


皆さんこんにちは!セドナ整骨院千葉駅前院の佐々木です。
セドナ治療院グループでは毎月ユーカリが丘本院、八千代村上院、公津の杜院、浦安院、そして当院千葉駅前院の全5院で月交代で行われるお身体についての勉強会「健康セミナー」が行われています。
先月6/14(日)に千葉駅前院で取り扱われたメインテーマは「睡眠」
今までも何度かお話させて頂いておりますが、今回は少し視点を変えて「睡眠中に私達の体の中で起こっていること」をテーマとして、皆さんに分かりやすく睡眠の大切さについてお伝えさせて頂ければと思います。専門的な内容も多く取り入れながら勧めていきますので、どうか最後までお付き合いいただけますと幸いです。
まずは導入として数値的、そして生物学的な観点から睡眠の重要性について知っていきましょう!
皆さんは人生でどれくらいの年月を睡眠に費やすか想像したことはありますか?一般的に人間が生涯のうちに睡眠に費やす時間は「人生の3分の1」、令和5年に厚生労働省による調べでは日本人の平均寿命は84歳、この数値で換算しますと平均的には約28年を睡眠に充てていることになります。
なんだかもったいないように感じますよね。睡眠中は何もすることが出来ないため、一見すると「意味のない時間」のように思われるかもしれません。しかし、生物学的な観点からみると、睡眠は進化の過程でどの生物もそぎ落とすことのできなかった、極めて活動的な生命現象なんです。寝返り程度でしか体を動かしていないはずなのに活動的….?一体どういうことなのでしょうか。
睡眠中、私たちの身体では脳の代謝産物の除去、記憶の整理、免疫機能の調節、内分泌系の制御、組織修復など、多数の働きが同時並行で進行しています。つまり睡眠とは、単なる休息ではなく、生体の恒常性(homeostasis)を維持するために不可欠な時間ということです。
※恒常性:生体がさまざまな環境の変化に対応して,内部状態を一定に保って生存を維持する現象や状態のこと。血液の成分の一定性や体温調節などがその例。
先ほど申し上げた通り、睡眠はヒトだけに存在する現象ではありません。哺乳類や鳥類だけでなく、魚類、爬虫類、昆虫、さらにはクラゲのような単純な神経系しか持たない生物にも睡眠様行動が確認されています。この事実は、睡眠が高度な知能を持つ生物だけに必要な現象ではなく、進化の過程で極めて重要な生理機能として省略されることなく受け継がれてきたことを示唆しています。
もし睡眠が単なる「休憩」だけの意味を持つのであれば、捕食される危険性が高まり、食料の調達や繁殖といった生物の生存において重要となる時間を失うという大きな不利益を抱えながらも数億年もの進化の中で維持される理由を説明することは難しいでしょう。そのため現在の睡眠科学では、「睡眠にはそれらの不利益を上回る生物学的利益が存在する」という考え方が広く支持されています。
睡眠の役割については長年研究されてきましたが実のところ現在でも「睡眠の目的はこれ」という一つの結論には至っていません。むしろ現在では、睡眠は複数の生理機能を同時に担っているという考え方が主流です。
現在の睡眠科学において最も重要視されている概念が「恒常性」です。
恒常性とは、生体が外部環境の変化にかかわらず内部環境を一定に保とうとする性質を指します。
私たちが起きている間、脳では膨大な神経活動(感覚や身体活動、情動など)が行われ、それによってエネルギーの消費、神経伝達物質の放出、イオンの変化、代謝産物の蓄積などが絶えず生じています。睡眠は、この覚醒中に生じた変化をリセットし、生体を再び最適な状態へ戻すための時間であると考えられていいて、近年ではこの恒常性の維持こそが睡眠の本質的役割の一つであるとする論文が多く報告されています。
2003年にTononiらによって提唱されたシナプス恒常性仮説は、現在でも睡眠研究における代表的なものです。
私たちは起きている間、新しいことを見たり聞いたり、勉強したりするたびに、脳の神経細胞同士のつながり(シナプス)をどんどん増やし、少しずつ強くしていきます。しかし、そのつながりがすべて強いままだと、脳は大量のエネルギーを使い続けることになり、必要な情報と不要な情報が混ざってしまって、かえって働きが悪くなってしまいます。
そこで睡眠中には、一日で増えたシナプスのつながりを整理し、本当に必要なものだけを残して、不要なものは少し弱める作業が行われると考えられています。これを「シナプスのダウンスケーリング」と呼びます。
