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「東洋医学」③

2019.04.25

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回と前々回で、東洋医学の重要な考え方の

「陰陽論」と「五行論」についてご紹介いたしました。

今回はもう一つの大きな柱天人合一思想についてご紹介していきます。

 

東洋医学を生み出した中国では、昔から農耕を中心とする生活を送っていました。

その為、太陽や封などの自然の動向や四季の変化に、特別な関心を抱いてきました。

その結果、人と自然界(宇宙)は「統一体」であるという『統一観念』を導き出しました。

 

 

四季の移り変わりなどの自然界の変化は「気・血・津液」にも影響を与え

前回ご紹介した五行色体表にも表わされるように

五臓(肝、心、脾、肺、腎)のエネルギーがそれぞれに相対した季節に旺盛になります。

 

 

このように人体の状態の変化を自然(宇宙)になぞらえることで

東洋医学を論理的・哲学的に説明することが可能になっています。

 

東洋医学の基礎である『黄帝内経』の『霊枢』の中の邪客篇には以下のような記述が残されています。

・天に日月あり、人に両目あり

・地に九州(大陸)あり、人に九竅(孔・穴)あり

・天に風雨あり、人に喜怒あり

・天に四時(四季)あり、人に四肢あり

・天に五音(音階)あり、人に五臓あり

・天に六律(音律)あり、人に六腑あり

 

このような人体の形や機能が天地自然(宇宙)に

相応しているとみる思想を『天人合一思想』と言います。

 

さらに、人体の各臓器・組織や諸器官はそれぞれに違う機能を持ちながら

同時に有機的な繋がりを持っていることから

人体そのものも「統一体」である、ということができます。

 

人体に病変が起きると臓腑の機能が失調し

それが経絡を通じて体表や組織・諸器官にも反応が表れます。

 

例えば、「頭痛がする」といった場合に頭部に原因があるとは限りません。

局所的は勿論、体全体のエネルギーバランスや他の臓腑などの

影響から頭痛が生じているのではないか、という捉え方を東洋医学では行います。

 

これは人体をひとつの「統一体」であるとする思想からきているのです。

東洋医学が“病気を診る”のではなく“人を診る”、『ホリスティック医学』である所以です。

 

次回は生命活動を維持するための重要な物質

「気・血・津液」について詳しくご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いします。

「東洋医学②」

2019.04.09

こんにちは!

セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

 

前回は「東洋医学」の概要をご紹介しました。

今回は東洋医学の重要な考え方の一つ、「陰陽論」についてご紹介していきます。

 

「陰陽論」は、中国の思想に端を発し、森羅万象や宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から

「陰」と「陽」の二つのカテゴリに分類する思想です。

陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり

「万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こる」とされています。

 

 

 

陰陽学説の基本的内容に以下のものがあります。

(1) 陰・陽は互いに対立・制約する。

(2) 陰・陽は互いに依存し,単独では存在しえない。

(3) 陰・陽の消長と平衡。

(4) 陰・陽の相互転化。

 

上の図は太極図(太極マーク)と言い、陰陽論を示したものです。

図で白い部分は「陽」、黒い部分は「陰」を表します。

 

 

 

大きな白い部分の中に黒い点がありますが

これは「陽」の中にも「陰」が存在することを表しています。

同様に、大きな黒い部分の中にも白い点があり

「陰」の中にも「陽」があることを表しています。

 

 

 

今後詳しくご紹介しますが、東洋医学では自然(宇宙)と人体を統一体であると考える

「天人合一思想」が根本になっています。

 

 

 

その統一体にも陰と陽が存在し、上記のように対立したり、依存しあうことでバランスを保っています。

人が健康な時は、この「陰陽のバランスがうまく保たれている状態」です。

しかし、陰陽のどちらかが強くなったり(偏盛)

逆に弱くなってしまう(偏衰)と陰陽のバランスが崩れ

病気になったり健康が損なわれてしまいます。

 

 

 

人体にはこの『陰陽のバランス』を自然に回復する機能が備わっています。

この働きにより、夏には身体内部の陽が強くなりすぎないように発汗して陰気を補ったり

冬には汗腺を閉じて陽気を逃さないようにしているのです。

 

 

 

しかし、偏盛や偏衰が極端な場合や自力でバランスを整える機能が

衰えてしまっている場合などは、鍼灸や漢方での治療が必要となります。

 

 

 

また、人体そのものや生理機能にも陰陽があります。

このように、東洋医学では、生理・病理はもとより全てにわたり、陰陽論の影響をうけています。

 

 

 

次回は「陰陽論」同様、東洋医学の重要な柱である「五行論」について詳しくご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いします。

「東洋医学①」

2019.04.02

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前回は「アロマテラピー」と「東洋医学」の繋がりについてご紹介させていただきました。
今回からは『わかり易く』をモットーに「東洋医学」についてご紹介していきます。

 

東洋医学(=中国伝統医学)は

インドの「アーユルヴェーダ」イスラム圏の「ユナニ医学」と並ぶ

 

世界三大医学のひとつです。

その中でも古代中国で発祥した東洋医学は、

最も理論的な体系を整えているとされています。

 

今後詳しくご紹介していく「陰陽説」「五行説」「天人合一説」

という古代の自然哲学と、中国各地で自然発生的に発達した医療技術と融合させているのも特徴です。

 

中国は古来より広大な土地を有しており

東西南北、それぞれの土地の自然環境、それに伴う食生活を中心とした生活様式に合わせた

独自の治療法を確立してきました。

解りやすいところですと、ユーラシア西部との貿易が盛んで薬草が入手しやすい西部地域では

「漢方治療」が、ロシアに近く寒冷な北部では温熱刺激を与える「灸治療」が発達しました。

現代では「鍼治療」「灸治療」「漢方(湯液)治療」「手技(按摩)治療」

の四つが東洋医学の四つの柱とされています。

これらの医学が朝鮮半島に渡り「韓医学」として

日本には7~8世紀に伝わり「漢方医学」を中心に独自の発達をしてきました。

 

東洋医学の特長として、「現代医学(=西洋医学)」が解剖学や生理学などの

科学的な観点から人体を捉えていることに対して、人体を一つの有機体として捉えていることが挙げられます。

例えば、「胃が痛い」という症状に対して胃カメラやレントゲンで検査をし

胃液や胃粘膜の分泌に働きかける薬を処方するのが「現代医学」です。

それに対し東洋医学では胃の自覚症状に対して、病巣部の直接的な治療だけでなく、

病巣と関連したほかの部位や全身のバランスの乱れなどをチェックします。

それにより、検査での異常や自覚症状の出ていない

「不定愁訴」や「未病」を含めた「身体全体の不調」に対して

「自己治癒力」を高めるための治療を行います。

 

このような統合的に人体を一つの有機体として捉える考え方の基本になっているのが

先ほど挙げた「陰陽説」や「五行説」「天人合一説」になります。

次回はそのうちの「陰陽説」について詳しくご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いします。

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