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「東洋医学⑳ 奇恒の腑 2」

2020.01.16 | Category: 東洋医学

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です

 

前回は「奇恒の腑」の不調についてお話させていただきました。

簡単におさらいをしますと、「奇恒の腑」は五臓とも六腑とも異なる『通常ではない臓器』とも言われます。

具体的には、脳・髄・骨・脈・胆・胞宮(女子胞)を指します。

これら6つの奇恒の腑は機能的には五臓と似て、精気を貯蔵して身体の成長活動の源を担っています。

 

一方、形は腑に似ていますが、六腑のように消化吸収をすることもなく、胆以外は対になる臓腑もありません。

 

その為『奇恒=通常ではない』と呼ばれています。

前回は「奇恒の腑」のうちの脳・髄・骨についてご紹介しました。

 

「脳」は頭骨の内部にある大きな「髄」であると考えられています。

また、「骨」は「髄」によって養われており、「脳」や「骨」の中を満たしているのが「髄」です。

今回は「奇恒の腑」のうち、脈・胞宮・胆の働きと不調について説明していきます。

 

「脈」は「脈は血の府」と『素問』脈要精微論篇に記されていて、現代で言う血管とほぼ同義とされています。

脈はその中に営気と血を通し、気血を全身に行き渡らせる働きを持ちます。

 

そして、血液が血管を『環の端無きが如く』流れていくことから、『正経十二経脈』の三循環式の考え方が生まれたと言われています。

 

脈は心と関係が深い為、心が変調をきたすと脈にも不調が現れます。

脈に不調が生じると、営血が全身に巡らなくなり、脈拍の異常等の症状が現れます。

 

 

「胞宮」は子宮を中心とした女性の内生殖器官全体を指します。

胞宮の主な働きは、月経と懐胎・出産と司る事と、肝血と腎精を主原料とする精血を蓄える事です。

精血の状態の変化や胞絡(衝脈・任脈・督脈)の失調が起こると、胞宮にも不調が現れます。

 

月経では月経不順・月経痛・帯下・不正出血・閉経等

懐胎では悪阻・胎児の不育・逆子等、出産では微弱陣痛や流産等が代表的な症状例です。

 

 

「胆」は「奇恒の腑」の中で唯一、「六腑」にも属しています。

これは胆が消化吸収の機能を持つ一方、

飲食物の移送・貯蔵に関しない性質に所以します。

胆は肝と表裏関係にあり、肝が変調を生じると胆にも不調が現れます。

胆に変調が生じると胆汁の分泌に異常が生じ

飲食物が胃から逆流を起こしやすくなります。

又その影響で、耳鳴りや黄疸などの症状が現れやすくなります。

 

 

これまで各器官・各臓腑の働きと変調に伴う不調についてお話ししてきました。

次回以降は、日常生活でこれらの不調をいかに防ぐか。

という事についてお話ししたいと思います。

 

次回からは中医学論に基づいた食養生「薬膳」についてご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。


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