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東洋医学㉔ 食事

2020.04.03 | Category: 東洋医学

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回は「薬膳理論」についてご紹介しました。

 

簡単におさらいしますと、

 

①食材の「五性」を考える

 

②食材の「五味」を考える

 

③食材の「陰陽」を考える

 

④季節を考慮する

 

⑤体質を把握する

 

薬膳は①~④を踏まえた上で、⑤=「その人の体質に合わせた」食材を選ぶことで「処方」出来るのです。

 

 

今回は①「五性」と②「五味」について詳しくご紹介します。

 

 

 

①「五性」

五性は食材を『身体を温めるor冷やす作用』によって分類するものです。

温める作用から冷やす作用まで以下の順に以下の5つが「五性」です。

 

・熱性:身体の冷えを強く温める。興奮作用や新陳代謝の促進作用がある。(山椒、唐辛子、胡椒等)

 

・温性:身体の冷えを温める。作用が穏やかで冷えに効果的。(生姜、葱、鶏肉、鯵、黒砂糖等)

 

・平性:寒熱の働きを持たない穏やかな食材。多くの食材が属する。(穀類、芋類、豚肉、果物等)

 

・涼性:体を冷やし熱邪を取り除く。夏やのぼせに効果的。(大根、胡瓜、法蓮草、セロリ等)

 

・寒性:体を強く冷やし熱邪を取り除く。鎮静作用や解毒作用、消炎作用がある。(西瓜、苦瓜、貝類、白砂糖等)

 

 

熱性と温性の食材は体を温めるだけでなく、痛みを抑えたり、気と血の巡りを促す作用があります。

また、「昇浮(上昇・発散)」の傾向があるので、精神を陽気にしたり、風邪や肝気を取り除く作用があります。

反対に寒性と涼性の食材は体を冷やすだけでなく、毒を排除し、身体を潤す作用があります。

また、「降沈(下降・泄利)」の傾向があるので、頭に上がった熱を下げたり、精神安定の作用があります。

平性はそのどちらの作用も持たずきわめて穏やかな性質なので虚弱体質の方や病後・高齢の方なども安心して食せるという利点があります。

 

 

 

②「五味」

五味は五行論に基づいている分類で、それぞれの味が五臓にも対応しています。

五味・五臓・作用は以下のようになります。

 

酸:酸味の食材は肝を養います。収斂・固渋作用があり、体内から の過剰な発散を防ぎ、筋肉を引き締める作用があります。寝汗、下痢、頻尿、咳などに効能的です。(杏、梅、柘榴、五味子、山査子、酢等)

 

苦:苦味の食材は心を養います。清熱・解毒・消炎・鎮静・利尿・通便・燥湿の作用があります。発熱、ニキビ、食欲不振などに効果的です。(苦瓜、菊花、銀杏、茶葉等)

 

甘:甘味の食材は脾を養います。滋養作用・緊張を緩和し痛みを取る作用があります。慢性疲労、虚弱、疼痛などに効果的です。(穀類、果物、蜂蜜、南瓜等)

 

辛:辛味の食材は肺を養います。体を温め、気血の循環をよくし、滞っているものを発散させる作用があります。冷え、?血、疼痛などに効果的です。(生姜、葱、大蒜、胡椒等)

 

鹹:鹹味(塩辛)の食材は腎を養います。化痰・固いものを和らげ塊を解消する為通便作用があります。血虚、便秘、腫塊などに効果的です。(海藻、海塩、海老等)

 

 

 

「五性」と「五味」の概念は生薬とほぼ同様ですが、食材の作用は生薬の作用に比べて穏やかです。

しかし、日々の食事によって正気を蓄え、陰陽のバランスを保つことで『未病』のうちに治療することができます。

 

毎日の食事の食材の選び方を是非見直してみてください。

 

 

 

次回は「薬膳理論」の④「季節を考慮する」について詳しくご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 


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