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東洋医学㉓ 食事

2020.03.07 | Category: 東洋医学

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前回から「薬膳」についてご紹介しています。

簡単におさらいしますと、

中医学の観点からみると身体に良い食事は

食用・食養・食療・薬膳の4種に分類されます。

 

「食用」は季節や土地・環境に応じて栄養バランスを整えた食事を指します。

 

「食養」は季節や土地・環境だけでなく、体質にも考慮した「身体を養う」食事です。

 

「食療」は中医学理論に従い、不調や疾病の改善を目的として補養効果を取り入れた食事を指します。

 

 

「薬膳」は「食養」から更に『生薬』を加えた病気を治療するための膳食になります。

 

 

 

 

今回からは「薬膳理論」について更に詳しくご紹介していきます。

 

 

おさらいでも申し上げたように『薬膳』は中医学理論に従った

「食療」に「生薬」を加えたものになります。

この「生薬」は薬理作用のある自然物であるとされます。

おそらく「生薬」と聞くと、菊花や枸杞子、桂皮や陳皮などの植物の生薬のみをイメージされる方が多いかと思います。
確かに生薬の中でも植物性生薬はそのほとんどを占めます。

植物の種類で言えば種子植物、シダ類、地衣類、藻類、菌類由来の生薬が存在します。

また植物の部位では全草、根茎、皮、枝、葉、花、果実、種子、分泌物などさらに細分化されます。

 

植物以外の生薬は鉱物性生薬と動物性生薬があります。

 

鉱物性生薬は岩石や鉱物などの無機物から生成されます。

 

代表的な物は「石膏」で、身体の熱を冷ましたり、激しい口渇に用いられる生薬です。

 

動物性生薬は哺乳類、爬虫類、昆虫類、貝類に由来するものから生成されます。

代表的な物は「牡蛎」で、不安や不眠、動機、頭痛、めまいなどに用いられる生薬です。

 

生薬の効能は、その重さも重要な手掛かりであるとされています。

自然の法則として、重いものは落下・沈殿し、軽いものは上昇・拡散する性質があります。

これを「天人合一」の考え方に当てはめると、体内でも同じ現象が起こると考えられます。

つまり、軽い生薬は体内に入ると上昇の性質を持ち、中から外へ拡散します。

薬理効果としては、表面の邪や寒邪を取り除く作用などがこれに該当します。

逆に、重い生薬は体内に入ると下降の性質を持ち、外側から内側に沈みます。

薬理効果としては、上逆を鎮めたり、熱邪を取り除いたり、利尿作用などがこれに該当します。

 

また、生薬には効果が発揮される臓腑や経絡が決まっていて、これらを「帰経」といいます。

「帰経」は今後詳しくご紹介する「五味」と深い関係があります。

例えば、酸味の帰経は肝経である為、適量の酸味は肝を保養します。

同様に苦味は心、甘味は脾、辛味は肺、鹹味(塩辛味)は腎を保養します。

 

 

次回は薬膳のもう一つの大きな要素=「食療」の部分のポイントについてご紹介します。

どうぞよろしくお願いいたします。


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