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「東洋医学⑲ 金の臓=肺」

2019.12.16 | Category: 東洋医学

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前回は「土の臓=脾」の不調についてお話させていただきました。

簡単におさらいをしますと「脾は後天の本」や「脾は生化の源」と言われていて

脾は身体の基本物質である気血や津液の原材料を供給している臓器です。

 

脾の主な働きは飲食物を消化・吸収し、人体の栄養分である

「水穀の精微」を生成し、全身に運搬する「運化作用」です。

脾が不調になると以下のような症状が出やすくなります。

・身体の不調:食欲不振や胃下垂、腹痛、血便や血尿、月経過多

・情緒面の不調:悩みを抱えたり、落ち込みやすくなる

 

 

今回は「金の臓=肺」の不調について説明していきます。

 

肺の主な働きは皆さんご存知の通り「呼吸作用」です。

これを東洋医学的に説明しますと

気や津液を全身に拡散させる「宣発作用」

気や津液を下方に降ろす「粛降作用」に分けることができます。

この二つの作用を用いて、自然の清気を吸い込み

濁気を排出することを「呼吸作用」といいます。

 

もう一つの肺の大きな働きは「気」を司る作用です。

このうちの一つは「火の臓器=心」を助ける作用です。

肺は自然の清気と水穀の精微を結合させて宗気を作ります。

この宗気が営気や衛気の原材料になり

ひいては心の働きである「血液循環作用」を助けます。

もう一つは全身の気機(気の働き)に関する作用です。

身体のあらゆる働きは各種の気によってなされています。

この気の調節には肺の「呼吸作用」が大きな影響を与えます。

このような作用から「諸気は皆肺に属す」(『素問』五臓生成篇)と言われるのです。

肺に不調が生じ、「宣発作用」の働きが低下してしまうと

免疫機能を担っている衛気が全身に行渡らなくなってしまいます。

 

肺は呼吸によって外気と通じているので

防衛機能が低下してしまうと体に外邪が侵入しやすくなります。

 

その結果、感冒(=風邪)に罹りやすくなり、発病時には自汗や悪風

胸悶やくしゃみ、喘息などの症状が見られます。

 

「粛降作用」の働きが低下した場合は、特に呼吸の異常として症状が現れます。

清気を吸い込み体内へ気を降ろす、という本来の働きが出来なくなる為

体外に排出すべき濁気が詰まりやすくなってしまいます。

その結果気が逆上して、喘息や咳、息切れなどの呼吸障害が現れます。

 

 

このような「肺」の不調が生じた場合は

保湿をすることが非常に重要になります。

肌の保湿をすることで皮膚のバリア機能が働きやすくなり

免疫作用を助けることができます。

 

又、空咳や痰が出るような環境は肺の負担になるので

 

室内の加湿をすることが「肺」の回復・養生のカギになります。

 

次回は「水の臓=腎」の不調についてご紹介していきます。


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