくらいなら大丈夫だろう」と我慢してしまう方も少なくありません。

一方で、インターネットで症状を検索しても、自分の腰痛がどのケースに当てはまるのか判断するのは簡単ではありません。

当院では、まず現在の症状や発症した状況についてお話を伺い、状態を確認します。そのうえで、施術の対象として考えられる状態なのか、医療機関での検査が必要と考えられる状態なのかを含めてご案内しています。

腰痛は、その原因によって必要な対応が異なります。

「急に腰が痛くなったけれど、整骨院に行っていいのかな?」

そんなときは、無理に我慢せず、一度ご相談ください。

必要に応じて医療機関の受診をご案内することも含め、その方の状態に合った対応を考えることを大切にサポートさせて頂きます。

セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院

【参考文献】

・公益社団法人 日本整形外科学会

・公益社団法人 日本整形外科学会

・National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management (NG59).

・American College of Radiology. ACR Appropriateness Criteria® Low Back Pain. Revised 2021.

・厚生労働省.「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」.

・Downie A, et al. Red flags to screen for malignancy and fracture in patients with low back pain: systematic review. BMJ. 2013.

・Henschke N, et al. Most red flags for malignancy in low back pain guidelines lack empirical support: a systematic review. J Pain. 2017.


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