いわば、散らかった机を片付けて、本当に必要な書類だけを残すようなものです。この働きによって脳は効率よく情報を処理できる状態を保ち、翌日も新しいことを学べる余裕を取り戻していると考えられています。
睡眠と記憶の関係は、現在最もエビデンスが蓄積されている研究分野の一つです。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
私たちは新しいことを学ぶと、「覚えた」と感じます。しかし神経科学の視点から見ると、その時点では記憶はまだ完成していません。
新しい情報はまず、脳の大脳辺縁系にある海馬という部位に一時的に保存されます。海馬は例えるなら「短期保管庫」のような役割を担っており、経験や出来事を一時的に保持しています。しかし、このままでは記憶は不安定で、時間の経過とともに失われてしまいます。
そこで重要な役割を果たすのが睡眠です。
一方、レム睡眠では、固定された記憶同士を関連づけたり、感情的な情報を整理したりする役割があると考えられています。そのため、睡眠は単に「覚えたことを保存する時間」ではなく、「情報を整理し、必要なものだけを長期記憶として定着させる時間」でもあります。
近年では、睡眠中に海馬と大脳皮質の間で神経活動が同期していることや、覚醒中に経験した神経活動パターンが睡眠中に再現される「リプレイ現象」が動物実験を中心に数多く報告されています。睡眠中、特に深睡眠(徐波睡眠・ノンレム睡眠)では、覚醒中に海馬へ蓄えられた情報が繰り返し再生され、その情報が大脳皮質へと転送され、長期記憶として定着すると考えられています。
これらの知見は、睡眠が受動的な休息ではなく、脳が積極的に情報を整理し、学習内容を再構築している時間であることを強く支持しています。
つまり、「勉強したから記憶できる」のではなく、「勉強したあとに眠ることで初めて記憶が完成する」のです。
徹夜でのテスト勉強にはご注意を!
睡眠中には成長ホルモンの分泌が促進され、筋・皮膚・骨など全身組織の修復が進行します。また自然免疫・獲得免疫の双方に影響を及ぼし、炎症性サイトカインの調節や免疫記憶の形成にも関与することが報告されていいます。
よく耳にする「睡眠のゴールデンタイム」はこれを指しており、[午後10時〜午前2時はゴールデンタイムだから背を伸ばす為に寝た方がいい]なんてことを学生時代に聞いた方も多いのではないでしょうか?
余談ですが実は研究によって最新の睡眠のゴールデンタイムは「入眠後最初にノンレム睡眠(徐波睡眠)が来る90分間」と言われています。
そのため、いかに入眠時の質を高めるかが重要となってくるんですね。
睡眠研究は近年大きく進歩し、従来の「脳を休ませる時間」という考え方から、「脳と身体を積極的に維持・再構築する時間」という認識へと変化し、神経回路の再編成、記憶の固定、免疫機能の調節、エネルギー代謝の最適化など、多様な生命維持機構が同時に働いていることが明らかとなってきました。
つまり睡眠とは、「活動を停止する時間」ではなく、「覚醒中には実行できない生理機能を集中的に遂行する時間」と捉えることができます。
今回は睡眠についてお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
私達が目を閉じて意識を手放している間にもこういった明日の為の準備を身体は行ってくれているんですね。もったいないと感じていた睡眠時間への印象に少しでも変化を及ぼすことが出来たなら、とても嬉しく思います。
日本は世界的に見ても睡眠時間が常に最下位水準になるほど睡眠に対する優先度が低くなっています。実際に患者様に施術する際お話を伺うと、「睡眠をもっと長くとりたいのにそもそも時間が取れない…」というケースを多く聞きます。
先程記載した通り睡眠のゴールデンタイムは「入眠後最初にノンレム睡眠(徐波睡眠)が来る90分間」。何時に就寝したとしてもこの90分間の睡眠の質を高めることが重要となってきます。
セドナ治療院グループでは「不眠」や「睡眠の質の向上」に対して鍼灸治療、整体治療、ヘッドセラピー、オイルトリートメント、生活習慣の指導など、患者様に合わせて様々なアプローチ方法で治療を行っています。
お困りの方は是非一度ご相談くださいませ!
セドナ整骨院・鍼灸院 千葉駅前院
【参考文献】