こんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です。
今回は「期外収縮に対する鍼灸治療で使われる経穴(ツボ)」についてお話させていただきます。また今月のブログで使用した参考文献も最後に記載しておりますのでどうぞご覧ください。
◎期外収縮に対する鍼灸治療で使われる経穴(ツボ)
前回、期外収縮に対する鍼灸治療の臨床研究についてご紹介させていただきましたので、今回はその際に使われた経穴(ツボ)の位置や効能についてお話させていただきます。
また、鍼灸と期外収縮②でご紹介した東洋医学的な観点からの治療で使う経穴についてもお話していきたいと思います。最後までお付き合い頂けますと幸いです。
【臨床研究で使われた経穴】
・内関(ないかん)
位置: 腕の中央、手のひらを上にして、手首の横じわから指3本分上
効能: 心悸亢進(動悸)、胸痛、胃の不快感、乗り物酔い、自律神経の調整
・心兪(しんゆ)
位置: 背中の第5胸椎棘突起の両側、指2本分外側
効能: 心臓の機能調整、動悸、息切れ、不眠、精神安定
・神門(しんもん)
位置: 手のひらを上にして、手首のシワの小指側にある窪み
効能: 動悸、不眠、精神安定、自律神経の調整
・足三里(あしさんり)
位置: 膝の下、脛骨(すねの骨)の外側、膝蓋骨(膝のお皿)の下から指4本分下
効能: 胃腸の調整、倦怠感の改善、免疫力向上、自律神経の調整
・百会(ひゃくえ)
位置: 頭頂部、両耳を結ぶ線と正中線の交点
効能: 自律神経の調整、精神安定、めまい、頭痛、不眠、眼精疲労、肩こり
・太渓(たいけい)
位置: 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
効能: 腎の機能調整、むくみ、冷え症、腰痛、のぼせの改善
・厥陰兪(けついんゆ)
位置: 背中の第4胸椎棘突起の両側、指2本分外側
効能: 心臓の血流調整、動悸、胸痛、自律神経の調整
・郄門(げきもん)
位置: 手のひらを上にして、手首の横じわから指4本分上の中央
効能: 狭心症、動悸、胸痛、自律神経の調整、精神不安、ストレス、咳
◎東洋医学的な観点からの治療で使う経穴
・気虚、血虚(心気虚、心血虚)
内関、神門、気海(※)、足三里
※気海
位置:臍から指2本下
効能:息切れ、易疲労、倦怠感、冷え性、生理痛、消化器症状
・瘀血(おけつ)
膻中、血海、三陰交
膻中
位置:胸骨の中央、両乳頭を結んだ線の中点
効能:動悸、息切れ、精神安定、自律神経の調整
血海
位置:大腿の内側、膝のお皿(膝蓋骨)の上端から指3本分上、内側広筋のふくらみの部分
効能:血流促進、婦人科系疾患、冷え症、むくみ、膝の痛み
三陰交
位置:内くるぶしから指4本分上、脛骨の後ろ側
効能:ホルモンバランスの調整、自律神経の調整、血流促進
・気滞(きたい)
太衝(※1)、合谷(※2)、百会
※1 太衝
位置:足の甲、親指と人差し指の骨(第1・第2中足骨)の間、足の指を曲げたときにできるくぼみの奥
効能:自律神経の調整、肝機能の改善、ストレス緩和、血圧調整、頭痛・めまいの改善、目の疲れ、情緒の安定
※2 合谷
位置:手の甲、親指と人差し指の骨(第1・第2中手骨)の交わる部分のくぼみ
効能:全身の気血の巡りを改善、痛みの緩和、免疫力向上、ストレス軽減、頭痛・歯痛・目の疲れの改善、風邪予防
・陰虚(いんきょ)
照海(※1)、三陰交、太渓(※2)
※1 照海
位置:内くるぶしのすぐ下、足の内側のくぼみ(内果下方)
効能:腎機能の改善、のぼせや冷えの調整、咽喉の潤い調整、不眠、婦人科系の不調(生理不順・更年期障害)
※2 太渓(たいけい)
位置:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
効能:腎機能の強化、冷えの改善、ホルモンバランス調整、のぼせ・むくみの解消、腰痛・足の痛みの緩和
◎参考文献
・日本循環器学会『不整脈診療ガイドライン』
・AHA/ACC/HRS合同ガイドライン
・Braunwald’s Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 11th Edition ・Merck Manual – Consumer Version
・日本内科学会雑誌
・Li X, et al. (2015). “Effects of Acupuncture on Heart Rate Variability in Patients with Cardiac Arrhythmias.” Journal of Traditional Chinese Medicine.
・Wang J, et al. (2018). “Acupuncture and its Anti-Inflammatory Effects on Cardiovascular Diseases.” Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine.
・Zhao Y, et al. (2019). “Clinical Study on the Effects of Acupuncture on Premature Ventricular Contractions.” Chinese Journal of Integrative Medicine.
・全日本鍼灸学会雑誌第69巻第3号『鍼治療単独により心室性期外収縮頻度の減少が得られた一症例』
・日本良導絡自律神経雑誌『今井力:不整脈と良導絡』
今週もお読み下さりありがとうございました。
今回は「期外収縮に対する鍼灸治療で使われる経穴(ツボ)」についてお話させて頂きました。
今回ご紹介した経穴はご自身でもセルフケアの一環として指で押したり、ホットタオルやせんねん灸で温めるなど日常に取り入れやすいかと思いますので是非ご活用ください。
足や手にあるツボから期外収縮へ影響を与えられるなんて想像が難しいかと思いますが、東洋医学では体の問題をその部位だけのものとして捉えるのではなく、体の問題が起こる原因に加えて全身のバランスを見て治療を行っていきます。期外収縮も心臓の機能面だけに着目するのではなく、生活習慣やストレスなど、様々な面からアプローチしていく事が出来ますので、お困り事や不安な事がございましたらどうぞご相談ください!
期外収縮についてのシリーズは一度ここで区切りとなりますが、今月のブログはいかがでしたでしょうか?
もしここについて掘り下げて欲しい等ご要望があれば是非お聞かせください!
セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院 佐々木
鍼灸と期外収縮③ »