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「東洋医学⑱」 「土の臓=脾」

2019.12.09 | Category: 東洋医学

こんにちは!
セドナ整骨院・鍼灸院のアロマセラピスト、前田です。

前回は「火の臓=心」の不調についてお話させていただきました。

簡単におさらいをしますと、「心とは生の本」と言われていて

心は生命の根本を担う臓器です。

心の主な働きは血を全身に巡らせる

「血液循環作用」です。

 

心が不調になると以下のような症状が出やすくなります。

身体の不調:動機や不整脈、胸内苦悶や胸痛、貧血、息切れ、手足の冷え

情緒面の不調:哄笑や些細なことでも悲しみの感情が生じる.

 

 

今回は「土の臓=脾」の不調について説明していきます。

 

 

脾の主な働きは飲食物を消化・吸収し

人体の栄養分である「水穀の精微」を生成し

全身に運搬する「運化作用」です。

 

「運化」とは、食物の中から人体にとって

必要な「水穀の精微」を取り込むことです。

そして、吸収した「水穀の精微」を

上焦まで運び上げます。(=昇清作用)

上焦まで運び上げられた「水穀の精微」は、

肺によって取り込まれた自然の「清気」と合体して「宗気」となります。

この「宗気」が全身を養う気血の素になります。

 

つまり、脾は身体の基本物質である気血や津液の原材料を

供給している臓器、ということができます。

 

この気・血・津液(水)がなければ人間は生きていけないため

「脾は後天の本」「脾は生化の源」とも称されます。

脾の働きが低下してしまうと

食物の消化・吸収に異常が生じ

食欲不振や胃下垂、腹痛になりやすくなります。

また、水穀の精微を材料とする気・血を生成できなくなり

結果として津液の運行も停滞してしまいます。

 

血を推動させる気が不足すると血の運行も停滞し

全身を滋養出来なくなってしまいます。

そのため臓腑や経絡といった器官も栄養不足になり

全身の倦怠感や無気力などの症状が現れやすくなります。

また、津液の運化が低下すると痰湿や浮腫の症状が現れます。

 

 

脾には血脈に血を留める働き(=統血作用)もあります。

この統血作用が低下すると体外に血が漏れ出るようになってしまいます。

これらは血便や血尿、皮下出血、月経過多などの症状として体に反映されます。

 

また、脾は思考とも結びつきが強いとされています。

深く思い悩んだり考えすぎると脾を傷つけると言われています。

逆に脾気が損傷すると悩み事を抱えやすくなったり、落ち込みやすくなってしまいます。

 

 

次回は「金の臓=肺」の不調についてご紹介していきます。


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